大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

謝罪どころか釈明もしない民主党―「直近の民意」はすでに民主党にはない

2010年07月15日 19時18分07秒 | Weblog

 7月11日の参院選挙の結果は明らかで,民意は与党民主党から離れ,自民党などの現野党に移ってしまいました。
 民主党の参院選大敗の主な原因は,菅直人総理の唐突な消費税発言だとされています。しかし,奇妙なことは,菅総理自身が明確に述べていたように,そもそもは自民党の谷垣総裁が今回の参院選での提言として10%消費税を挙げ,菅総理は自民党の提言を参照しつつ,云って見れぱ自民党の提言に乗ったのです。
 ですから,消費税論議が現政権にとって致命傷となった,と云うのはおかしいのであって,10%消費税の是非が参院選の結果を左右したのであれば,自民党あるいは自民党の谷垣総裁にこそ真っ先に逆風が当たったはずです。
 いや,10%消費税をめぐっての菅総理の迷走ぶりが,民主党に対する逆風になったのだ,と云い立てるマスコミもあるのですが,それも十分な説得力があるとは認めがたいでしょう。
 今回の参院選における民主党の大敗を10%消費税論議に帰するのには無理があるのではないでしょうか。
 昨年秋の「政権交代」以後の初代民主党総理,と云うよりも自称「愚かな総理」鳩山由紀夫の,ほとんどすべての政策における迷走ぶりと,小沢一郎の存在,さらには鳩山由紀夫と小沢一郎のそれぞれの政治資金問題こそが,今回の参院選の民主党大敗の根本原因だったのではありませんか。
 参院選を総括するマスコミの態度,各党の姿勢,それぞれに「?」を付けたくなります。
 それにしても昨年の衆院選以来10ヶ月ほどの間,民主党の議員らが嬉しそうに,そして得意そうに繰り返していた「直近の民意」は,いまや民主党から失われたのです。
 ところが,民意が去った民主党であるのに,民主党の議員達,とくに中堅・若手の連中は,いまだに民意は我が党にあり,と勘違いしているようです。
 先ず,菅内閣で幹部に成り上がった連中の傲慢な態度,いまだに自民党を始めとする野党の幹部議員すらも睥睨しているように昂ぶっています。
 例えば,政調会長の玄葉光一郎,国対委員長の糠床いや樽床伸二の傲慢そうな顔は見るのも不愉快,テレビならばチャネルを切り替えるかスイッチを切るほかありません。
 むしろ,かつての自公政権が苦しんだ衆参ねじれ現象を見てきた菅総理以下の最高幹部の方が,これから直面するであろう重荷を想って,深刻な顔になっているように見えます。
 しかし,もっともいけないのは,今回の参院選大敗を,民主党内の誰彼を問わず,総括もせずに知らぬ顔をしていることです。
 根本原因であった鳩山由紀夫,小沢一郎の政治資金問題は勿論のこと,北海道教員組合の問題,鳩山政権の迷走…。民主党の誰一人として謝罪も釈明もせず,知らん顔ではありませんか。
 第一,昨年の衆院選のマニフェストが,その内包する矛盾,杜撰さからどんどん修正を加えられようとしている現状に対しても,論理の一貫性を守るわけではなく,変更の理由すら知らん顔で逃げようとしています。
 千葉景子という法務大臣は,今回の参院選で議席を失ったにも拘わらず,法務大臣席に座り続け,自らが固執する「夫婦別姓法案」「外国人地方参政権法案」は否定された訳ではない,とうそぶき,民主党内部の多くがそれを容認している。
 これが民主党の実体だ,ということに大多数の国民もようやく気付き始めたのかも知れませんが,遅すぎました。日本の将来を危うくする民主党の永久追放を期待します。