大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

W杯後にHIVとブブゼラを日本に持ち帰るな―日本のエイズは増えている

2010年06月23日 19時47分00秒 | Weblog

 サッカーに特別の興味があるわけではありませんが,NHKは異常に頻繁にW杯関連の放送が多いようですし,他の民放も同様,さらに大新聞もW杯に紙面の多くを割いています。
テレビのチャネルを回せば,いやでもW杯に行き当たってしまう中,南アフリカのサッカー場はすべて熊ん蜂の巣じゃないかと思われるようなブンプンと云う騒音が湧き起こっています。
 新聞などによると,アフリカの民族楽器ブブゼラ(Vuvuzela→Wikipedia)を観客が吹き鳴らす音だそうです。
 しかしうるさいですね。情報によると,うるさすぎて選手や監督の声もお互いに聴き取れないほどだとか。また,長時間ひっきりなしに鳴らされるので,観客席でも難聴になる,とか。
 W杯が終わって,いや日本勢に決着がついて,わざわざ現地に出向いた日本のサポーターとやらが帰国したら,こんどは日本各地のサッカー場で,このブブゼラが吹き鳴らされるのでしょうか。
 南アフリカの広大な土地の中で吹き鳴らされるのならばいざ知らず,狭い日本の中で,しかも住宅地に近接したサッカー場で吹き鳴らされたら,周辺住民は堪ったものではないのではありませんか。
 そうでなくとも,これまででさえ日本国内のサッカー場周辺の住民からは騒音に関する苦情が出ていたと云います。W杯後にブブゼラの騒音が加わったら,周辺の住民は地獄でしょう。
 たまたま見たW杯会場の観客席の場面では,現地の人が耳にしっかりと耳栓をつけてからブブゼラを吹き鳴らし始めるのが,ほんの一瞬でしたが間違いなく見て取れました。
 つまり,南アフリカの現地の人でさえ,ブブゼラの騒音が耳に良くないことを承知しているのです。
 日本のサッカー場は,ブブゼラの吹鳴を禁止すべきでしょう。吹きたいから吹くんだ,とお調子者が主張するのは目に見えています。しかし,W杯会場の騒音を狭い日本に持ち帰っては堪りません。
 もう一つ,と云うより今回のW杯騒ぎに伴う深刻な問題があります。
 それは,HIV(ヒト免疫不全ウイルス―エイズ発症につながるウイルス)の持ち帰りです。
 そもそもHIVは,アフリカ原産でした。それが世界中に拡散するようになったのは,アフリカの奥地に閉じ込められていたはずのサルや類人猿由来のウイルスが,奥地開発とともに広まってしまった,と云われています。エボラ出血熱と同じです。映画「アウトプレイク」です。
 それはともかくとして,南アフリカにおけるHIV蔓延の現状は恐るべきもので,住民の5人に1人はHIV感染者だと云われています。
 そして,HIVはヒトの体液を経由して感染します。精液はもちろん,唾液からも感染します。
 想像をたくましくすれば,南アフリカで現地人が試しに吹き鳴らしたブブゼラを日本人が購入し,そのまま消毒もせずに唇をつけて吹き鳴らせば,HIVに感染することもあり得るのです。
 売春婦との接触はもちろん危険ですが,感染経路はそれだけではありません。
 決して南アフリカの人たちだけが悪いわけではありませんが,危険は危険です。
 ところが不思議なことに,W杯が始まる前から,このことを積極的に公知させた機関はありませんでした。あったとしても,ごく地味に触れただけで,W杯狂いのNHKでさえ,公知に積極的ではありませんでした。ましてや,民放テレビでは皆無に近く,新聞雑誌もほとんど触れていません。
 日本のHIV人口と,エイズ発症人口は,先進諸国の中では絶対数としては少ないのですが,その増加傾向は先進諸国中では最悪に近いのです。東南アジアも含めて,エイズ人口が頭打ちになっている国もあるというのに(タイなど),日本は依然として増加傾向,しかも指数的に増加している,と云えるのです。(→「HIV感染者及びエイズ(AIDS)患者報告数の推移」
 かつて国立の感染症関連施設の研究者を訪れたとき,研究者から「実は中学生の少女が入院しているのですよ」と囁かれたことがあります。いまや治療(多剤併用療法)が適切に行われれば,エイズは死に至る病気では無くなりつつありますが,大変な費用がかかります。南アフリカが,HIVに関しては決して安全な国ではありません。
 W杯後の日本のHIV人口に変化が起きることが無いよう祈っております。


「はやぶさ」に想う―蓮舫に仕分けされなかったプロジェクト

2010年06月14日 21時03分12秒 | Weblog

 民主党政権の目玉として行われたにすぎない公開の事業仕分けパフォーマンスは,結局大した成果も上げずに終わりました。
 しかし,その事業仕分けで残されたのが,蓮舫議員の次世代スーパーコンピュータに対する「なぜ世界一でなければいけないのですか,世界第2位じゃ駄目なんですか」という迷台詞です。
 この迷言を科学技術分野の事業仕分けの尺度にすれば,7年前の2003年5月9日に打ち上げられて3億キロの彼方にあるわずか540m×270m×210mの小惑星イトカワに着陸し,地球に戻ってくる,という快挙(実飛行距離約20億キロ)を成し遂げた「はやぷさ」など,なんの意味もない科学者の好奇心,税金の無駄遣いとしか思わないでしょう。
 ましてや,日本に対して愛国心のカケラもない帰化人・蓮舫にとっては,はやぷさの帰還が混迷する民主党政権下の日本人にとって世界に誇れる偉業だとは思っても見ないでしょう。
 ほとんど全ての日本人が,満身創痍のはやぶさの帰還を心待ちにして,それぞれの心の中にほとんど擬人化したはやぶさを描いていたのです。
はやぶさの本体は大気圏突入と共に燃え尽きて,その直前にわずか6kgのカプセル―小惑星イトカワの表面の土埃を持ち帰ったかも知れないカプセルを,まるで火の鳥が卵を生み落とすように,オーストラリアの沙漠のアボリジニの聖地に,ほとんどピンポイントで着地させたカプセルを迎えて,国民の多くが「ご苦労様でした」との感慨を懐いたのではないでしょうか。
このような擬人化した感覚は,おそらくは日本人にしかない感覚ではありませんか。そして,はやぶさが人類初の快挙であったことを誇りに思うのも,日本人だけの感覚でしょう。
蓮舫議員は,国務大臣就任後記者会見場などに入退場する際,日本国旗に対して何らの敬礼もしないそうです。(→読売新聞など)
彼女にしてみれば,単なる有利な生計の場に過ぎない日本の国旗なぞに敬礼する必然性などないじゃないか,と云ったところでしょう。
はやぶさには日本の科学技術の粋が数多く詰め込まれていました。NECが開発したクセノンガスのイオンエンジンは,この概念の世界で最初の実用化です。そして,はやぶさに搭載した化学エンジンが全て駄目になったときに,このイオンエンジンが推進力として最後まではやぶさを地球に帰還させたのです。
この技術も,地上の推進力として直ちに利用されると云うものではありませんが,将来―と云っても10年20年先という近未来ではなく,惑星間飛行などが視野に入ったときに使われるエンジンですが,現時点で実用できることを証明した意義は大きいのです。
JAXAは,はやぶさの後継機を想定して研究を続けたいようですが,民主党政権では満足な予算が付かないようで,はやぶさは一代限りで終わってしまう公算が強いようです。
 日本人として,こんな近視眼的政権に将来への希望を閉ざされてよいものでしょうか。
選挙目当ての安っぽい子ども手当や農家個別補償に中途半端な国費を使うよりも遙かに低い投資ではやぶさの後継機研究を継続することができるのです。
民主党の水戸黄門とあだ名される渡辺恒三氏は蓮舫を「テレビ用大臣」と評して,菅直人内閣の客寄せパンダとまで言い切ったのですが,まずいと思ったのか,直ぐに訂正してしまいました。
もう一つ気を付けなければいけないのは,蓮舫議員の菅内閣入閣が噂されたときに,真っ先にその情報を歓迎したのが中国でした。この問題はまた書くつもりですが,蓮舫が中国の対日本政策に利用される可能性は大であることを,常に心にとめておくことが必要でしょう。
ともかく,こんな愛国心のない人物を内閣の一員とすることには情報漏洩など国家的危険が伴います。それを忘れてはなりません。 


樽床伸二?Who?―多数決主義の恐怖

2010年06月04日 18時49分42秒 | Weblog

 「愚かな総理」が辞任して,民主党は急遽衆参両院議員のみの投票によって代表選挙が行われました。結果はすでにマスコミによって報じられていますが,菅直人の対抗馬として突如現れたのが樽床伸二なる人物でした。
 この男,民主党の議員総会の前に突如として現れた感じがしますが,みなさん知ってました?私は全然知りませんでした。
 出てきた人物は,失礼ながら目つきが悪く,しかも目が落ち着かず,それでいてかなりの自信家らしく高慢横柄な感じがして,これは菅直人に対するただの当て馬,候補者一人の出来レースではまずいから,というだけの候補者,しかも小沢一郎派の当て馬だと見ました。
 しかし,こんな男でも,小沢一郎派以外の派閥の(民主党内では派閥はない,と云いたいかも知れませんが,やはり派閥でしょう)調整に齟齬があれば,民主党代表に選出され,それはイコール内閣総理大臣に就任することを意味していたのです。
 いや,そんなに面倒に考えなくとも,小沢一郎が代表選において本気になれば,この男樽床伸二なる人物が総理大臣になったかも知れないのです。まさに多数決主義の恐怖です。
 こんな恐ろしいことがあるでしょうか。ある政党のある派閥が圧倒的多数を占めれば,極言すればどんな馬鹿,いや極悪人でも総理大臣にすることができるのです。それを許すのは,結局はさして深くも考えずに,その時々の思いつきで投票してしまう,まさに愚民の一票です。
 そもそも昨年9月の衆議院選挙そのものが,単に自民党嫌さ,憎さだけから出た結果だったのではありませんか。
 確たる財源の手当もなしにバラマキ政策をマニフェストに羅列して,自民党憎しの国民感情に媚びただけの選挙ではなかったのではないでしょうか。
 本日新聞に踊った「民主党支持率上昇」の文字は,またまた国民に昨年の衆院選と同じ轍を踏ませようというのでしょうか。
 新聞,テレビで樽床伸二なる人物を眺めるうちに,こんな男が日本の内閣総理大臣になる悪夢を思い,慄然としました。
 それにしても,鳩山由紀夫・小沢一郎が表面上退いて,菅直人に交代した,というだけで民主党政権を期待する国民の軽率さに,この国には健全な民主主義が育っていないことを痛感しました。
 忘れてならないのは,今回の民主党代表選で選出された菅直人の,民主党代表としての任期は9月までで,その間には参院選があり,8月には沖縄普天間基地移設問題の日米間政府合意の期限(具体的計画の策定期限)がやって来ます。菅直人も安泰でいられるかどうか。
 どうなることやら,今後の展開が読めません。