大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

なにか変だ―薬害C型肝炎訴訟原告団

2007年12月19日 20時12分32秒 | Weblog
 出産時の大量の血液製剤フィブリノーゲン投与などが原因でC型肝炎を発症された方には大変お気の毒なこととは思いますが,このところの薬害C型肝炎訴訟には,首を傾げざるを得ないところがあり,あえて書きます。
 薬害C型肝炎訴訟原告団(以下,原告団)は,大阪高裁において和解勧告が示されたのに対して無条件の一律救済を主張して勧告を拒否していますが,政府は一定の線引きを主張して現在のところ妥結していません。政府の主張は,無制限の救済はできない,という常識的にはもっともなものと思われます。
 にもかかわらず,原告団が一律救済に固執して,福田首相の政治決断を迫るのはなぜでしょう。失礼ながら,原告団のバックになにか特定団体が存在するのではありませんか。本日夕刻までの情報では,大阪高裁が原告団に1人当たり2000万円の支払を勧告しているのに対し,原告団は1人当たり1500万円でもいいから一律救済せよ,と主張を一部トーンダウンしています。これも理解できません。
 原告団は,未提訴の人たちが800人ぐらいに止まる,としていますが,線引きはどうするつもりなのでしょうか。
 私は,薬剤の副作用に関連した薬害訴訟(風邪薬に配合されたPPAなど)について,アメリカの状況を数年間調査した経験がありますが,その訴訟のすさまじさには驚きました。インターネット上にはこの訴訟専用の弁護士のホームページが多数設けられ,所定のフォームに服用薬剤,服用時期,期間,副作用発症状況などを記入しさえすれば,あとは弁護士が立件する,という自動化まで行われていました。注目すべきは,訴訟の多くがヒスパニックなどに偏っていたことで,訴訟内容の不自然さも感じられ,明らかに金目当ての訴訟であることが推察されました。
 日本の薬害肝炎訴訟が金目当てだとは思いません。そんな邪推はしませんが,線引きできない無制限一律救済に固執するのはなぜでしょうか。