5月30日の読売新聞朝刊は,2050年までに温室効果ガスを半減するには,世界で原子力発電所を年間32基ずつ建設する必要がある,という国際エネルギー機関(IEA)の試算を掲載しています。それによると,世界の二酸化炭素排出量は2005年時点での27ギガトンから2050年には62ギガトンに増え,2050年の排出量を2005年の27ギガトンから半減するには,2010年以降,世界で毎年32基ペースで原発を建設し,風力発電を年約1万7000基ペースで新設する必要がある,と結論づけています。
こんな数字が実現するでしょうか。2050年までに32基ではなく,毎年32基です。つまり2010年から2050年までの40年間で1280基です。それに加えて風力発電が毎年1万7000基,40年間で68万基です。世界中原発だらけ, 風力発電の林か森ができてしまいます。こんな信じられないような数字ではじめて二酸化炭素半減です。これだけの原発が建設されれば,当然確率的に事故件数も増えるはずです。100年で4.5℃の気温上昇と,原発事故とどちらを選びますか。地球が温暖化してもこの程度の気温上昇と,それに伴う気候変動であれば,人類の知恵で対応できるはずです。しかし,原発事故の放射能汚染はこんなものでは済みません。
結局この原発建設は実現不可能でしょう。そんな明らかに実現不可能な二酸化炭素半減目標を,福田首相は7月の洞爺湖サミットで各国首脳に表明するのです。
それならまず日本からやってごらん,と各国首脳は考えるでしょう。当然です。そしてかつての京都議定書以上の負担を日本国民が負わなければならないのです。
福田首相は今年後半か来年には退陣することになるでしょうが,日本国民の負担は2050年まで続くのです。いや,それだけでは済まないでしょう。元はといえば,IPCCの極めて政治的な二酸化炭素悪玉説を鵜呑みにした役人たちの口車に乗せられて,また国民はNHKを始めとする無能無責任なマスコミの言をそのまま信じてせっせとゴミ集めした結果です。
私自身も2100年どころか2050年までも生きられませんので,2008年のこの時点でこういうことを云っていた,という記録しか残せません。
早く二酸化炭素の呪縛から離脱しないと,本質的に脆弱な日本は2100年には消滅してしまうかもしれません。
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