6ヵ国協議の立役者のひとりであるアメリカのヒル国務次官補は,印象として気さくでリップサービスも十分,レッドソックスのファンで何となく好感が持てる人物です。
この人にかかると,明日にも北朝鮮問題は解決しそうに思えますが,6ヵ国協議再開の前提であるBDAの送金すらも,北朝鮮はいまだに入金を確認していないと主張しています。
大体,核の保有を国家としての威信の象徴,大国意識の表れと信じている金正日が,一度持ったと確信している核を安易に手放すとは世界の誰もが思っていないのが真実でしょう。
ヒル国務次官補の発言は,希望的観測としては結構ですが,現実の問題としては3ヵ月前から何ら進展していないと同じです。
欧米のジャーナリストの間では,ヒル国務次官補をオオカミ少年呼ばわりする向きもある,と読んだことがあります。憎めない人柄とは思いますが,悪の帝国北朝鮮の首領様と渡り合うには少し物足りないところがあるように見えます。