大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

効けばクスリ,効かないからサプリメント―とかくこの世は度し難し

2012年03月24日 18時59分10秒 | 医薬品効能

いやはや呆れたものです。効かないサプリメントがこれほど売れるとは。
景気低迷の折柄,儲かるモノに傾注する気持ちは分かりますが,ビールが売れなくなったからサプリメント,電子カメラの普及でフィルムが売れなくなって業績が低迷するからサプリメントなどなど,なりふり構わない大企業の態度,それに乗せられたかのような,なんでもサプリメントの大衆。売る方も買う方も,と云うところでしょうか。
クスリ,あるいは薬と言い直しましょうか,真面目な話ですから。ともかく薬と云われるものを発売し,あるいは病院で使用するには,厳密な試験を繰り返してからでないと出来ません。その試験にはいろいろな段階があり,薬そのものの毒性の有無から始まって,動物試験,健常者への適用試験,患者への試験等々3相4相と試験を繰り返した後,やっと承認されます。承認されて市場に出回って後も,さらに市販後試験として評価され,副作用などの評価があります。ですから,新薬の成功はかなり確率の低いもので,文献調査や開発着手から数えれば,十年は難なく要するのです。
ですから新薬開発には膨大な資金を必要とし,結果として新薬開発から脱落する企業あるいは計画も数少なくないのです。その傾向は世界的であり,世界の製薬企業が国を超えて合併などで資金力,開発力を拡大するほかなくなっているのです。
それに引き換え,サプリメントというのは気楽なものです。サプリメントそのものが毒でない限り,極めて簡単に発売できるのです。
ただし,条件が付きます。薬効つまり薬としての効能を謳ってはならないのです。その規制は厳密で,膝の痛みに効く,下痢に効く,などと書くことは,チラシ1枚でもいけないのです。ましてや癌に効くなどと書くのはもってのほか,即逮捕されます。たしかカプセルのようなクスリめいた形状もいけないはずなのに,不思議と黙認されているようです。
いまカプセル入りのサプリメントを禁止したら,ほとんど全てのサプリメント会社は潰れてしまいますから。企業救済のつもりでしょうか。それとも天下り先確保のためでしょうか。。
それでは効能の明記を禁止されたサプリメント・メーカーはどうしているか。
卑劣な方法で逃げを図っています。テレビのCMを見れば分かりますが,画面では効能そのものを堂々と出しながら,画面上に極く小さな文字で,「個人の感想(または印象)であって,効果効能を謳っているものではありません」,と書いてあるのです。普通では読めませんね,ハイビジョン大画面でなければ。読まれたら困るのです。
画面の効能としては,歩けなかった年寄りが階段を駆け上がったり,駆け降りたり。肥満した女性が1ヶ月の服用で数10センチもウエスト周りが減ってズボンがダブダブになったり,画像処理で巧みに見せかけています。
しかし,考えてみて下さい。効能を謳ってはいけないのです。最初から効いてはいけないのです。ですから,売る方が悪いのではなく,買う方が間違っているのです。
詐欺まがい,もしくは詐欺そのものではありませんか。
ヒアルロン酸を主成分にした商品があります。薬品と云ってはいけません。効かないのですから。ご本人の感想ですから。
元々はニワトリのトサカを原料にしたもので,最近は何らかの方法で合成あるいは変性しているのでしょうが,調べる気にもなりません。
ただ,明言できることは,口から入ったものが体内で吸収されるには,小腸までの器官内でアミノ酸レベルの大きさまで分解されなければならないことです。
ヒアルロン酸は,吸湿性の高分子で,人体に関しては皮膚での保湿作用しか確認されておらず,分解・吸収されて何らかの効果を及ぼすことは保証されていません。つまりヒアルロン酸を口から取り込んでも何の作用もなく排泄されてしまう,と考えられています。
最近とみにもてはやされているグルコサミン(これもメーカーの「感想」ですか)を服用すると,(そもそも「服用」と云うのも薬を連想させてためらわれるのですが,カプセルを食べるというのもおかしな話です。カプセルは薬の一形態の訳ですから。良心的?なメーカーでは「召しあがる」と云っています),膝が痛くて立ち居振る舞いに支障がある高名な落語家が,立ち上がれるようになった,というのも不思議な話です。この会社は,「○○は,医薬品です」と明言していますが,テレビ画面上でどんな試験をしたのか説明して欲しいものです。
「消費者の感想」で売りつけるメーカー(本当にメーカーなのか,外注なのかは分かりません。製薬会社の免許を取ることは不可能ではありませんから)に共通の論法があります。
それは,例えばヒアルロン酸が膝関節痛に効く,と暗に謳いたければ,1.膝関節には潤滑油としてのヒアルロン酸が必須です。2.ヒアルロン酸は,加齢と共に急速に減少してしまいます。3.ですから外部からヒアルロン酸を供給してやらなければならないのです。
典型的な3段論法です。ここですっぽ抜けているのが,如何にしたら口から入れたヒアルロン酸が腸で吸収されるのか,と云う大事なことです。確信犯ですね。他のサプリメントも大同小異の3段論法です。
あとは宣伝,テレビコマーシャルです。ヒアルロン酸のトップメーカーらしいところが急成長したのは,テレビコマーシャルに釣り馬鹿日記の三国廉太郎と元美人女優の八千草薫を起用したことでした。いかにも高齢者好みですね。
この二人の起用で大成功したと云えるでしょう。要するに,今日サプリメントまでも効能よりはタレントの宣伝なのです。
サントリーが別のサプリメントの宣伝に,金に飽かしてかき集めた有名人をたくさん起用しています。恥も外聞もない遣り方と見えますね。
しかし,冷静に考えてみれば,こんなことは健全なことではありません。それに乗せられて,本当の薬の何十倍何百倍の金を払っている消費者の方が可笑しいと云えば可笑しいのかもしれませんが。


気候変動の原因はカオスである―人為的二酸化炭素抑制なんかで防げるものではない

2012年03月18日 12時26分35秒 | 地球環境

この冬の大雪を体験して,これが人為的二酸化炭素による温暖化が原因だと考える人がどれだけ居るでしょうか。
低温の大気があるから,それが流れてくるのだとは誰しも考えるでしょう。小中学校でさえ,対流の概念を教えているはずです。
気体にしても液体にしても,流体は低温の部分と高温の部分があると対流が起こるのであって,その真因は温度によって生じる密度の違いによるのです。つまり低温では密度が増大し,高温になると密度が減少するわけで,その密度差は流体分子の間隔の変化によるものです。分子の活動が活発になれば分子間の距離は離れ,低温になれば分子の活動が不活発になって分子の間隔が狭まれば密度が大きくなるわけです。
こんなことはいまさら書くまでもないとは思いますが,頭の中を整理しておく必要があります。
結局,重い大気は高気圧となり,軽い大気は低気圧を形成して,高気圧から低気圧へと空気は動きます。それが風であり,台風であり,サイクロンであり,ハリケーンです。
すべては大気温度に支配されています。
それではこの大気温度を上げたり下げたりする原因は何処にあるか,といえば明らかに海。すなわち海水です。
海の表面積は陸地の3に対して7,容積にすれば海の深さの方が山の高さよりも数倍深いわけですから,容積比はさらに差が大きく,圧倒的に海水の方が多いのです。
しかも,同じ容積の空気と水をそれぞれ1℃温めるのであれば(比熱),水の方が数倍も熱量を必要とします。
別の云い方をすれば,海水の方が遥かに大きな熱量を保有しているのです。
ですから,水から大気に熱を与えるか大気から奪う方が熱量が大きいのです。
したがって大気の温度変化は,圧倒的に海水に支配されています。決して大気が海水を温めたり冷やしたりしているわけではないのです。
このことは,洗面器に張った水をヘアドライヤーで温める愚かさに喩えられるでしょう。
それでは大気の温度変化の大部分を支配している海水の温度はどうして変化するのか。
それがほとんど分かっていないのです。地球上の海水全部の温度分布は分かっていません。
ですから,メキシコ湾流の大局的変化で,日本各地に大雪が降ったり,酷暑が襲っても,気象庁はエル・ニーニョの所為だと,あるいはもその逆のラ・ニーニャだとか云うだけで,それらの予測などは経験則程度であってほとんど出来ていないのです。
前置きが長くなりましたが,そういうわけで昨今の酷暑厳冬の原因は未だ不明と考えた方が良いのです。
国家間の政治的思惑が絡んで,とくに,かつてのクリントン政権の副大統領であったアル・ゴア一派の陰謀で,気候変動の原因は人為的原因の二酸化炭素にありとして,これを規制すべく当時発展著しかった日本を主なターゲットにして,産業活動の規制を強めるべく陰で動いて,ほぼその目的を達してしまったのです。
その時に彼らが採用したのが全地球的シミュレーションでした。
シミュレーションを直接扱ったことがある人達からすれば,シミュレーションのインチキな部分はよく分かると思いますが,要するに「春風が吹けば,桶屋が儲かる」式の牽強付会よりもひどいこじつけもまかり通るのです。
ところが最近の大雪や夏の異常な暑さを人為的二酸化炭素に押し付けることが難しくなったのです。
気象庁などは苦し紛れに大気循環が変わったのだ,などと説明してお茶を濁していますが,それは結果であって,本質的な原因の説明にはなっていないのです。
私は,これを大気循環の根底にある「カオス」にあると考えます。
カオスとは,日本語では「混沌」の意味ですが,数学的に用いられる場合は「決定論的系」でありながら,結果として確率論的挙動を示す現象あるいは性質と定義しても良いでしょう。物理学などではシステムを方程式,就中微分方程式で表すことが行われます。その場合は,例えば位置情報の他,対象とする物体なりの運動情報―速度など―をまとめて,出来るだけ簡潔に表現します。
ボールを投げた場合には,投げた点の位置情報(初期条件)から着地点が予測できるはずです。これが決定論的力学系です。ところが空中を飛んでいる間に風が吹けば着地点は変わってしまいます。その場合を考慮して確率の考え方を取り入れれば,不確かさを含んだ確率論的扱いになります。系に確率を変数として取り入れることになります。
しかし実際には確率(普通,変数pを割り当てます)を取り込むと厄介なことが生じます。確率をどうやって決定するか。という根本的問題です。
確率を決定するには,試行を数多く繰り返すほかありません。それでも100回試行して得た確率と,1000回試行して得た確率では違うかも知れません。しかも,得られるのは「過去のデータ」であって未来に向かってのデータではないのです。
つまり,確率論的系には絶えず曖昧さがつきまとうのです。
ですから,科学者はできるだけ確率を避けようとするわけです。
それでは確率を排除した決定論的系では全て確かなのか。というとそうではなくなったのです。そこで発生するのが「カオス」なのです。
カオスは,完全に決定論的に定義した系が確率論的不確かさを示す,非常に面倒な問題なのです。
このカオスを発見したのは,アメリカの気象学者エドワード・.ローレンツ(1961年)でした。正確には19世紀の大数学者ポアンカレの時代から,数学的に指摘されていたのですが,具体的に存在する系での奇妙な振る舞いに気付いたのがローレンツだった,と云うことでしょうか。
興味深いことは,ローレンツはマサチューセッツ工科大学の気象学者だったことです。
彼は,比較的簡単な決定論的気象モデルを作り上げて,コンピューターで動かしていました。
ところがあるとき,コンピューターを動かしたまま席を外して,戻ってみると,計算結果がまるきり違ってしまっていたのです。
そこから,決定論的微分方程式系が示す確率論的不確実性を追求し,それが初期条件の極くわずかな違いによるものだ,と確認したのです。
もっと簡単に云ってしまえば,「北京で蝶が羽ばたけば,アメリカでハリケーンが生じる」,という譬えが適当かも知れません。
要するにある時点での極々わずかな条件の変化が生じると,その後の系の変動は予測不可能になる。と云うことです。
現在世界各地で生じている大水害や大雪害,そして酷暑・干魃などは人為的二酸化炭素などで説明できる規模ではありません。そして世界中の科学者が予測し得なかったことです。
昨年,時季はずれにワシントンに積もった大雪を誰が予測したでしょうか。同様に,今冬に北日本を襲った大雪を誰が予報したでしょうか。すべて「後知恵」的解説だったではありませんか。NHKなどの気象情報では過去の気温などを振り返ることに多くの時間を費やしています。誰が過去の天気を振り返って満足しますか。予報の出来ない天気予報なぞ意味が無いどころか有害です。
カオスの発生には初期条件の変化が必要です。
その点については,別項で書くことにしましょう。


この耐え難い軽さ―野田総理はいつまでチンピラ財務大臣を置いておくのか

2012年03月15日 20時20分47秒 | Weblog

みなさんは,財務大臣安住 淳が,予算委員会あるいは決算委員会の大臣席でどんな仕草を繰り返しているか観察したことがありますか。
ともかく落ち着かないのです。そわそわ書類をめくったり,なにかメモしたり,挙げ句の果てには対立議員の演説に,如何にも分かったように大仰に頷いたり。そうでないときには野田総理に話しかけたり。
こんな軽い財務大臣,いや一般の大臣としても,かつて見たことがありません。
まるで中学あるいは高校の学級委員会以下の仕草です。
世界では,この財務大臣を『チンピラ』扱いしています。特に日本の財務大臣としては若すぎ,軽過ぎと見ているのです。
本人も,就任早々から外国で開催された国際会議などに出席する機会が多くあり,舞い上がったのでしょう。国の内外で軽率な発言を繰り返しています。つい一昨日にも国内で大きな失言をしています。新聞をご覧下さい。
その尻ぬぐいは野田総理,あるいは藤村官房長官がしているのです。
野田総理は,またまた任命責任を問われるかと気が休まらない毎日でしょう。頭空っぽの田中防衛大臣も失言を繰り返していますから,チンピラまで面倒が見きれないか,チンピラの方が御しやすいと思っているかでしょう。多分御しやすいと思っているのでしょう。
財務大臣としては,自分からシロウトと云っていた安住 淳です。思うように政策を進めたい野田総理としては,格好のお飾りと思っているのかも知れません。
その証拠に,チンピラ財務大臣は就任早々に,今年度内の消費税10%引き上げを国際会議で国際公約してしまっているのです。これは野田総理が云わせたものと思って間違いないでしょう。観測気球をチンピラに揚げさせてみたのです。
日本国民にしても,こんな軽い財務大臣しかいないのは不幸です。いい迷惑です。
ともかくはやく消えて欲しいものです。