大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

中国は一度崩壊する-かつてのソビエトのように。ただしその原因は共産党員の汚職と公害だ

2013年12月28日 18時49分22秒 | 国際政治

現在のロシアは、かつてソビエトと称されたマルクス主義を信奉する共産党による一党独裁国家でした。
ロマノフ王朝を倒し確立したはずのレーニンの共産党独裁国家は、わずか1世紀も続くことなく、20世紀にもろくも崩壊しました。
その主たる原因は、国内に蔓延した共産党員による汚職による腐敗だったと云えるでしょう。政権につながる成り上がり者たちは、うまい話に群がるハエかアリのように、自分たちの利権を守ることが第一で、一般国民からの搾取を欲しいままにしたのです。そのひどさはロマノフ王朝の専制以上でした。そして崩壊したのです。
昨今の共産党独裁の中国を見ていると、ソビエトと同じ道をたどっているように見えてなりません。共産党による一党独裁国家がたどる腐敗から崩壊に至る典型的な道を、歴史教科書どおりにたどっているようです。
過日北京市内天安門広場で発生した車輌突入炎上事件と云い、山西省太原市中心部の共産党委員会庁舎前で起きた連続爆発事件と云い、中国共産党幹部がどんなに言い繕っても、根底にあるのは一般国民の間に隠然と蔓延する中国共産党中央に対す不満の爆発と見做してよいでしょう。
それではどのようにしてこの崩壊が始まり、どのようにして進行して、どのようにして終焉に至るか、そのシナリオを垣間見て見ましょう。
発端は北京から遠く離れた新疆ウイグル族自治区から、と考えられます。このウイグル族自治区では、すでに頻繁に中央に対する少数民族の反感反発として具体的な行動が現れています。
前述の通り、数ヶ月前には、天安門広場に自動車が突っ込み、乗っていた男女3人が車内で焼死する事件がありました。中国政府は、これをウイグル族自治区の中央政府に対する犯行だとして、ウイグル族自治区に対する締め付けを緩めるどころか強化する措置に踏み切りました。
もちろんウイグル族も反発を強めています。それを中央政府が力尽くで押さえつけようとしています。これだけでも、両者の対立はエスカレートするばかりです。その行き着く先は、爆発です。
しかし、ウイグル族は文字通り少数民族であるため、中国共産党の圧倒的な力で圧殺されてしまうでしょう。ウイグル族だけの反乱ならば、です。
同様の不満は、他の中国国内少数民族にも潜在しているはずです。
さらには、中国農民層にも、地方の中国共産党構成員、特に農民を抑圧してうまい汁を吸おうとする役人共に泣かされている農民層には、爆発寸前とも云える不満が高まっています。
この農民層の不満までも、中央政府が武力で圧殺しようとしても、農民層の人口は、数が違います。中央政府軍隊が優位に立てるのは、人数よりは武器でしょう。しかし、もし地方農民層が中国各地で同時に蜂起すれば、いくら中国軍兵士が多くても、圧殺するには至らず、抗争は長期化するのは必定です。ここで忘れてはならないのは、中国の農民は、一般国民とは違う農民籍と云う戸籍が与えられていて、そこから脱出することはできないのです。かつての日本における士農工商とは違います。明らかな差別として行われているのです。農民の子は死ぬまで農民なのです。帝政ロシアの農奴と同じです。名前こそ異なれ。
しかし、差別された農民でも、いまやインターネットの時代に生きているのです。ほとんどが文盲だった時代とは違います。
そして、ネットの時代であれば、いくら中央が抑えつけようとしても情報は拡散伝播します。その拡散速度も口伝えの時代とは雲泥の差です。それこそ電波の速度です。
瞬く間に中国全土に拡がり、中国全土を混乱に陥れるでしょう。いくら軍隊が出動しても、中国全土を抑圧できるものではありません。
鉱工業生産は低下し、経済は疲弊します。
中国軍の兵士そのものが、どこまで中央政府に忠実かも分かったものではありません。そもそも三国志の時代からして、裏切りは常識みたいな国ですから。
こうして、共産党の一党独裁は、あっけなく崩れ去るでしょう。
さらにそれを加速するのは、大気汚染を始めとする公害です。
もともと他人様のことなぞ考えない民族ですから、大気汚染なんかどうでもよい、政府が対策を取ればいいじゃないか、我関せずの国ですから、北京ですら視界が遮られるくらいに大気汚染が悪化しても、せいぜいマスクをつけるぐらいらの対策しか取りません。発癌性が高い大気汚染指標PM2.5がいくら高くなっても他人事。かつての日本における東京の柳町交差点とは雲泥の対処しか取りません。目下の北京市内のPM2.5濃度は、10年後の肺癌発症率の急上昇につながると予想されます。
国家崩壊なぞ、そのシナリオは驚くほど単純なものです。崩壊を引き起こすほんの些細な出来事から始まり、あとはタイミングだけです。タイミングさえうまく合致すれば、一気呵成に進むものです。
かくして、共産党員による汚職と、環境汚染によって崩壊した後には、おそらくは現在の省単位の分裂国家が独立するのではないでしょうか。ソビエトと同じように。