大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

国体はなぜ開催県が優勝するのか―優勝にはウラがある

2008年09月29日 23時44分58秒 | Weblog

 今年は教員採用試験問題で大揺れに揺れている大分県が国民体育大会(略して国体)開催県で、目下開催中のようですが、優勝の行方はどうなるのでしょうか。
 別に国体に興味があるわけではありませんが、新聞の見出しを見ると必ずと云っていいほど開催県が優勝することにかなり前から注目していました。
 統計を見ると(→Wikipedia)1978年の長野県やまびこ国体以降は2002年の高知県よさこい高知国体だけを例外として(この年のみ東京が優勝)すべて開催県が天皇杯・皇后杯とも獲得しています。
 開催県は地元ですから当然他県よりも多くの選手を送り込めるでしょうが、開催県が優秀な選手を輩出していると云うのもうなずけません。毎年持ち回りで開催県が代わるのにまるでタイミングを合わせるように開催県から優秀な選手がうまれるはずもありません。それでしたら国体はすでに全国を一巡しているのですから全国から名選手が生まれているわけで、オリンピックも万々歳のはずです。
 この異常さはどこから来るのか、と疑問に思っていたのです。その疑問は、20年ほど前に身近で起こったある出来事で氷解しました。
 妻の遠縁に当たる家にヨット好きの娘さんがおりました。東海地方のある県に住んでおり父親は公立校の校長を最後に退職しています。親子でヨット好きで娘さんはヨットの県代表として国体も含め数多くの競技会で活躍していました。もちろん現在は引退して子持ちですが後輩の指導をしています。
 20年以上前のことですが、この娘さんが突然山陰地方のある県の短期大学に入学したのです。どうしてもそこでなければならない、というほど特長のある短期大学ではなかったのに親元を離れて2年間在学したのです。
 そして2年後にその山陰地方の県で国体が開催されました。娘さんはその県のヨット競技代表として参加して優勝しました。
 これでお分かりのように、裏取引が行われていたのです。交渉役はもっぱら校長だった父親がつとめたようです。まるで人身売買のように2年後に開催される国体のために遠くの短期大学にやられたのです。
 おそらく国体参加の規約で選手は何年間か地元に居住していなければならなかったのでしょうし、とうぜん住民登録も移していたものと思われます。
 しかし、こんな姑息な手段を弄してまで開催県が優勝しようというのは本来の国民体育大会の趣旨に反しているのではないでしょうか。各県を渡り歩くジプシー選手もいるのかもしれません。開会式でいくら選手代表がフェアプレーを誓っても、ウラ取引の実態を知ってしまうと興ざめです。こんなことをいつまで続けるのでしょうか。 


お客様の感想であり効用ではありません―サプリメントの怪

2008年09月19日 13時50分25秒 | Weblog

 サントリーのサプリメントのテレビCMでは、画面の上の方に「お客様の感想であり効用ではありません」と白い小さな字で書いてあります。視聴者に見せたいのか見せたくないのか、ともかく控えめに書いてあります。たぶんなるべくなら見てほしくないのかも知れません。視聴者からなにかクレームがついたときに、「テレビCMでちゃんとお断りしています」と逃げるつもりかも知れません。似たような文言を同じように出しているCMが他にも1件ありました(健康家族)。他にもあるのかも知れませんが、共通するのは画面の目立たないところに目立たない大きさと色のフォントで書いてある、ということです。
 私もサントリーのサプリメントを複数服用していた時期がありました。その感想としては他のメーカーよりも良心的かも知れない、と云うことでした。ここで良心的、というのは商品としてその取り扱いが良心的だったというだけの話で、効いたか効かなかったか、と訊かれれば、はっきり云って効きませんでした、ということです。そのサントリーにしてこの有様です。
 もし私が「テレビの宣伝のようには効かなかった」と抗議しても、「お客様のごらんになったテレビCMは、すべてCMに『出演された』お客様の感想ですから」と逃げられてしまうでしょう。
 しかし、「お客様の感想であり効用ではありません」とは、結局このサプリメントが効いた効かなかったかはお客様次第ですよ、当社では効くとは云ってませんよ、ということではありませんか。
純正の医薬品のCMではこんなことは許されないでしょう。頭痛薬の宣伝に「この薬で頭痛が治ったと思ったのはお客様がそう思っているだけで、私どもはそんなつもりで薬は売っていません」
 こんな薬の売り方はあり得ません。とうぜんです。医薬品だからです。それではなぜサプリメントではお客様の感想をいかにも効能のように思わせて売ることができるのでしょうか。サプリメントは、その名の通り栄養補助食品であって直接の薬効は保証していないからです。いや、保証してはならないのです。厚生労働省の定めるサプリメントの定義がそうしているのです。ですから逆に、サプリメントでは効能を謳ってはならないことになっており、その規制は非常に厳しく、外箱から添付説明書に至るまで、また新聞雑誌・テレビCMにいたるまで徹底しており、「癌に効く」などもってのほかで、成人病一般にも「効果がある」といった文言は絶対に入れてはならないのです。実際にこの規則に違反して薬効を謳って逮捕起訴された人も数多くあります。
 ところが最初に挙げたサントリーはもちろんのこと、まったく治験報告がないヒアルロン酸内服カプセルなどでも、いかにも効いたと思わせる「お客様の感想」がまかり通っているのです。これでは一種の詐欺、誇大広告と同じではありませんか。体内に存在して一定の役割を果たしていることが知られた物質でも、それを外部から補給してそれが体内に存在する物質と同じく機能するという例は決して多くはないのです。ヒアルロン酸がいい例です。CMではいかにも粘りけがある液体を見せて、これを服用したら膝の関節に集まって歩行が楽になる、と思わせているだけです。手品ではあるまいし、そんなことはあり得ません。
 それを、あるサプリメントを服用したら登れない階段を楽々登れた、というようなテレビCMを絶え間なく流して、画面に小さく「お客様の感想であり効用ではありません」と書くのはいかがなものでしょうか。有名俳優を使ってCMを作り、これを絶え間なく流して売りつける、というのはよほど儲かるからできることでしょう。
 この点では、サントリーも同じです。各界の有名人を『出演』させていることではヒアルロン酸よりも派手でしょう。いったい『出演料』にいくら払っていることやら。
 お客様が服用してその気になればいいじゃないか、とは無責任過ぎませんか。

       (米島勉のセカンドオピニオンから再掲


なぜ蒸留酒なのに事故米をさわぐのか―焼酎は蒸留酒

2008年09月12日 23時04分51秒 | Weblog

 ここのところ事故米と称する食用に適さない輸入米が食用に流通されたとして大騒ぎになっています。もちろん事故米というのは外国で船積みされて日本に向かう途中で海水で濡れて黒カビが生えたり、もともと日本では許可されていない農薬が残留していたりして日本で陸揚げされた後に「事故米」として分類されて食品用の流通を許可されなかった米ですから、メタミドホスなどの残留農薬、黒カビ由来の高発がん性のアフラトキシンなどを含有しており、直接食品に使用されることは論外です。
 今回進行中の一連の事件では、食品用ではない事故米が焼酎用としてばかりでなくかき餅や赤飯などにまで使われたのですから大問題になるのはとうぜんで、テレビは主婦らに「怖いですね」「信用できませんね」を連発させています。
 しかしこの事件の結果として最初に事故米使用が疑われた関連商品の撤去を始めたのは焼酎業界でした。何故かは知りませんが、焼酎業界がもっとも慌てたようです。
 このニュースを見ておかしく感じたのは私だけでしょうか。商品撤去の対象が焼酎であることに疑問を感じたのです。
 焼酎は蒸留酒です。原料は米、麦、さつまいも、そば、黒糖などいろいろとありますが、これらの炭水化物を麹菌などでアルコール発酵させた発酵液を蒸留器で蒸留して高純度のエチルアルコールを取り出し、これに水を混ぜて薄めたものです。
 蒸留法に連続蒸留法と単式蒸留法があり、前者によるものが焼酎甲類、後者によるものが焼酎乙類と酒税法で分類されています。
 蒸留法というのは、焼酎に限らず、蒸留水、石油製品、その他いろいろな製品の製造に用いられており、沸点の差を利用した古典的な分離法の一種です。
 焼酎の場合、取り出したいのはエチルアルコールで、エチルアルコールの沸点は大気圧下で概ね78℃です。したがって天辺にパイプをつけた容器に上記の発酵液を入れて約78℃に加熱すれば、パイプからエチルアルコールの蒸気が出てきますから、これを冷やせばエチルアルコールが得られるわけです。
 蒸留法の利点は、蒸発しない固体物質、たとえば砂糖が発酵液に混入していても蒸発せず、また沸点が78℃以上のものも蒸発してきません。(厳密には共沸混合物、昇華性物質などが混ざることは考えられますが、焼酎の製造においては原料由来の香り物質が微量混入する可能性が一番高い。純粋アルコールなのに原料によって特有の匂いがするのはこのためと考えられます。)
 最初に書いた事故米を使ってアルコール発酵させた場合、米由来のデンプンは麹菌によるアルコール発酵を経てエチルアルコールに転化しますが、メタミドホスなどの農薬や黒カビ由来のアフラトキシンなどは沸点がないか、あってもエチルアルコールよりもはるかに高いはずですからアルコール蒸留温度では揮発しないでしょう。
 ですから、焼酎に農薬や発がん性物質が混入する可能性はほとんどないはずです。ここまでで「はずです」をたくさん並べたので、もしかすると混入するのではないか、と疑われるかも知れませんが、私自身が焼酎の精密分析を行ったわけではないので断定はできないだけです。しかるべき機関で精密分析すればすぐに分かることです。
 くりかえしますが、今回の事故米のヤミ転用事件に焼酎業界が振り回されているのは大部分イメージの問題、メーカーとしてのイメージ、商品としてのイメージを損なうから、ということが理由ではありませんか。
 もっと勘ぐれば、焼酎メーカーは焼酎が蒸留酒であるから事故米でも問題は起こるまい、と承知した上で安い事故米を原料としていたのかも知れません。少なくとも売り主であった三笠フーズは蒸留酒である焼酎の原料として使われるのであれば問題ないと認識していたと思いますし、焼酎メーカーも同じ認識のもとに長年事故米のたぐいを使い続けていたものと思われます。焼酎メーカーは、自分たちは三笠フーズにだまされた被害者である、というポーズをとっているのではありませんか。ですから余計に慌てているのかも知れません。
 それが証拠に、蒸留を伴わない清酒業界では今のところ事故米転用の事実が明るみに出ていません。清酒では、農薬も発がん物質もそのまま製品に含まれてしまうからですし、第一味や匂いであからさまになってしまうでしょう。もし清酒に事故米が用いられていたとしたらその清酒メーカーの清酒は全く信用できませんし、清酒メーカーとしての良心が全く失われているとしか思えません。良心的な清酒メーカーであれば原料米に徹底的にこだわるからです。そして原料米の受け入れに細心の注意を払っているからです。納入業者のいうがまま自分達の目で確かめもせずに原料米を受け入れるなんてまともな清酒メーカーのすることではありません。「原料業者にだまされた」は言い訳にはなりません。
 ただ、清酒でも問題があります。清酒製造においては、醸造アルコールの添加が認められていることです。これは、防腐・香味向上を目的として添加されるものですが、もしここで使う醸造アルコールが事故米使用のものであれば、焼酎とおなじ疑問が生じるわけです。しかし、清酒本体に事故米が使われていなければ、後添加される事故米を原料としたエチルアルコールには、残留農薬やアフラトキシンが残っている可能性はまずないでしょう。この点は事故米使用の焼酎と同じに考えてよいと思います。
 それにしても、消費者がここまで勘ぐらなければならないとは情けない国になったものです。
 


荒川決壊で死者3500人だって?―中央防災会議は何を云いたいんだ

2008年09月11日 19時31分13秒 | Weblog

 9月9日の読売新聞朝刊によると、超大型台風で埼玉県内から東京都内にかけて流れる荒川が氾濫した場合、最悪で3500人が死亡する、と政府の中央防災会議専門調査会が試算したそうです。1947年9月のカスリーン台風級の台風が来襲した場合に、堤防決壊場所ごとに排水ポンプ場や水門が機能するか、などといった条件を設定して被害の規模を計算した結果とのことです。
 しかし、60年以上前のカスリーン台風を知っている人、実感した人は70歳以上の人に限られるでしょうから、ここでカスリーン台風がどんな規模の台風であったかを簡単にまとめておきます。(→Wikipedia)
 カスリーン(Kathleen)台風は、カスリン台風、キャサリン台風などとも呼ばれていますが、当時中学生であった私はキャサリーン台風と呼んでいたと記憶しています。キャサリーンならばCatherine Zeta-Jonesのように"Catherine"となるはずですからたぶん誤りだったのでしょう。ここでは上記読売新聞の呼び方に拠ることにします。当時の台風はアメリカの女性名で呼ばれていましたが、これは1947年から1953年5月まで、つまり太平洋戦争敗戦後の連合軍による占領下でアメリカの台風呼称慣習に従っていたためで、発生順にA~Zまでのアルファベットで始まる女性名がつけられていたのです。ただし、カスリーン台風は昭和22年台風第9号で、カスリーンのKならば11番目になるはずですが、これは発生位置によっては日本に無関係な台風も含まれていたためのようです。
 さて、カスリーン台風は1947年9月8日未明にマリアナ諸島東方において発生し、次第に勢力を増しながら9月14日未明には鳥島の南西400kmの海上まで北上。このとき中心気圧は960mb(960hPa)、最大風速は45m/sに達していたと推定されています。その後台風は、15日未明に紀伊半島沖の南、北緯32度付近で進路を北東に変え、勢力を弱めながら同日早朝に遠州灘沖合いを通過(中心気圧は970mbと推定)。夜に房総半島南端をかすめ(上陸したとする見方もあるが、気象庁の公式見解では房総半島沖通過)、16日には三陸沖から北東に去っていったとされており。台風本体の勢力の割には降水量が多い雨台風の典型例とされています。
 この台風による死者は1,077人、行方不明者は853人、負傷者は1,547人。その他、住家損壊9,298棟、浸水384,743棟、耕地流失埋没12,927haなど、罹災者は40万人を超え、戦後間もない関東地方を中心に甚大な被害をもたらしました。
 カスリーン台風による大洪水の発端となったのは埼玉県東村(現在の埼玉県大利根町付近)での利根川堤防破堤でした。15日午後9時ごろには堤防の上から水が溢れはじめ、16日午前0時過ぎに大音響とともに東村の利根川右岸提が340mにわたって決壊。濁流は南に向かい午前3時には栗橋町、午前8時には鷲宮町、午前10時には幸手町(現在の幸手市)、午後1時には久喜町(現在の久喜市)に到達する。濁流の進行速度は決して早いものではありませんでしたが、濁流がどこに流れ、どこに避難するべきかという情報に乏しかったため、避難はスムーズに行きませんでした。一方、荒川では15日夜に熊谷市付近で堤防が決壊しており、洪水は16日の午前中には笠原村(現在の鴻巣市)に到達し、元荒川沿いに流下していく。
 利根川の濁流は庄内古川、古利根川周辺を中心にいくつも決壊を引き起こしながら17日未明には春日部町(現在の春日部市)、同日夜には元荒川からの水をあわせて吉川町(現在の吉川市)に達し、現在の中川付近と江戸川に挟まれた地域を流下しながら18日の夕方には埼玉県と東京都の境界付近である大場川の「櫻堤」(現在の水元公園付近)まで達し、そこで濁流の進行は一時的に食い止められました。
 しかし、水は「櫻堤」に堰き止められてどんどんと溜まる一方であり、これが決壊すれば東京の下町は一気に濁流に飲み込まれる事となる。そこで、東京都知事は内務省、埼玉県知事、千葉県知事と協議の上、隣の江戸川右岸提を爆破して江戸川に水を逃がす事を決定。進駐軍の工兵隊が現場に急行しましたが、思いのほか堤防は頑強で爆破は失敗しました。そうこうしているうちに、19日未明ついに「櫻堤」が崩壊。その日のうちに金町、柴又、小岩付近は水没しました。
 19日午後3時ごろようやく爆破が成功し「櫻堤」付近の水は江戸川へと流れ始めましたが、同じころ八条村(現在の八潮市)で中川の右岸が決壊、綾瀬川の東側も水没してしまいます。そして20日午前3時に亀有付近でも堤防が決壊し、夕方には四ツ木付近まで浸水。金町方面に流れた水は、20日夕方には船堀付近に到達し、そこから荒川や旧江戸川を経て東京湾へと注ぎはじめました。
 カスリーン台風による洪水の経緯を見て分かるように、上流で決壊した場合の下流域の洪水の進行はそれほど速いものではありません。私は当時東京都と千葉県が接する江戸川の東側、千葉県の西端に住んでいましたが、洪水を目の当たりにしました。家が小さな坂上にあったので水没は免れましたが、坂下は濁流が流れ、その深さは50センチ以上、大人の腰上まであったと記憶しています。
 以上がカスリーン台風の概要ですが、今回の中央防災会議の試算の数字に疑問があります。カスリーン台風は1947年、戦後3年目の夏でした。とうぜん人々は生きるだけに懸命で、台風に対する備えもなく、河川も堤防など整備されているはずもありませんでした。
 それでも死者行方不明者合わせて1900人でした。カスリーン台風後から今日に至るまで、利根川流域の堤防整備などが徹底して行われたはずです。荒川流域でも同様な補強改修が行われたものと思います。
 また、防災無線あるいは防災放送などの警報設備も整備され、早期避難の徹底も行われています。
 にもかかわらず、中央防災会議の今回の試算では死者3500人とされています。
 それでは過去61年間に国は何をしていたのでしょう。具体的には国土交通省の河川局だと思いますが、これまで巨額の税金を使いながら何をしていたのでしょうか。
 私は、今回の試算発表は国民に対する恫喝、これからも堤防強化、排水ポンプ整備、水門設置、バイパス河川の整備などの治水事業に金を使わないと3500人以上の死者が出るぞ、という脅しではありませんか。
国土交通省は、有明湾河口堰など無用とも云える事業を数十年かかって実施してきました。しかし風当たりが強くなって新規大規模な事業を行いにくくなりました。
 そこでまず中央防災会議などという御用学者どもを集めた会議で大げさな被害予想を試算させておき、だから整備が必要なのだ、金を寄越せと恐喝しているのではありませんか。
 省益しか考えない狡猾な官僚がやりそうなことです。半世紀以上も前の台風まで持ち出して恐喝しているのです。
 同じ手口は二酸化炭素排出問題、いわゆる地球温暖化騒動でも使われています。温暖化が進むと南太平洋のツバルどころか100年後には東京や大阪が水没するとまで脅かしています。その裏にある利権、天下りの隠れ蓑に二酸化炭素を利用しているのです。
 くりかえしますが、国土交通省は過去61年間カスリーン台風の教訓を生かしてこなかったのでしょうか。


今年の冬は寒くなる?―地球温暖化の終わりの始まり

2008年09月08日 23時08分37秒 | Weblog

 人為的由来の二酸化炭素が地球の温暖化を招いており、2100年には地球の平均気温は2.8℃~6.4℃上昇して様々な災害が起こる。日本でも熱帯性のデング熱が流行する。これがIPCCを発信元とする温暖化のシナリオになっているようです。NHKはこれをさらに誇張して日本の主要都市が水没する、とまで日本国民を脅かしています。そして、「明日のエコでは遅すぎる」などと太平洋戦争当時の日本放送協会と同じようなことを毎日毎時お題目のように流しています。そのうち、NHKテレビを見たら二酸化炭素が何キログラム増える、などと云い出すに違いありません。
 しかしちょっと待って下さい。今年の1月10日頃から中国南部におよそ50年ぶりと云われる大雪が降りました。半月近くの間に死者24人、緊急避難82万7000人、倒壊家屋10万棟以上、損壊家屋は40万棟以上だったとの報道がありました。
 日本では、今年の8月9日に富士山の初冠雪が観測されました。これは観測を始めた1894年以降では最も早く、1914年に記録された8月12日を94年ぶりに更新、昨年よりも58日、平年と比べても53日早い記録だそうです(読売新聞2008年8月27日ネット版)。
 また、北海道稚内市沼川では8月22日最低気温1.5℃を記録、これは1893年に観測された帯広市の2.1℃を下回る115年ぶりの8月の最低気温更新であった、と日本気象協会北海道支社が報告しています。
 そして最近のNHKテレビニュースによると、北海道の大雪山の紅葉が例年よりも2週間早いそうです。
 今夏日本のほとんど全域にわたった記録的豪雨あるいは雷雨の原因は、太平洋からの湿った暖かい空気の上空に北からの寒気が流れ込んで大気に不安定が生じたことによる、と気象庁が解説しています。つまり、北海道北方の寒い高気圧がかなり長い間滞留して、太平洋上の南からの湿った空気の上空にのしかかってきたための豪雨・雷雨だったわけです。
 それではこの北からの寒気はどこから来たのか。寒気にも源があるわけで、とうぜん北極でしょう。きょうの天気図を見ると、ようやく中国大陸に高気圧が発生して南東に押し出してきました。これにより日本上空の大気が秋の気圧配置に近づいて、これからは安定した「天高く馬肥ゆる秋」になるでしょう。
 この程度のことは、半世紀前に根本順吉先生の気象学の講義を聴講しただけの素人の私にも説明できます。そして私は、すでに地球温暖化の終わりが始まったのだと見ています。ただし、このまま一気に寒冷化するわけではありません。ダイナミックな変動を繰り返しながら徐々に寒冷化することになるのではないでしょうか。
 東京工業大学大学院の丸山茂徳教授(地質学、地球惑星科学専攻)は、近い将来の地球寒冷化を予想しています。その主な理由として太陽活動の変化、宇宙線量の変化、地球磁場の弱化を挙げています。丸山教授は温暖化問題の黒白は今後10年程度ではっきりする、と書いています。
 もともと産業革命以降に増加した大気中の二酸化炭素濃度などと云っても、大体1 年当たり1ppm程度と推算されていますから100年で100ppm。現在約350ppmですから100年後でも450ppm、0.045%。産業革命後に人類が全世界で活動してもこの程度の数字なのです。地表たかだか20キロ㍍までの、地球半径に比べれば紙よりも薄い空間での人間活動が地球全体を動かすなどと考えるのは僭越です。35億年前に原始大気を酸素大気に変えた微生物、ストロマトライトの営みから見れば、人間活動がいかに小さなものか思い知らされます。それをいかにも由々しき問題、地球の破滅、などど扇動してきたのがIPCCを発信元とする人為的二酸化炭素主犯説の人達です。
 私は工学の分野の人間ですが、その論理的整合性から丸山教授説の方が説得力があると思っています。二酸化炭素派は懸命に丸山教授説を否定していますが、その攻撃の仕方のえげつないこと、研究者の態度ではない人達が多いようです。きっと利権、金銭が絡んでいるのでしょう。
 しかしそれにしても人為的二酸化炭素主犯説の人達は、もし近い将来、温暖化ではなく寒冷化がやってきたとしたらどう弁明するつもりでしょうか。悪い言葉で云えば「どうオトシマエをつける」つもりでしょうか。その決着がつく日を楽しみに待っています。ただし、100年後なぞ現在生きている人達の大部分は目にすることはないでしょうが。



パラリンピックの不思議―ひとりで泳いで金メダル?

2008年09月06日 10時48分36秒 | Weblog

 最初にお断りしておきますが、私はパラリンピックを貶めるために書いているのではありません。障害があっても、ハンディがあっても懸命に生きている人達は素晴らしいと思います。しかし、パラリンピックのような国際競技の場での競争となれば話は別です。
 オリンピック開催年に、オリンピックと同じ開催国で同じ施設を使ってパラリンピックが開催されるのが通例となっています。とうぜん今年は中国北京、日本からもすでに多数の参加者が北京入りして今夜の開会式を待っています。それは結構なことです。
 しかし、金メダルを何個取る、銀メダルを何個取る、などというのはいかがなものでしょうか。
 障害には種類が多く、その程度も千差万別です。障害が複合していればなおさらです。そこでパラリンピックでは障害別に参加者が細かく分類されています。ですから、障害別で分ければ、ある分野のある競技に参加する人数は少なくてとうぜんかも知れません。
 前回4年前のアテネ大会では、水泳の成田真由美選手が7個の金メダルを獲得したとかで話題になりました。
 ところが、テレビで見る限り、アテネ大会で成田選手が泳いでいる姿は、たった一人で平泳ぎをしている姿が数秒間しかありませんでした。他の選手も、プールの全景もありません。まるで見てはならない映像を見せられたような奇妙な印象を抱いたものです。他の選手が遅れすぎていたとも思えません。それでしたら遅れた他の選手を撮すはずです。少なくともNHKの総合テレビでは、この数秒間の映像しか見られませんでした。しかもこの映像はパラリンピックの話題というと必ずといっていいほどNHK総合テレビ映像として放映されていたものです。
 通常スポーツ放送、例えば水泳であればプールの全景を撮し、競技者全員を撮し、そして注目の選手をアップする、というのが定法でしょう。今夏のオリンピックの水泳もその定法に従っていました。
 そこで、この平泳ぎの決勝では成田選手が一人で泳いでいたのではないか、との疑問がわいたのです。
 当時の新聞も何も伝えなかったとおもいます。決勝の順位表すら私の見落としでなければ掲載されていませんでした。まるでみんながなにかを隠しているように。
 決勝で一人で泳げば金メダルは間違いありません。しかし、これで優勝したと云えるのでしょうか。スポーツはスポーツです。フェアとは云えないのではないでしょうか。(最近の読売新聞によると、アテネ大会では水泳のある部門が障害で13段階に分類されていて、この部門だけで13個の金メダルが渡されたそうです。)
 誤解を招くかも知れませんが、はじめに書いた障害分類ですが、重い障害に分類されれば優勝してしまう、ということもありうるはずです。
 新聞によると、成田選手は北京パラリンピックでは前回と同じような優勝回数の再現は難しいそうです。障害分類が変わったことに加えて、お気の毒に成田選手自身の障害が増えてしまったことによるものだそうです。これを見ると、やはりパラリンピックのメダルには不思議があるようです。
 もっとおかしなことがあります。パラリンピックでのメダル獲得者に報奨金を与えることになり、そのための機構(財団?)を創設して、パラリンピック選手の育成にも乗り出すと厚生労働省が発表したことです。
 またまた天下り先の確保ではありませんか。厚労省は年金問題や雇用・能力開発機構の廃止問題などで天下り先が減ることを先読みして、懸命に天下り先を新設しようとしています。障害者の祭典であるべきパラリンピックまでも食い物にしようとしているのです。かれらは天下り先を確保するために必ず大義名分を押し立てます。そして陰でこそこそ細工をするのです。厚労省の動向(陰謀)に監視の目を光らせる必要があるでしょう。



小沢一郎民主党内閣に期待する―どうせ半年もちやしない

2008年09月02日 09時38分37秒 | Weblog

 昨夜福田総理が辞任表明して、いっきょに総選挙ムードが高まってきました。想像するところ公明党との会談で何らかの密約が交わされて、自分の首と引き替えに公明党の支持を得ようとしたのかも知れません。公明党にも矢野洵也氏の国会証人喚問という火種を抱えており他党のことをおもんぱかってもいられない、という事情があります。
 しかし、そんなことより昨年からの衆参ねじれ国会のままでは、与党の誰が総理大臣になろうと結果は同じです。小沢一郎のペースメーカーがバッテリー切れでも起こさない限り、ねじれはそのままねじれたままで、福田総理が辞任表明記者会見で嘆いたように、小沢民主党は重要法案をターゲットにして参議院で否決して通さないでしょう。
 それではねじれをどうやって戻すか。簡単です。2本の針金の下端を押さえて上端をねじればねじれます。これを戻すには上端をつまんで下端を逆にねじればいいのです。つまり、総選挙で選ばれるのは衆議院だけですから、たとえ現在の与党がふたたび勝利しても、ねじれはそのまま。総選挙で民主党が勝利すればねじれは一挙に解消します。ごくごく当たり前のことです。
 こうしてねじれを解消して、民主党主導の内閣を組織し、小沢一郎が総理大臣に就任するのです。もちろん絶滅危惧種の社民党も垂涎の眼で大臣の椅子を要求するでしょうが、狡猾な共産党は先を見越して内閣には人を送らず閣外で口を出すことになるでしょう。
 夢にまで見た総理大臣の椅子。小沢一郎はひとり感涙にむせぶことでしょう。北京で胡錦涛主席に目通りを許され流した涙と同じです。そして特別国会において晴れの所信表明演説。圧倒的多数を獲得するわけがありませんから野党自民党からは下品なヤジの声。もともと他人の言葉に耳を貸さない小沢一郎が我慢できるはずがない。壇上で激怒するかも知れません。「辞めてやる」と叫ぶかも知れません。この男はそうやって「壊して」きたのです。
 自制して所信表明演説を無事終えても、政策決定に当たって民主党内は四分五裂。なにせもともと左から右まで寄せ集めの党ですから侃々諤々、いっこうにまとまりません。
 しかし、物価高騰、年金問題等々、福田内閣が苦労してきた内政問題は何も解決されていません。それに加えてインド洋上での給油活動継続法案、北朝鮮問題、アメリカの新大統領との会見、中国との関係維持、その他無数の外交案件が目白押しです。
 昨年の参院選で小沢一郎が大見得を切った戸別農家所得保障、官僚主導から政治主導への転換、国連決議による自衛隊の海外派遣問題、何一つ党内をまとめられないことは明らかです。
 もっとも致命的なのは、小沢一郎の説く官僚主導から政治主導への転換です。もともと民主党を支えているのは連合を始めとする労働組合であり、そのなかでも長年の肥大化で大勢力となってしまった官公労を無視するわけにはいきません。ですから、官僚主導を否定すること自体民主党の成立と矛盾するのです。
 さらに、小沢一郎を支えるのはサブプライムローン破綻で個人的に37億円もの損失を出しても顔色一つ変えない鳩山由紀夫(もともとこの人は宇宙人と云われるような無表情の人で、私は葬儀委員長に最適だとかねがね云ってきました)であり、党内にはスーパー業界最大手のイオンをパックにした岡田克也がいて、庶民とはほど遠い生活実感しかない人たちです。この人たちが庶民の味方だというのですからお笑いです。自民党の世襲議員とは桁違いの資産家揃いです。
 さらに笑わせることに、昨夜の福田総理の辞意表明後、鳩山由紀夫は「一年しないうちに内閣が二つも代わるなんて、自民党は責任政党ではなくなった」。民主党は、ここ数年の間に何回代表が代わったのでしょうか。死屍累々、バツイチ揃い、鳩山由紀夫自身バツイチではありませんか。
 結局、小沢内閣、いや民主党主導内閣は半年もたないでしょう。そして、昨年の参院選挙で自民党は駄目だから民主党に投票しよう、と脳天気に民主党を参院第一党にしてしまった国民も思い知るでしょう。結局、小沢一郎はただの壊し屋だったと。それが私の小沢一郎内閣への最大の期待です。
 しかし、小沢内閣が実現するということは、その時点で衆参両院共に現野党が過半数を占める、ということですから、無策の小沢一郎首相が議会を解散総選挙に踏み切り、ふたたび自民党が衆議院で過半数を占めたとしても、あと2年しないと参議院の半数改選は行われません。結局今日の混迷が繰り返されることになってしまいます。
 そして日本は国際的信用を失い、さらに追い打ちをかけるように二酸化炭素削減など地球温暖化防止と称する分野にしか予算がまわらない温暖化防止利権に産業は衰退し、日本は消滅していくのかも知れません。