大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

自然に対して謙虚でなければならない―久しぶりに聞いた科学者の良心の声

2009年08月13日 21時48分01秒 | Weblog

 先日起きた静岡地区を中心とした地震に関連して,東海地震研究会の会長が記者会見で述べた言葉です。ただし,NHKのテレビニュースでさえほんの短時間だったため,この会の名称が正しいものか,会長の名前がどうか,全く自信がありません。少なくとも,地震予知連絡会の会長ではなかったと思いますが。
 しかし,どこかの教授か名誉教授であった,その会長の言葉で最も感銘を受けたのが,「自然に対しては謙虚でなければならない」のひと言でした。かねてから何時起きてもおかしくない,と云われ続けてきた東海地震と今回の地震との関連性についての記者の質問に答えたものです。要するに,今回の地震がいわゆる東海地震に結びつくかどうかは断言できない,と云うことなのですから,人によっては責任逃れと受け取るかも知れません。
 しかし,これが目下の科学の限界なのです。かなり前になりましたが,伊豆の新島近辺を中心とした地域に地震と噴火が襲い,それもかなり長い間繰り返したことがありました。
 その時に,東大地震研の権威と云われた教授が,「この一連の地震のメカニズムは全て分かった。もうすぐ終息する」,と断言したのです。しかし,地震はなお続きました。
 当の東大教授はその後テレビに現れなくなりました。当然です。断言したのに外れたのですから。
 それにしても,昨今科学者が未来を断言する傾向が強くなってきたように思えます。典型的なのが,地球温暖化を声高に叫ぶ一群の科学者集団です。IPCCがその中心のようですが,なんと彼らは百年後を断言しているのです。曰く,百年後には海水が何センチ上昇して,水没する国が出てくる,また曰く,百年後には日本列島が熱帯化してデング熱やマラリアが流行する,等々。
 科学者ですから,大型コンピュータを駆使したシミュレーションなどはお手のものです。しかし,それに用いるシミュレーションモデルは,過去のデータしか使えないのは当然です。ですから,このモデルで過去を追試すれば,ぴったり当たるのは当たり前のことです。当たるように作ったのですから。しかし,それを未来に外挿するとなると,確率の問題,曖昧さの問題となります。もちろん,IPCCの科学者にしても馬鹿ではありませんから,彼らは,確率何パーセントでこうなる,と但し書きを付けています。
 しかし,IPCCの科学者が出した計算結果を,あたかも必然のごとく百年後の地球に当てはめる政治家,あるいは政治家にすり寄る科学者がいるのです。
 いまや,世界を動かしているのは,これらの政治家,あるいは魂を政治家に売ってしまった科学者なのです。
 それが証拠に,空気中にわずか0.04パーセントにすぎない二酸化炭素がどうのこうのと云うよりも,もっと大きな力が,太陽の活動から,あるいは最近発生したエルニーニョ現象から地球の気候に働いているのです。そのエルニーニョ現象ですら,おおざっぱな統計的予測しかできていないではありませんか。メカニズムも確かではないはずです。確かならば制御も考えられる可能性があります。
  「自然に対して謙虚でなければならない。」
   よい言葉です。


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