名古屋のロケは、
チャリダーの「乗鞍スペシャル」の取材でした。
イノッチの大一番、
アマチュアサイクリストたちの全日本である
マウンテンサイクリングin乗鞍に向けて、
うちのディレクターたちが、全国のチャリダーを
取材して回っているのです。
名古屋での行き先は、喫茶店。
開店前から行列ができるその店で、目的の人は
パンをつくっています。
チャリダーのみなさまご存知の、筧五郎さん。
通称56さんですね。
去年、NHKで同じレースの王者として特集された
「日本一の坂バカ」森本師匠の師匠です。
写真では真剣な顔してる56さんですが、
しょーもないほど目立ちたがり屋さんだし、
ふつうに話してるだけでは、ただのエッチなお兄ちゃんだ。
でも、こと自転車のことになると、その口からは
ストレートで胸にひびく言葉が生まれてくる。
(なんかどこかの狂言師と似てる気がして来た…)
それは「忘れたいほど」苦しい事が多かった人生の中で、
56さんが見つめ続けて来たものを教えてくれる。
話しながら、ああ、この人は詩人なのだ、と思った。
エッチだけど。
10年前に優勝し、人生を変えてくれた乗鞍で、
もう一度優勝する。
そのために今、走っている。
そんな姿を撮って来たのですが…
この映像がどれくらいのボリュームで世に出るかどうかは、
レースの結果次第。
どうか、悔いの無いレースになりますように。
そう祈るような気持ちで、撮影してきたのでした。
56さんが「乗鞍に走りに行く」といって出発したあと、
私は名古屋から西へ35キロ、あこがれだった「二ノ瀬越」という峠道へ。
関東におけるヤビツ峠のような、
中部圏のチャリダーたちの足試しの峠ですね。
距離5.9km。
平均勾配6%。
56さんは毎週のようにここを走り、
乗鞍前のこの時期、17分で上るらしい。
私も、56さんが見ている景色を見ておかねばなるまい!
この峠道のすばらしいところは、
「景色の抜け」が良いところ。
木々に囲まれたりしていないので、
遠くを見晴らせるのです。
…つまり、ず~っと先の、
これから上ることになる道まで見えちゃうんですけど。
まあ覚悟が決まって心地よい。
前半は勾配1%ぐらいから始まり、
2km地点を過ぎると5~6%に。
その後、ヘアピン部分でぐっと勾配がキツくなったりもするが、
それでも最大で11%ほどだったと思う。
割と一定ペースで走れるので、練習にはもってこいの峠かもしれない。
前半3km地点で8分ほど。
後半の勾配のキツさを考えると、21分がいいとこかな?
…と思っていたら、思いのほか暑くて
オーバーヒート。
ペースを落とさざるを得ない。
さすが中部圏の名所。
何人もチャリダーさんを追い越す。
あとで写真を見たら、けっこう本気な顔をされてた。
トライアスリートっぽいおっちゃんを追い越す。
この方は、上りきったらすぐに下りて、
何本も上ってた。
う~ん、お強い。
最後はフォームもベロベロで、県境の峠へゴール。
タイムは22分ちょっと。
初めての峠なので、次はもう少し良くなるとは思うけど……
いや~、ここを17分なんて、バケモンだわ。
やっぱり、ただのエッチなお兄さんではなかった。
ちなみに、この56さん、
今月22日放送のチャリダー★にも出演いただいてます。
イノッチと2人で、ある場所で「体力測定」してもらったのですが…
めっちゃ面白いので、ぜひ見て下さい。
演出が冴えてますよ☆
↑名古屋みやげ、56さんサイン入りの本。
56さん人生初のサインだったらしいです。