自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

サンミゲル・デ・トゥクマン自転車店。

2014年02月24日 12時19分32秒 | 世界自転車探検部


アルゼンチンの旅の出発点、
サンミゲル・デ・トゥクマンという町まで38時間。
ゴリゴリになった背中をいたわりつつ、
いつもの自転車店を開業☆


今回の旅人バイクは
かなりの悪路を考えてクロモリ製。
シマノのコンポーネントを整備するのは1年ぶりなので、
いろいろと戸惑いながら整備開始。

いやはや、空路が長いといろいろと調子が狂っているものでして、
ホテルの部屋で悪戦苦闘。
「ありゃりゃりゃ……これどうしよう?」と言いながら。
うーん、メカニックの腕も、もっと磨かないといけないなあ。


外は雷雨。
初日から3日間、雨予報。
山のほうでは大嵐が発生しているらしく、
そのため鉄道は3月下旬まで運休が決まったほどだという。
こりゃたまらんわい。


今回のルートは、標高400mからスタートして
最高で4950mの峠を越え、
そのまま4000mオーバーの荒野をひたすら走ります。
8日間の総走行距離は1100kmくらい。
高度順応の時間を考えると……200kmオーバーを走る日が3日間必要。
てな具合の、ドが付くほどのSな道。


自分の限界と、
旅人の限界をこえて。
その先で、いったい何に出会えるのでしょうね。


ゴールできなかったらごめんなさい!



限定340名のための、たぶんすごい会をやります。

2014年02月19日 01時16分13秒 | 茂山家



茂山宗彦 × D(アホな匂いがプンプンする…)のふたりが、
また何かやろうと画策しております。



人間国宝の四世 茂山千作さんが亡くなられて
もうすぐ1年。
あの「笑いの神」の立ち姿は、今も目の奥に焼き付いていますし、
お体の具合が悪くなったあとも、酸素ボンベをつけながら
渾身の力で孫たちに稽古をつける様子を撮影させて頂いた。


そのすごい秘蔵映像で、何かできないかと思ったわけです。
千作さんにまつわるすごい会をやれないかなあと。
大笑いしながら、寂しくて泣いてしまいそうな会を。


茂山家のみなさんに相談したら、
大変喜んでいただいた。
そんでもって「茂山家」全員が集える日を探したら……


2014年6月7日(土)
第一部 午後1時~  第二部 午後5時~

@大江能楽堂(京都)


千作さんの映像を見て。
㊙ゲストからステキな話を聞いて。
茂山家の豪華メンバーが全力で狂言をする。
二度とできないような、記憶に残る会にしたいなあ。


各部5,000円、通し券9,000円は、ちょっと高く感じるかもしれませんが、
例によって今回も「儲けゼロ」価格なので、どうかご勘弁。
(ゼロどころかマイナス…)
だって、映像を映し出すプロジェクターとか、音響設備って
めちゃめちゃ高いんだもん。







てなことを思いついたのが、去年のこと。
準備は着々と進んでおります。
今日は千作さんの資料をお借りしに茂山家へ。

アルゼンチン行き2日前の私と、
新作狂言の稽古を抜け出して汗だくで走って来てくれた宗彦氏。
お互い忙しすぎてなかなか会えないので、
細かいところまでがっつり打合せ。


どうか、お時間の許す方はぜひ。
6月7日、京都でお会いしましょう!


チケット発売は3月末。
くわしいことは人間国宝の孫にして自転車旅の常連さん、

→エッチな狂言師 茂山宗彦氏のブログ

を見て下さい。


それでは、アルゼンチン行きの準備に戻ります…☆

チャリダー合宿。

2014年02月16日 12時17分31秒 | チャリダー★

チャリダー★のスタッフは
自転車マニアが集まっているわけではありません。
番組を作りながら、自転車のことを学んでいます。
そんなスタッフに、もっと自転車を知ってもらいたい。
てなわけで、地獄のたのし~い合宿を企画したわけであります。
九州は阿蘇に1泊2日の旅でございます。


私はスタッフとは別に熊本入り。
どこかで合流するべく、空港からひとり走り出す。





寒い……。
標高が高いので寒いとは思っていたけれど、
氷点下5度。

でもまあ、走ってしまえばすぐに温かくなるもんです。





えっちらおっちら。
標高700mを超えたあたりから絶景に。


雪でチェーン規制が出ていましたが、それくらいで
あこがれの「ミルクロード」を諦めるわけありません。
勾配10%前後の坂をガシガシ上って行くと…
前方にチャリダーたちの姿が。





チェーン規制の凍った道でチームと合流とは
すばらしい★





寒い中をみんなで鼻水たらして走り、
大部屋に泊まり、風呂に入る。





自転車をプチプチで梱包し、
手荷物代1500円払って飛行機に乗せ、
熊本で走る。
しかも激坂をね。







「男自転車ふたり旅」東北編のADをしてくれた木下くん。
6年の時を経てふたたび同じチームに合流してくれた。
あのとき初めてディレクターをした私と今の私は
どう違って見えるかしら。





わざわざ九州まで来たのに猛吹雪。
郷土料理屋さんに逃げ込む。
大好きなだご汁で暖をとる。





ヤマメの背越し(背骨ごとぶつ切った刺身)。
ウルトラ美味。




阿蘇の「猛犬」は、小さな柴犬。
前を通るとキャンキャン鳴いてました。





「蘇水」というカフェで休憩。
プリンもアップルパイもめっちゃうまかった。
生き返りました。




阿蘇で降った大雪は、
帰った我々を追いかけるように東京にもやってきました。


そしてまた、番組づくりの日々に戻ります。


2.14なんて大嫌い!?

2014年02月16日 02時51分36秒 | おしごと日記


バレンタインデー。
昔から苦手です。
となりの高校の子から手作りのチョコをもらったけど
どうしたら良いかわからないままホワイトデーが終わっていた、とか。
ソワソワしただけで誰からももらえなかった、とか。
苦い思い出ばかりです。
バレンタインなんて、ろくな日じゃござんせん。
できることなら、この日だけは海外ロケに行ってしまいたいくらい。


しかし!
残念ながら、海外ロケのスケジュールと合わず。
会社に行くと、デスクに大きな包みが届いている。


おそるおそる、チラ見。
……差出人の名前を見て、
これは簡単なものではないことがわかる。


私の大好きな海外の珍しいハチミツ。
自転車旅の補給食として役立つ、ポケットで溶けないチョコ。
贈り物とは、人のことを想像し尽くして贈るもの、とばかりに
心づくしのものを選んでくれたことがわかる。


ありがたくて、胸が痛みます。
自分になんて、こんなことしてくれなくて良いのに。
うれしくてもやっぱり苦手な日だなあ。
お返し、何にしようかなあ?



母をたずねてアルゼンチン。

2014年02月11日 23時17分46秒 | 世界自転車探検部


「自転車探検部」次の舞台はアルゼンチン。
かの有名な「母をたずねて三千里」の舞台となった地域です。
今考えているルートは(だいたい現場の状況で変わっちゃうんだけど…)
半分が標高4000mオーバー、
峠のひとつは5000m近い、探検部史上最も過酷なルート。


数字を聞いただけで、
ペルーでの高山病の悪夢がよみがえり……
ああ苦しい。


てなわけで。
今回の旅人と一緒に
数日間だけでも高地で走っておきたいと思ったのですが、
大雪の影響で1000m超の道はのきなみ通行止め。
たいしたトレーニングにゃなりませんでした。
まあ出演者バイクのフィッティングを心ゆくまで出来たから良しとしましょう。


出発まであと1週間です!



「立て看」職人。

2014年02月10日 02時39分59秒 | チャリダー★



高校生のころ、ひとり黙々と、
文化祭の立て看板を作っていたことがあった。
それは縦2m、横3mくらいの大きなもので、
正門横に「〇〇祭まであと〇〇日」と出すためのものだった。


デザインも素敵で、頑丈に良くできたので、看板の裏に
「この看板50年は使える。棄てる時は連絡下さい」
と、名前を書いておいた。
卒業してもうすぐ20年、看板はまだ使われているらしく、
裏側には歴代の修復者の名前が書かれているという。
むふ。嬉しい。


さて、またもや立て看板を作ることになった。
こんどは「チャリダー★」の出演者たちのもの。
5人にいろんなポーズをしてもらい、それを楽しく組み合わせて作るのだ。

私は写真を撮っただけで、
どんな看板になるのかは、現物を見てのお楽しみだという。
番組が取材に行くレース会場に飾られるらしいが…
私、実物を見るチャンスあるかしら?

セラップさんからのたより。

2014年02月01日 06時18分47秒 | 世界自転車探検部


トルコ旅のコーディネーターをしてくれた
セラップさんから、メールが来た。

コーディネーターというのは、我々とともに行動し、
通訳、取材先との撮影交渉、お金の支払いや管理、
ホテル探しから食事の世話まで
すべてをコーディネートしてくれる人。
ブータンのトンジェイさんのようにトンチンカンな人もいれば、
チェコのオンジェイのように優秀な人もいる。


写真を見る限り、かなりファンキーな女性に見えるけれども、
1を言えば10の博識が飛び出し、1を聞けば10理解する、
愛と優しさにあふれた人。
コーディネーターのレベルで言うと、「超」が付くほど優秀な方。
そんなセラップさんから、メールが来た。


「昨晩、待ちこがれたDVDが届いたので、さっそく拝見しました。
 番組を観た日本の友人が興奮して連絡をくれた理由が分かりました。
 とても、とても、素敵な作品でした。
 私の国をあつかった番組の中でも、最高の作品だと思います。
 この作品に携われたことを誇りに思うとともに、心から感謝しています。

 どうか、楽しいうえに哲学的にも優れた旅人の山陽さんにも、この感謝をお伝え下さい。
 このDVDを、番組に協力してくれた愛しい人たちにも
 感謝のメッセージとともに送りたいと思います。

 最後に、優れた監督であるあなたには、どうかご自身をいたわるようお願いします。
 そしてどうぞ、1日2時間以上は睡眠をとるようにして下さい。

 愛をこめて。
 セラップ・ジャン」


うれしくて、何度も何度も読み返した。
自分が褒められたということではなく、
命を削るほどの仕事をともにしてくれたセラップさんに
恩返しが出来たと思ったから。


恩を返すのって、大変なこと。
もらった恩ばかりが積み重なってゆく。
どれだけ必死でやっても、追いつけないなあ。