自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

ありがとうございました!!

2013年02月28日 02時51分42秒 | 世界自転車探検部



今週の自転車探検部タンザニア編、
お楽しみいただけましたでしょうか。

ムネもスタジオトークを楽しんだようです。
終了ギリギリまでしゃべるので、途中で時間切れになるんじゃないかと
スタッフは相当焦りましたが…


スタジオでVTRを見るムネの顔が
だんだんと旅のモードに戻ってゆく。
もちろん私も。
ご覧になった皆さんも、旅の空気を感じて頂けたなら嬉しいです。


これでひとまず、私の旅もゴール。
次は…何しようかな!!




アホな人たち、西へ向かう。

2013年02月26日 06時34分26秒 | アホ○シリーズ
エルムンドの第一夜、ご覧頂きありがとうございました!
タンザニアの絶景はいかがでしたか。
どうぞ皆様のご意見ご感想、どしどしNHKあてにお送りください。
好評なご意見が多ければ、今回も完全版への道が開かれます!
(もちろんその逆もアリ…)


さて。
アホたちと自転車で西へ向かったお話。
(※書いたらものすごく長くなっちゃった。ヒマな人だけ読んでくださいませ…)





夢は1日300km。
ロングを走ったことのない
新ジョカトーレ(C59)とおニューのシューズ(Rapha)の具合を確かめたいこともあり、
Facebookで地獄の道連れを呼びかける。

もちろん参加資格は「アホ」であること。
意外と「自称アホ」は少なく、名乗りをあげてくれたのは5名のみ…。





カフェ・プロトンを6時半出発!
1名は連絡すらとれず不参加っぽいので、
4名で発つことにした。
(写真の普段着の人は見送り組…ありがたいことです)






6時30分に世田谷を発った
「アホ4名西へ向かう」ツアーの概要はこうだ。

1、タイムリミットは日没。
2、とにかく遠くへ行く。浜名湖まで行けたらうれしい(300km)。
3、帰りは輪行の日帰り。
4、脱落者は途中の駅で見送り、残ったメンバーで旅を続ける。

参加者4名の内訳は、
猪野学(アホ俳優)/林D(アホディレクター)/小川マサオ(アホなアパレル系)/落合寛幸(アホデザイナー)

※参加賞としてアホの称号を差し上げただけであり、
 ご本人の人格を否定する意図があるわけではございません。

とりあえず国道246号線を西へ、積雪が予想される箱根を迂回し、
静岡県沼津市から海沿いを行くコースを選んだ。





長距離走行のため、まずはペースづくりのため林Dが先頭をゆく。
巡航は32km/hに押さえて走る。
30km地点で猪野学氏と先頭交代。
ここで最初のお笑いが発動する。





なんとまあ、猪野氏の輪行バッグのでかいこと!!
しかもシートポストにビニールテープでぐるぐる巻きにしてあるのだが……
これがペダリングする太ももに当たってプリプリプリプリ左右に揺れる。
後ろを走る私は、おかしくて笑いが止まらない。
しかも。




ホイールは「アルパイン」の超やわらかホイール(柔らかすぎて力が逃げちゃう)。
ギアは調整が行き届かずカラカラカラカラといっこうに決まらない。
どうやらローラー台練習用車両で来たらしい。
でも800mlのボトル2本に水満タンは
「休憩する気さらさらなし」の意思表示。
さすが俳優・猪野学。
笑いが止まらないので、私は猪野氏と離れて最後尾に着くことにする。





50キロ地点。
「俺、燃費悪いんです。補給させてください」と
マサオ氏が申し訳なさそうに切り出した。
メシを食うならちゃんと店に入った方が体が冷えないのだが、
猪野氏の「休憩なしで突っ走って300キロ行く!」というオーラに誰も意見を言えず
コンビニでの簡易休憩となる。
気温は4度。北風3m。
とりあえず高カロリー食をかきこんで即出発する。




ここで4人を絶句させる事件が発生した。



なんと、気付いたら国道246号線を離れ、いつのまにやら
太平洋に出てしまったのだ!
看板には「藤沢」とある。
どうも道が狭くなったな~と思ったら、やっぱりか。
これはつまり、箱根を超えるしか道がなくなったということだ。

箱根を通れば、体力の消耗激しく時間もロスする。
しかも積雪は確実で路面凍結の恐れあり。
マサオ氏は「うわあああ~」と天を仰ぎ、
猪野氏は300kmが遠のいたことを実感して「………」となり、
落合氏は「???」と混乱している。
林Dだけが「面白いことになった!」とゲラゲラ笑っている。






笑っている場合ではない。純粋に危険なのだ。
しかしもはや登る以外に道はなし。
ここで落ち込む男たちに林Dが新たな提案をした。

標高800mの箱根峠は凍結で危険だ。
途中から別ルートで仙石原→御殿場方面へ抜ければ箱根峠は避けられるぞ、と。

男たちは「そんな隠しルートがあったのか!」と色めき立った。
しかし、これはさらなる地獄への序章だった。





地図を見て下りかと思っていた御殿場方面への道は、延々と上りだった。
やがて沿道に雪がちらほら見えてきた。
燃費の悪いマサオ氏がハンガーノックでダウン寸前だとぼやく。
そこに林Dがとどめの一言。
「お~い、標高800m超えたよ~」

なんと、箱根峠を迂回する乙女峠トンネルは標高810mあったのだ。
箱根峠と変わらないじゃないか。





気温はすっかり氷点下。
道はブラックアイスバーン。
大変なことになった……
でもキレイな富士山を見て、すっかり悪夢を忘れる4人。
地獄の下りはその勢いで豪快に下って、
なんとか元気に箱根をやり過ごしたのであった。






氷点下の下り坂は寒かった。
しかも北風が猛烈に吹き始めた。
相変わらずのコンビニ休憩での会話もなくなった。
「俺たちゃ一体何をやっているのだろう?」
きっと全員がそんな邪念にとらわれていたと思う。





170km地点ですでに午後3時。明らかに浜松なんて着く訳がない。
しかし「降りる」とも言えない。
もはや集団の惰性で走っていた。
言い出しっぺなので、必死に先頭を引っ張った。
後ろに着いたマサオ氏は意識もうろうの「無の境地で走ってた」らしい。
超絶に速いはずの落合氏にも疲れの色が濃い。


しかしここでまさかのご褒美が炸裂する!





「太平洋自転車道」!
広くて走りやすい!
山の南側を走るので横風が緩和されてる!!
ここで4人のテンションはMAXを振り切った。

…と思ったのもつかの間、極楽の道はとつぜん砂利道へと変わり、
そしてその砂利道は川に当たって行き止まりとなった。
なんというアトラクション。
静岡市は粋なことをなさる。
ウロウロと道を探し、排気ガスの溢れる国道1号線へと戻る。
ああ、もうすぐ日没だ。


西日が赤みを帯びてゆく。
距離は200キロを超えた。
交代で先頭を引いていた猪野氏と私の速度も落ちてきた。
すると、ハンガーノック陛下のマサオ氏がとつぜん先頭に躍り出た。
無言の背中で「ここからは自分が引きます!」と言ってくれていた。
涙が出そうになった。
これだ。これが人と走る醍醐味だ。

…と思った瞬間、マサオ氏はすごい速度で、
後ろを振り向かず行ってしまった。
他の2人はかろうじてマサオ氏に着いていった。
私だけ体よく千切られてしまったようだ……。


かっ飛ばす3人を必死に追いかけ、
ようやく静岡駅で、3人が道を誤ったスキに追いついた。
なのでゴールはめでたく4人。
ここで日没を迎える。





走行距離215km。
獲得標高1920m。
消費カロリー6461kcal。


なんとなく不発な感じも無くはないが、
この季節にやったことは「少しアホ」くらいは言えると思う。
なのでこの4名は今日から「少しアホ」を名乗って良いと思います。

すっかり忘れていたが、新フレームとシューズの具合はバツグン。
ロングライドしても体にこたえることはなかった。
両足のアキレス腱がちょっと痛んだので、クリートの位置をずらしてみよう。



次は暖かくなったら「アホ北」でもやろうかな?
きょうもエルムンド・タンザニアの旅でお会いしましょう!!

できたよ!

2013年02月23日 11時43分57秒 | 世界自転車探検部


長い闘いでしたが、
ようやく完成しました!



編集とはふしぎなもので、
推敲を重ねていくほど映像が研ぎ澄まされて行きます。
透明感が増してゆく印象。
よくできたと思います。


編集が終わって、ようやく一眠りして、
虎ちゃんとゆりちゃんの舞台初日を観に行きました。
重いのに、最後は風が吹き渡るような感じ。
途中は少しけだるいシーンもあったけど、
3500円は安いと思える、すばらしい舞台でした。


帰り道、どうもぼんやりしていたみたいで、
何度家に向かっても電車を間違えて帰り着かなくて、
ちょっとしょんぼり。
それだけよくがんばったのだ、ということにしてください。


エルムンド自転車探検部 青木崇高×タンザニア
2月25日(月)~27日(水)
23:00~23:50
@NHK BS1

27日にはトークゲストとしてムネががっつり出演する予定です!!





試練に乾杯。。

2013年02月19日 08時02分34秒 | 世界自転車探検部


タンザニア編のオフライン編集も
あと1日。
もちろん編集室が我が家と化してます。


写真を見て頂ければ分かって頂けると思うのですが、
ムネは画になる。
カメラを回していると、ついついレンズが
ムネに吸い寄せられて行ってしまう。
これが、今回の編集を難しくしているポイント。


エルムンドのレギュラー放送は、
ムネを見せるというよりも、
各国の文化を見せる番組。
ムネばかり写しているわけには行かないのに、
ムネが写っていない映像が少なすぎる。


ぬおおおおおおおお!!!!
今回ばかりは苦しい。
すごい映像がたくさん撮れているのに、
編集がうまく行かない。
あたらしい試練をくれた旅人に、感謝……★






カメラ嫌いの大好きカメラ。

2013年02月16日 11時03分12秒 | 世界自転車探検部



タンザニアの人たち、とくにマサイはカメラが大嫌い。
カメラを向けると怒られる。
しかもマサイは異常に目が良いので、
300m離れた場所からレンズを向けても怒られる。
カメラ嫌いの理由を色んな人に聞いたけど、本人たちもよくわからないらしい。
とにかく嫌いなのだ。


でも、やっぱり興味はあるみたいで、
仲良くなるとファインダーをのぞきたがる。
映像を見ては、写った人を指差してキャアキャア喜ぶ。


仲良くなれば撮らせてくれるのだけれど、
そこまでのプロセスが難しい。
アホなふりしたり、困ってるふりしたり、
いろんな演技をすることになる。
これ、ディレクターには必要な技術。
なので、実は私、演技は相当うまいのです。
(あくまでカメラを向けられない場合の話)


ロケ中はムネと私で何度も作戦決行し、
ずいぶんカメラを向けられるようになりました。
とはいっても打率は1割程度で、ほとんど怒られっぱなしですが☆




高いところは好きですか。

2013年02月14日 01時06分46秒 | 世界自転車探検部


今回の撮影車には「ルーフ」がついていました。
これはたいへん喜ばしいことで、
ルーフ(荷物置き)があるだけで、撮影の幅が広がります。

道の脇に車を停めるだけで、高い視線から撮影できるので、
アフリカの大地を遥か遠くまで写すことができるんです。


日本では決してできませんが、
屋根の上に乗った状態で車を走らせることもできます。
これまた絶景のど真ん中を走る旅人を写せて最高です。


走る車の屋根上に人が立っている。
これは地元のおっちゃん達をたいそう喜ばせました。
死ぬほど恐かったですけどね。



ダートでは屋根上は異常に揺れるので
何度も放り出されるかと思ったし。
怖くて膝が震えるのを打ち消すために
精神力を消費し尽くしました。
もう二度とやりたくないです。



みなさま、どうぞ
命がけの走行シーンをおたのしみに☆


愛すべきコントマン。

2013年02月12日 21時48分35秒 | 世界自転車探検部



通訳の相澤さんは、通訳としては素人だ。
でも、一日に何度もはり倒そうかと思ったのと同時に、
一日に何度も感謝した。


学生時代にタンザニアの大自然に惚れ込んで、
キリマンジャロのふもとに留学した。
そしてそのままこっちに住み着いてしまった。
相澤さんは多く語らなかったけれども、
たぶん自分の行きたい道を初めて見つけたのだと思う。


タンザニアの田舎は危険がいっぱいで、
日没後には強盗も跋扈する。
よく夜の撮影を申し出ると
「殺されて野に捨てられたら数ヶ月は見つかりませんよ」
と諭された。
大げさな話ではなく、
ムネと私がいまこうして命あるのも、相澤さんのおかげだと思う。
きっと私一人だったら、カメラ片手に夜歩きしたあげくに
身ぐるみはがされていたに違いない。



初めてだというのに、毎日怒鳴られながら
最強に過酷なロケをやり遂げた相澤さん。
一度も自分の置かれた境遇を恨む言葉を吐くこともなく、
私といっしょに日に何度も高台の撮影ポイントまで登山してくれた。
そして常に笑顔だった。
別れ際、私は
数年後にふたたび仕事で相見えることを約束した。
そのころまでに、お互いに
もっともっと頑張りましょう、と。




さあ、相澤さんの名前が初めて画面に出る
今回の番組。
故郷のご家族に喜んでもらえるように、
(ほとんど行方不明に近い息子と思われているらしい)
最高の番組に編集しなくちゃね。
素材を見るたびに、やっぱり腹が立って仕方ないのだけれど。



あるひのできごと。。。

2013年02月09日 18時35分06秒 | 世界自転車探検部



【マサイの村、マサイの身に付けているアクセサリーについて話しているシーン。
 日本語→英語、英語→スワヒリ語、スワヒリ語→マサイ語の3重通訳(通訳3人)体制】


出演者がアクセサリーを作った女性に質問。
「このアクセサリーを作るのにどれくらいかかったのですか?」
→通訳1が英語で通訳2に質問
→通訳2が答える「一週間くらいじゃないかな」
D☆が怒る。「通訳が答えちゃダメでしょう。青木くんはあの女性に聞いたんですよ」
→通訳1が通訳2にその旨を伝える
→通訳2はすでに質問内容を忘れている
→通訳1がもう一度通訳2に質問内容を説明
→通訳2は通訳3じゃない人に直接質問するが、通じない
→通訳3がそれに気付くが、目的の女性とは別の男性に質問する
→通訳1が女性とは別の男性の答えを訳す「作ったのはあの女性だそうです」


…海外ロケではいつものことなんだけど。まるでコントです。
一日に何度もぶっとばそうかと思うのを
こらえるのが難儀でした。


旅が無事に終われば、こんなこともお笑い話になるのですが、
編集を始めると、このやりとりを何度も聞き返すことになります。
毎日腹が立ってしかたありません。


なんというか。


トホホ。


天を仰ぎたい気分の日々は、あと10日ほど続きます………



タンザニアのスーパーマン。

2013年02月04日 02時18分25秒 | 世界自転車探検部


タンザニアでは、体が大きい人にたくさん出会った。
この人はキリマンジャロを一周したあとに泊まった宿のご主人。
身長なんと203cm!!
私なんぞ、こどもにしか見えなかったに違いない。
でも、この人は2番手。もっと大きい人がいたのです。




写真は無いのだけど、
キリマンジャロの中腹に同行してくれた山岳ガイドのロバート
(高地での安全のため、山岳ガイド同行で撮影したんですよ)は
身長205cmだった。
もう何十回もキリマンジャロに登ったというロバート。
漆黒の肌の、ずば抜けた身体能力を持つ身長205cm。
同じ土俵で闘うことはまずムリでしょう。


ロバートは最初、中腹までしか行かないと聞いて余裕そうだった。
「中腹まで自転車に乗るだけだろう?」とか言って笑っていた。
でも、改めて自転車から見る勾配のキツさと旅人の悶絶する表情、
そして私の撮影する姿を見て、
「おまえらクレイジーだ」と言いながら、いつしか顔が真剣になっていった。


そしてロバートを一番参らせたのは、
ゴール後、私がご褒美として行ったダウンヒルだったようだ。





下り勾配10%の曲がりくねったダートを時速40kmで降りる姿は、
自殺行為にしか見えなかったという。
下り終えたとき、身長2mのロバートは車からいちばんに駆けつけてくれて、
泥まみれの小男に「お前、強いな!」と言ってくれた。


お分かりいただけますでしょうか、この嬉しさ。

これはうれしい。

2013年02月01日 19時37分59秒 | 世界自転車探検部
体の傷は、ロケに支障が出ないラインギリギリで
アクロバティックな撮影をした証。
インフルは、ロケまでは気を張りつめていたという証。
どちらもすばらしい精神状態でロケをやった
証拠ではありませんか!

…と思ってくれる人は誰もいないようです。







さて。
これはなかなか無いですよ。
マサイの若き戦士にパンク修理を手伝ってもらう、の図。


マサイは「好戦的な民族」と呼ばれるようです。
プライドと攻撃性が高く、身体能力もずば抜けている。
実際に対峙してみると、まず歩き近づく段階から
こちらの存在を試されている空気がつきまとう。
虚勢ではなく威風堂々と向き合わないと、ちゃんと認めてもらえない感じがして、
心をニュートラルに持って行くのが大変でした。


一度認めてもらってからは、ずいぶん仲良くなった。
そして、パンク修理の図。
このパンク修理のビックリ話があるのですが、それはスタジオでしますね☆