自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

手ブレですが。

2015年12月02日 10時01分19秒 | 世界の街道をゆく



左側、長江にぽつんと浮かぶ島が白帝城。
三国志の英雄、劉備が亡くなった場所として有名です。
実はこの写真、月光で撮ったものです。


今回のロケには、私は三脚を持って行きませんでしたので、
すべて「手持ち撮影」です。
シャッタースピードは10秒ほど。
ブレないために息を止めてますが、
やっぱりよく見ると、ブレてますね。
でも、きれいでしょ?





長江沿い、月光に照らされた巴東の街。





田舎に行くと、家にほとんど明かりが灯っていません。
よ~く見ると、蝋燭が小さく灯っていたりする。
田舎では電気はまだまだ貴重なのです。






満月の前後になると、
月光の世界は、それはそれは美しい。
きっと女性といっしょにいたら、恋に落ちてしまうと思う。





毎日、よる12時過ぎまで撮影した月光写真。
もちろん谷口さんは三脚を使って
もっと美しい写真を撮っていました。
残念ながら、世界野球延長戦のため
番組はお蔵入りになっちゃいましたが…


みなさんもぜひ、月光で写真を撮ってみてください。
男女ペアでの撮影をお勧めします。
ぜったい恋しちゃいますから(その場だけは)☆




できたよ!

2015年10月26日 23時53分50秒 | 世界の街道をゆく

photo:Kei Taniguchi


「世界の街道をゆく」11月放送分の
中国・三国志の旅パート2。
さきほど完成しました!


チャリダーの乗鞍スペシャルに時間がかかり過ぎたので
キツキツのスケジュールでしたが…
なんとか素敵な番組が出来たと思います!



今回のルートは、四川省の成都から、
長江に沿って東へ1800km。
張飛、劉備、関羽が亡くなった地をたどる旅です。



photo:通訳さん


みんなで泥だらけになったり。




photo:通訳さん


ガケを見つけては登ったり。




photo:通訳さん


屋台でタニシとザリガニを食べたり。
(タニシは火が通っていてもお腹壊した)


みんなの力が合わさって、
涙あり笑いありの作品になりました。




放送は、テレビ朝日にて、
11月の毎週(月)~(金)夜8時54分からです!



さあ、これで仕事はいち段落。
11月22日は京都で狂言見られそうです☆

生きる。

2015年08月29日 00時42分32秒 | 世界の街道をゆく



山あいの小さな真新しい村で、
伝統の絵を受け継ぐ人がいるというので、会いに行った。


現れたとたん、驚いた。
伝統を受け継ぐ人が、これほど若い女性だと思わなかったのだ。
しかし、驚きはそれどころではなかった。
Tシャツの右袖が風に揺れている。
彼女には右手がなかったのだ。

左手一本で、筆を持ち替え、絵の具を変え、
それが当たり前のように絵を描き進めてゆく。
始めて7年ほどだというが、
それにしてはかなりの腕前だ。



ああ、さぞかし苦労をされてきたのだろうと
そのことを聞いてみたかったのだが、
どうにも聞き出せない。
もじもじしていると、彼女の父親がそばに寄ってきて、
おもむろにその理由を話してくれた。



2008年5月12日。
彼女はいつも通り、学校で授業を受けていた。
すると突然、強烈な揺れが襲った。
四川大地震。
村は瓦礫の山と化し、校舎も全壊。
授業を受けていた50人のうち、生き残ったのはたったの2人。
そのうちの1人が彼女だった。
そして、コンクリートの下敷きになった左手を失った。



地震のあと、彼女は一心不乱に絵を学び、7年の時が過ぎた。
穏やかな顔で絵を描き続けている彼女が、
柔らかな笑顔を向けて、こう語ってくれた。
「友人たちのぶんまで、私は頑張らなくてはいけないのです」
私は一生懸命うなずいて答えるのが精一杯だった。



いかに人間が運命を背負う生き物だとしても、
1人の少女の小さな肩には、あまりに重すぎる運命ではなかろうか?
しかし彼女の表情は、曇り一つなく、柔らかい。
私は、この小さな村で、
ほんとうに勇敢な人の顔を見た気がした。

カメラマンとはステキな仕事。

2015年08月28日 01時43分32秒 | 世界の街道をゆく



中国の旅は、だんだんと山岳地帯へ入ってまいりました。


今回の旅では、カメラマンはいい仕事だなあ、と思うことが多い。


仕事の場所は、ロケ現場。
とびきりの冒険心と、画を切り取る才能。
体力と精神力は、修行のたまもの。





一緒に旅してる、写真家の谷口さん。
言葉の通じない人に「1枚撮らせて!」とジェスチャーしながら近づき、
笑ったり、何か話しかけたりしながら
神業のような速さで撮影。
そして「ほら!」と言って写真を見せる。





言葉は通じないのに、一瞬で友達になってしまったみたいだ。


谷口さんは、冒険が大好きで、
いつ連絡しても「いまヒマラヤです」「いまアタカマ砂漠です」と返ってくる。
きっと世界中の過ぎ去る出会いの中で、友達をつくって、
写真以上の思い出を焼き付けてきているのだろう。


もちろん、大変なことだらけなんだろうけど。
やっぱりステキな仕事だ。

中国です。

2015年08月25日 07時45分59秒 | 世界の街道をゆく


中国に来ております!


ひさびさ登板の「世界の街道をゆく」
三国志の旅・パート2は
四川省の成都から、湖北省の武漢まで、
2000kmの道中です。


今回のエリアは、
かなり色濃く1800年前の香りが残っている。
史跡の充実度から、人々の反応まで
三国時代がまるで昨日のことのようです。


しかも、人々は朗らかで優しい。





いろいろお騒がせの中国ですが、
田舎の方では、まだまだ暮らしは貧しい。
労働者や店員さんの収入は、月に4万円ほど。
農民たちはもっと少ない。
それでも、いつもこういう笑顔で、笑い声は快活そのもの、
底抜けに明るい。

いろんな状況を無視して、素直に考えれば、
こんな笑顔の人たちが暮らしている国は
良い国なのかもしれない、と思えてくる。
だって、東京で素敵な笑顔で暮らしている人を
見つける方が大変だもの。



ちなみに、
四川省では、なぜかちょくちょく
一緒に記念写真を求められます。
しかも妙齢の女性ばかりです。
ここらへんでモテる顔でもしているのでしょうか。
そして、私と写真を撮って、
いったい何をするのでしょうか。


旅の間、時間を見つけて
旅で出会った素敵な、切ない話を紹介しますね。
なかなかネットがつながらないので、
帰国まで二度とできないかもしれませんが…★



ひさびさの海外は…

2015年08月02日 20時46分28秒 | 世界の街道をゆく
いや~、久しぶりです。
ミャンマー以来の海外ロケの行き先は、中国です~!

「世界の街道をゆく」三国志編の第二弾。
ちなみに第一弾は2011年でしたので…
ずいぶん長い間、あの国との間にいろいろあったわけですね。




前回は、洛陽から許昌、荊州を経て赤壁までの旅でしたが、
今回は四川省成都あたりを旅します。
劉備たちが蜀の国をつくり、死んでいくまでの道をたどるというわけです。




↑前回撮影した許昌。曹操が悪役であるため、最近まで三国志関係の遺跡は人気がなかったらしい。




↑呂布の城跡では、崖をよじのぼって撮影したなあ。今回はどうなるかしら?




さあ、ただいまバリバリ三国志の勉強中。
1800年前に、どこで何が行われていたのかを覚えて、
それを地形とあてはめて考えておきます。
いろいろ頭に叩き込んでおかなくちゃ☆



明日から! 「世界の街道をゆく」ミャンマー編!

2013年01月06日 16時40分38秒 | 世界の街道をゆく


私も放送が楽しみな作品。
「世界の街道をゆく」ミャンマー編が明日から放送です!




いたるところで出会った乗り合いトラック。
窓から身を乗り出して撮ってたら
すごく喜んでくれた!





山上の美しい湖にも行きました。
湖の「浮き島」に暮らす人たちの文化は
ふしぎがいっぱいですよ。




ミャンマーは多民族国家。
かつては民族が独立割拠していたシャン州の名物、シャン麺。
世界で食べた料理の中で、いちばんおいしかった!


「世界の街道をゆく」歓びと祈りの道 ミャンマー
1月7日からの(月)~(金)
夜9時54分からです!!



※7日~10日の4夜連続で「自転車探検部」も放送じゃ!
 ワシもニュージーランドとか走ってみたいぞ!
 …と、観ればお坊様も思ってくれるに違いない☆


笑わない子。

2012年12月07日 02時13分38秒 | 世界の街道をゆく


ミャンマーの田舎町のレストランで食べていると、
女の子が近づいて来た。
近づく、と言っても、興味のある距離をとりながら
決して側には寄って来ない。

とても身なりの貧しい子。
服はやぶれて黒ずんで、足も真っ黒だった。
私は、「日本のだよ」といって飴をあげた。
もらった女の子は、無表情にふわりといなくなった。


食事が終わり外に出ると、女の子が待っていた。
あきらかに待っていたのだが、待っていた素振りは見せない。
側に座って話しかけても、返事もないしこっちも見ない。
言葉も通じないし、しばらく側に座っていることにした。


1分くらいたったろうか。
女の子がこちらをゆっくりと振り向いて、何か言った。

表情は変わっていなかった。
ただ、私には何を言ったのかがわかった。
そうか、それが君の仕事なんだね。
私はサイフから1000チャット(およそ100円)札を取り出し、
折り畳んで両手で差し出した。
彼女は、亀のようなゆっくりした動きでそれを受け取ると、
立ち上がって居なくなった。


一度も振り向かないし、
一度も笑わないまま。


………………


親が教えたか、自ら編み出したのか、
哀れな表情をして物乞いする子どもに多く出会う。
彼女はギリギリのプライドでそれをせず、
顔色を変えずに、せいいっぱい仕事をしていたような気がした。

彼女を良く考えすぎかもしれない。

ミャンマー美女!

2012年11月29日 00時29分25秒 | 世界の街道をゆく


ミャンマーには美人が多い。
市場で出会った彼女は、店番をしながら妹の面倒をみていた。
なんと明るい笑顔をしていることか。



彼女はみやげ物店のお店番。
カワイ子ちゃんだとお客の入りも違うのでしょうか?
写真たくさん撮ったのに何も買わなかったけど、買ってあげるんだったかな…




2人の子は、ずっと私のあとをついてきて、
何か話したそうにモジモジしていた。
私は簡単なあいさつしか話せないので、
ひたすらハイタッチをして遊んだ。
みんな喜んでキャッキャッと笑って、何度もハイタッチをせがまれた。
最後は私たちの乗った車を
ずっと走って追いかけて来てくれたっけ。




ある工房で働く子。
一日の労働時間は10時間ほどだそうです。
何度カメラを向けても、はずかしそうに顔を隠してしまう。
でもそれがまたステキ。




変わってこちらは男の子の僧侶。
幼くして出家したということは、貧しい家の生まれなのだと思う。
その澄んだ目で、私のことを見透かしているかのようでした。
この時はこっちが恥ずかしくなって、顔を隠したかった。


ミャンマー編の編集も中盤。
明日はちょっと抜けて、TOUGEのナレーション録り&音楽入れ。
と~~~っても良い音楽選んだので、
吉川さんの声と合わせるのが楽しみです☆

オフライン突入!

2012年11月21日 23時49分20秒 | 世界の街道をゆく


ミャンマーの旅の編集に突入しました!
今回は面白い人たちにたくさん出会ったので
素材がいつもの1.5倍!!
ラッシュ(素材をぜんぶ見る作業)だけで10日コースです~☆


ボンヤリ埋まっていた来年のスケジュールも
具体的になって来ました。
1月にまた海外に行くことになるかも。
しかも旅人はあの男……
まだ未定ですけどね。
アフリカに行こうと画策してます。
どうなることやら?


とりあえず自転車通勤して
体力を戻さないといけないのですが。
体がすっかりペダルの感覚を忘れておりました…
むへ。


毎日が遠足。

2012年11月04日 01時16分36秒 | 世界の街道をゆく


ミャンマーの街道にて。
毎日が遠足、
そんな言葉が頭にうかぶ。



とても貧しいと言われた村で仲良くなった子どもたちの
笑顔がまぶしすぎて、
写真を見ると泣いてしまいそうです。
私にこの笑顔が無いのは、
捨てられないものが多すぎるからかもしれません。


てなわけで、ロケは4日目が終了!
軍事政権の面影のこる地域はちょっと緊張しましたが、
どうにか無事通過。
明日はどんな出会いがあるかなあ?



ミャンマー・ショック。

2012年11月01日 02時16分01秒 | 世界の街道をゆく


やってきましたミャンマー。
TOUGEの編集がたたって発熱してる模様ですが、
外気温の暑さ(34度!)でごまかしてロケ開始!
鼻水が止まらん!




まず驚くのが、尼さんや若い僧侶の多さ。
大勢の僧侶は、もちろん人々の寄付によって暮らしています。
ミャンマーは信心深い国で人々の助け合う心が強く、
どんなに困っても食べ物に困ることはないそうです。
食いはぐれることのない国には、どこか柔らかく明るい空気がある。




ロケ1日目ってのは、いつもエンジンがかからなくて
特に今回は眠れば夢の中でTOUGEの編集を続けている始末。
はやく頭をシフトしないと…




ミャンマーはついこの前まで軍事政権だったので
書籍の種類は偏っているのかと思っていましたが、
街角でこんな本を発見。
お色気シーンがありそうな小説ですよ。


しかし。



何が書いてあるのかわかりません。
少年(おじさん)たちの心くすぐるシーンが盛りだくさんなことを祈ります。



明日も朝6時出発です!

できたぜよ~!

2012年08月25日 23時44分40秒 | 世界の街道をゆく



9月放送の街道ロシア編、さきほど完成しました~!

坂東三津五郎さんの深いナレーション。
谷口さんの超絶に美しい写真。
厳選した音楽。

とても素敵な作品になりました。
お恥ずかしい限りですが、完成試写では涙が出ました。





美しく素朴な街と、未来を見つめる人々の目。
プーチンの強引な印象ばかりが先立つ国でしたが、
街の人々は穏やかで心優しかった。
ガラリとイメージが変わると思います。





放送は9月の平日ずっと!
毎週(月)~(金)夜8時54分~59分 の放送です。
ミニ番組ですから、録りためてもかさ張りませんよ~☆
(関東地方限定ですが…)


さあ、これから久々にゆっくりベッドで休んで、
(ずっと会社のイス3つで寝てたので…)
明日から自転車探検部インドネシア編の編集再開です!



旅の終わり。

2012年06月25日 13時15分30秒 | 世界の街道をゆく
ついにサンクトペテルブルグに到着。



かつてはレニングラードと呼ばれた街。
300年前までは一面の沼地だったという。





6月は卒業の季節。
街のあちこちで卒業パーティーに出会った。
9月の始業式まで、短い夏を存分に楽しむのがロシア流。





さすがに北緯59度ともなると、
夜10時でもこの明るさ。
夜中の2時くらいまで、街は恋人たちのものとなる。
寝不足……恋にはそんなもの関係ないにちがいない。


帰国したら、ひとまず街道の編集は後回し。
まずはペルー編完全版の編集。
そしてまた別番組でインドネシアあたりへと飛ぶことになりそうです。


大プロデューサー、走る!

2012年06月22日 10時20分39秒 | 世界の街道をゆく


西野さんはこれまで数々の賞を受賞して来た名物プロデューサーで、
かつてソ連時代のモスクワに住んでいた。
今回、ロシアはいろいろと取材しにくい国と言うことで、
助っ人としてお越し頂いたのです。

お越し頂いたのは良いけれど、
偉い人が増えるということは、それなりの気遣いが要求されるということ。






しかし、行って驚いた。
「今回、私はADのつもりで来てますから!」と言って三脚を手放さない。
走って水を買って来るし、交通整理もしてくれる。
65歳になる大プロデューサーは、プライドとか面子とか
そんなものは何ひとつ考えていない。
ただ現場が好きで、周りの人を楽しませようとするサービス精神の塊。


そして夜は、ソ連時代のモスクワ生活の話をいろいろと聞かせてくれた。
情報統制が厳しい中なのに、ラジオでビートルズをかけて
あわやシベリア送りになりそうになった話。
バルカン半島出身の美人をめぐる男たちの闘い「バルカン半島争奪戦」の話。
そして毎回爆笑の「お絵描きロシア語講座」。
うちの会社には、こんなに素敵なプロデューサーが居たのか。
目が覚める思いで毎日を過ごした。


しかしさすがに還暦を過ぎた身で
AD業務は厳しかったに違いない。
西野さん。次はプロデューサー×ディレクターとして
ぜひ一緒に番組を作りましょうね。