「夏も近づく八十八夜・・・」と謡われているように茶摘みのシーズンは立春から八十八日目にあたる時期・・・一服のお抹茶に季節を感じるひとときは本当に心が和みます。現代人が便利さと引き換えに失ったもののひとつが、この季節感といえるでしょう。
日本人のおもてなしの心もこの四季によりなお一層の工夫がなされてきました。茶道に限らず日本の伝統的な文化や芸能は季節感というものを非常に大切にします。これは四季のある日本という国の気候風土によってはぐまれてきた極めて繊細な感覚です。
この季節感を取り入れることは、ごく当たり前の日常という場と時間を、それによってひとときの非日常に変えることも必要なことでしょう。
