無量大数 - 10の68乗の世界

個人用ストレージもテラバイトオーダーに到達した昨今、世界に散らばるさまざまなジャンルのトピックを拾います。

ワーキングプア

2006-07-27 23:49:22 | 生活

http://www.nhk.or.jp/special/onair/060723.html


Nスペの『ワーキングプア~働いても働いても豊かになれない~』は反響が大きかったようだ。バブル崩壊後、労働市場の流動性指向は行き着くところまでいってしまったようである。加えて地方経済の疲弊。日本の中産階級の底抜け状態はもはやとどめようもなく、「意欲はあっても這い上がれない」貧困層の拡大は静かに着実に進行しているようである。


賛否それぞれ代表的な反応はこちら。

http://blog.zaq.ne.jp/spisin/article/73/
http://fromdusktildawn.g.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20060724/1153746266


後者にちょっと反論すると、世の中そんなに頭がよくて環境に敏感、いわゆる「世渡り上手な人」ばかりではないということだ。愚直な人間であっても(あればこそ)、せめて子どもに高等教育を受けさせられる収入が得られない社会というのはおかしい。頭が悪くて世渡りベタの人間は年収200万でがまんせよ、という決め付けなのだろう。


さらに付け加えるなら、環境が「激変」したときに対応できるか、ということである。どんな状況にも柔軟かつ的確に対応できる、という自信のある人はこの日本に何人いるか、ということだ。世界にはいっぱい発展途上国もあるんだ、下をみろ、と言っていたらきりがないし。だいたいGDP世界2位の国である。富の分配が偏在化しすぎているのは明白なのだが。


山谷や釜が崎には用事がないので最近行っていないが、先日たまたま通りがかった横浜・寿町は、ワーキングプアがたどり着く先であろう、最後の土地、まさに「棄民」の街であった。病気になっても医者にすらかかれない実態。前者もおそらく同様の状況であろうことは敷衍される。最後は生きる気力すらなくなってしまう、まさに魂を抜かれた生ける屍と化し、しばらくのち死んでいくのである。



貧困層の拡大を止めないとどうなるか? それはおそらく社会の不安定化である。結局、しっぺ返しを受けるのは自分たち、ということになる可能性が大きい。そのことにまで想像力をめぐらせないといけないと思うのだが、みなさんはどうお考えになるだろうか。




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