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重要法案が置き去り

2005-07-07 18:25:32 | 政治・行政
盗聴法を上回る希代の悪法共謀罪が審議入りしたが、大事な法案が後回しになっているのはなんとも...



毎日新聞 2005年7月6日付記事より引用

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郵政法案:衆院通過 重要法案が置き去り、課題山積
 衆院を5日にきわどくした郵政民営化法案に注目が集まる国会だが、あおりを受けて提出・審議されない法案や、置き去りにされた課題が山積している。国会議員の議員年金に、シベリア抑留者の補償、パート労働者の権利……。「郵政だけじゃない」「忘れては困る」。そんな批判や切実な声が永田町内外で広がった。【青島顕】

 ◇国会運営、強まる批判

 ★議員年金

 税金で7割を補てんし、厚生、国民年金より優遇されていると批判された国会議員互助年金(議員年金)。1年以上がたつが、改革法案は今国会にも提出されず、先送りが決まった。国民には負担が増える年金改革を押しつけながら、議員たちは先月、「衆院議会制度協議会」で「年内に結論を」と申し合わせた。

 国民年金が40年納付して年額80万円に満たないのに議員年金は在職10年で412万円。小泉純一郎首相が昨年4月「廃止」と言い出し、衆参両院議長の諮問機関が今年1月、給付を3割減らす改革案を答申した。各党も改革案を作ったが調整は難航している。

 政治アナリスト、伊藤惇夫さんは「郵政は財政再建や年金・医療改革に比べ優先順位が低い課題だ。議員年金は早急に抜本的な見直しが必要だが、永田町全体が腰が引けている。当事者に任せていては100年たっても抜本的な見直しはできない」と批判する。

 ★シベリア抑留者

 第二次大戦後、旧ソ連のシベリアなどに抑留された人でつくる「全国抑留者補償協議会」が求める補償について、民主党が中心になった補償法案は今後提出される予定になっている。だが、提出先は郵政特別委の委員が多数所属する衆院総務委員会で、他にまだ審議されていない法案が山積み。補償でなく10万円の旅行券を支給する与党案も7月上旬にも提出される予定だったが、郵政国会のあおりでずれこんでいる。この結果、両案とも今国会での審議が危ぶまれている。全抑協の平塚光雄事務局長(78)は「郵政だけでなく、戦後補償問題もちゃんと討議してほしい。我々は60年間見放されている。政府は我々がいなくなるのを待っているのか」と話す。

 ★パート労働者

 雇用形態を問わない労働組合「全国コミュニティ・ユニオン連合会」はパートや非常勤労働者の権利拡充を求めるが、提出されているパート労働法案が審議される見通しが立たない。鴨桃代・会長(57)は「パートなどは正社員との賃金格差が開いているほか、すぐ解雇される恐れも強く、法案に期待している。なぜ今、郵政民営化をやらなければならないか分からない」。

 ★難病患者

 郵政民営化法案の可決から2時間余りたった5日夕、難病患者らでつくる「日本難病・疾病団体協議会」(31万人)の伊藤建雄代表(60)が札幌市から上京し、衆院第2議員会館を訪れ、「国会は郵政のことばかりで福祉が置き去りにされている」と訴えた。

 難病患者は障害者とは区別され制度の谷間に取り残されている。協議会は治療研究の推進や、患者の医療費の公的負担を求めて、請願や陳情を繰り返している。自民党に続きこの日、民主党が「難病対策議連」を設立したが、道は険しい。伊藤さん自身も筋無力症に苦しみ続けている。「難病対策は忘れられ、政治に優しさがない風潮が広がっている」と話す。


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