無量大数 - 10の68乗の世界

個人用ストレージもテラバイトオーダーに到達した昨今、世界に散らばるさまざまなジャンルのトピックを拾います。

N700試乗記のURI

2006-07-16 23:50:43 | 交通問題
ホビダスにN700の試乗記があったのでURI貼り付け。

http://www.hobidas.com/blog/rail/natori/archives/2006/06/700.html
http://www.hobidas.com/blog/special05/archives/2006/06/2007n700.html


それにしても昼間の取材はうらやましいものだな。いまはもう昔語りになるが、東海道が最高速度220km/hの時代に取材した1992年の高速度試験は、日中の営業運転に支障が出ないよう深夜帯に行われていた。よって景色もクソもない、ってわけ。320km/h超の世界は関係者やプレス以外体験できなかったが、もっとも印象的なのは夜間とはいえ車窓に映る街路灯のはんぱない「飛び方」であった。


普段は30分近くかけて延々と田園地帯を走る大津-米原間だが、23:50米原発車後グングン加速しあっという間にメーターは290km/h...こまかく、すざまじいまでの上下振動(そもそも開発当初はまったく予定されていない高速度試験で、振動対策など何もないデータ取りだけの目的であったのだから当然か)に驚く。それが300km/hを過ぎると今度は一転。ふわふわとしたクッションの上に乗っているかのような上下動に変化する。


320km/hを過ぎ、さらにジリジリと加速。この高速度試験が実用化に結びつけば、新幹線システムの将来を完全に変えることになる、という別の観点が脳裏にぱっと浮かんだ。たとえリニアの実用化が失敗しても、中央新幹線で東阪間が1時間半強という、新幹線登場前夜のような圧倒的時間短縮...それから10年もしないうちに国内高速度記録が443km/hに到達するとはさすがに想像できなかったが。


それでも米原発車後わずか10数分で試験列車が京都駅のホームに滑り込んだときは、まさに時代の変わり目を目撃したという感慨でいっぱいだった。


あの記事執筆からわずか15年弱。J0編成としてデビューし、このとき試験に供された量産先行9000番台もいよいよ風前の灯だ。時の流れが加速する昨今、やむをえないとはいえ「諸行無常の響きあり」である。