無量大数 - 10の68乗の世界

個人用ストレージもテラバイトオーダーに到達した昨今、世界に散らばるさまざまなジャンルのトピックを拾います。

JR東海には南びわ湖(仮称)新駅を作る価値はない

2006-07-10 15:53:10 | 交通問題

鉄路的のエントリより
http://btrainj.cocolog-nifty.com/hasirundesu/2006/07/post_7a4a.html

先日アップした弊ブログのエントリ
http://blog.goo.ne.jp/crofts/e/a758a7c025acb09bc619b5a31279e730

公式サイトQ&Aページより
http://www.pref.shiga.jp/c/shinkansen/03.html#q3
「特に、米原~京都駅間のような駅間距離が長い区間では、「のぞみ」増発のためには待避駅が望まれ、これをJRへのセールスポイントとして駅の誘致活動をしていた時期もありました。
 しかし、現在は状況が全く違います。
 東海道新幹線では0系や100系といった最高速度が遅い車両は姿を消し、全ての車両の最高速度が270km/hとなりましたので、待避駅は必要なくなりました。



東海道・山陽新幹線車両の最終進化形(というにはデザインがダサすぎるが(笑))として登場したN700ですが、東海道区間での最高速度向上はありません。なされるのはR2500という低規格の曲線区間で受けている低位の255信号という速度制限を、車体傾斜システムで270km/hで通過できることにあります。これによりダイヤによっては東阪間で2時間半を下回る列車の設定も可能になります。


山陽区間では確かに現在500系車両のみが最高300km/h運転を行っていますので、これと遜色ない性能で山陽直通系統に充当させることはそれはそれで意味があるでしょう。最終的にはのぞみ系統にすべて充当される計画です。


つまり、記事中の、

>少なくとも京阪神へ向かうのぞみが手前で先行列車に頭を抑えられる状況は解消したいはずです。特にN700系のスピードアップ効果を活かす意味はありますので。

はありえない、というです。米原-京都間は300X試験車両によって443km/hという国内最高(世界第2位)の速度記録を樹立した区間ですが、東海の運行・営業担当者は全区間、あるいはこの区間のみの速度向上は考えていません。


300/700という従来の車両系列との互換性を重視し、また信号システムへの高位信号段の追加等(あるいはトランスポンダの搭載)改修もありますし、総合的に判断してメリットはほとんどない、ということなのでしょう。冬期の積雪遅延に伴うダイヤの乱れを増幅するなどデメリットもあります。


あと、同じく記事中の、

>東海道新幹線で多い盛土区間ですが、高架橋へ改築されるとすれば、料金上乗せ分を積み立てて行う東海道新幹線の設備更新工事の先取り的な要素もあるわけですが

も誤りでしょう。


開通以来40数年を経過した東海道の設備更新ですが、主に金属疲労に伴うクラックが多発している鋼鉄製橋梁の架けかえであって、盛り土区間をコンクリート製高架橋に全面転換する計画はありません。明治以来鉄道では盛り土を多用していますが、何らかの経年劣化によって全面改築を余儀なくされた例というのは寡聞にして知りませんし。いまも現役バリバリという場所がほとんどのはずです。


開業当初のような不安定さはすでに過去の話。豪雨時などに対応する法面改修もすでにほぼ終了しており、これから先大規模な工事が発生することはないでしょう。