たくさんの川が村を流れ、滝になって注ぐラシュトケ村。
ザグレブからプリトヴィツェへ向かう途中の街道沿いにある小さな村です。
スルンニッツァ川が、この村に入る手前でたくさんの支流に分かれ、いくつもの川が村を通り抜け、コラナ川に注いでいます。
コラナ川への注ぎ口に段差があるため、ここで川は滝になり、たくさんの滝が村の下に連なるように出現します。ミニ・プリトヴィツェという感じの村です。
それにしても、村の民家の下を川が流れたりしているのがとてもユニーク!
民家の下を流れる川は、水車としても利用されています。
ここは昔から水車を使った製粉業がさかんでした。
近くの山村に住む人々は、自分たちが育てた小麦をこの村に持ち込み、村人に少しのお金を支払って製粉していました。村にはいくつも水車があり、挽き立ての小麦粉で美味しいパンを作っていたそうです。
その後製粉業はすたれていきましたが、村には今も水車小屋が残り、いくつかの民家では、訪れる観光客にこれらの水車小屋を公開しています。
私達のイメージする丸く大きな水車だけでなく、この村では、タービン式の水車も使われています。タービン水車の小屋は、外からは水車小屋のようには見えません。けれど小屋の下には水が流れていて、床下を覗かせてもらうと、水を受けて回るタービンと、小屋の中の石臼が連動し、小麦が製粉される様子がよくわかります。
床を開けると下に川が流れていました。
この下で石臼を動かすタービンが回っているのですが、撮影できませんでした(ごめんなさい)
村でタービンの仕組みを描いた看板を見つけましたので、はっつけておりますね♪
以前来たときには、こんな素朴なパンをごちそうしてもらいました。もちろん小麦はこの製粉機で挽いたもの。口に含むとパンの風味に包まれるような、懐かしいおばあさんの味。
ラシュトケ村は、数年前まで、自由に訪れることができましたが、観光客が増えすぎたため、村に入るためにグループから入場料をとるようになりました。平和な村の日常生活と、美しい景色を多くの人に見てもらうことは、はたして両立しないものなのでしょうか。
変わりつつあるクロアチアがこんな小さな村にもありました。