健康塾通信

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脱毛のこと

2007年07月04日 19時21分08秒 | Weblog
先週横浜で開催された乳癌学会に行ってまいりました。
数多くのセミナーや演題の中から、ほんの一部しか拝聴することができませんでしたが、術前化学療法に関する研究や化学療法の副作用も含めて患者様と向き合いながら、チーム医療に取り組んでいる研究発表に興味を持ちました。

化学療法の副作用による脱毛は女性にとって精神的ダメージも強いものです。

チーム医療とは、乳腺医師、心療内科医師、看護士、薬剤師、管理栄養士
また医療機関によっては美容師、メイクアップアーチストなども加えてのサポートチームを組んで、医療者と患者様がコミュニケーションをとりながら、患者様の精神的不安を軽くして治療を継続していく上でのQOLを向上するという目的で取り組まれています。

最近ブログで髪の毛のことを続けてテーマにしていたこともあり、今回は化学療法による脱毛のことや、化学療法中の頭皮と髪のケアーなど参考までにお話したいと思います。
 
<抗がん剤>
がんの治癒や症状を緩和することを目的にがん細胞の増殖を抑え死滅させる薬剤で静脈注射による投与と飲み薬があります。

抗がん剤はがん細胞だけを死滅させるのではなく、分裂が早い細胞を死滅するよう作られています。

前回、「髪が伸びるのは毛根部分の毛母細胞が細胞分裂を繰り返して、角質化した細胞を押し上げるから・・」とお伝えいたしましたが、この毛母細胞は分裂が早いのでダメージを受けて、脱毛の症状が出やすくなります。

脱毛は多くの場合抗がん剤を投与して2~3週間後から始まり治療終了後3~6ヶ月頃から生え始めると言われています。

しかし、個人差や抗がん剤のレベルの違いがありますので、すべての人に起こるわけでもなく、脱毛の症状もだんだん薄くなっていく場合や完全に抜け落ちる場合があったり、すべての治療が終了してから生えてくる場合と治療中生え始める場合も有ります。

また、髪の毛のみではなく、全身の脱毛の可能性も有ります。
私の患者様の場合、再び生えてきた髪は今までと髪質が変わったという方が多くいらっしゃいます。

<化療中のケアー>
シャンプー剤は低刺激のものを選んでください。
ドライヤーの熱は低温か送風で使いましょう。
パーマやヘアカラーはやめます。
髪は短めにカットしておくと脱毛が起きたとき対処しやすくなります。
刺激の強い育毛剤や整髪剤は使わないようにするか、専門家に相談します。
やわらかいヘアブラシを使いましょう。
脱毛が起きたときは紫外線から頭皮を守る為に、帽子やスカーで保護しましょ  う。

すべての髪を失った場合、ヘアーピースと言う選択もあります。
もし、その方法をとる場合は多くの髪を失う前に入手されることで、
自分に合ったものを準備することができると思います。

実は私の体験ですが、3年ほど前ストレスから円形脱毛を発症いたしました。
はじめは、2センチくらいの大きさが順に大きくなり最終的には6センチまで広がりました。
この円形ができる1ヶ月前に実は片方のまつげがすべて抜け落ちました。
女性としてはまつげと言えども顔の事、私にとっては事件でした。
眼科医なのか、皮膚科に行けばよいのか・・このまつげ事件はその時の私には何が原因かわかりませんでした。
ある日突然、鏡の中で左右の目の違いを発見しました。まつげが少ないだけでも目の雰囲気はちがうものです。
はじめに気がついたときはすでに片方がすだれ状態のまつげでした。
そして、ちょっと触れただけでもハラハラと落ちるのでした。毎日どんどん抜け落ちて最後の1本は軽く引っ張っただけで簡単に抜けてしまいました。
何かの化粧品のせいなのか?いろいろ思い巡らしましたが、結論が出たのはそれから1ヵ月後の円形脱毛発見の日です。

この円形出現ですべての原因はストレスだとわかりました。ストレスって本当に怖いですね。そして、一番ストレスのかかっているときは現れず、すべてが決着しやれやれと思ったとき現れることも知りました。実はまつげ事件のさらに1ヶ月前、スポーツ合宿中の次男が熱中症にかかり大変な状態に陥っていました。

円形脱毛が徐々に大きくなる恐怖は今でも忘れられない経験です。でもこの経験は私が今かかわらせていただいている患者様の心の痛みを分かち合える為に必要な経験だったと思っています。
わずかな脱毛であっても、心の動揺、カバーしたいと思う気持ち・・いったいいつになったら生えてくるのか?などなど心配は尽きないと思います。

そして、脱毛と言う経験から私自身落ち込んだこともありましたが、周りの人に状況を話し宣言することで少し気持ちが楽になったこともありました。
また脱毛をカバーする為の部分ヘアピースやこれまで使わない飾りピンやスカーフのおしゃれもでき、その間はお灸治療などをこころみて完全復元まで約1年かかりましたが健康な髪を取り戻しました。

ところで今日の健康塾で、インド製100%へナを使いご自宅で毛染めをした方が
かぶれを起こしてしまったとおっしゃっていました。
そんなわけで、次回は毛染めのことをお伝えしたいと思います。
髪の毛シリーズはもう少し続きそうです。

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