アメリカGAYライフ American Gay Life by an expat Japanese

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再会

2006-03-30 15:48:44 | 恋愛・結婚
ジミーと再会を果たした。この水球に戻ってくるのも1ヶ月以上ぶり。まだ時差ぼけから戻らない身体では辛い。だけどあと2週間でペンシルバニア州のミラースビルで対外試合があるために、チームのみんなは真剣そのもの。僕が1ヶ月ぶりに戻ってきたなんて覚えている人がいるわけでもなく、容赦がない。ジミーは僕に話したい風なそぶりを見せているけど勇気がなくて話しかけられない感じ。僕も、コンタクトレンズをはずしてよく見えないボヤケタ視界の中でジミーの姿を認めるものの、あえて積極的に近づくわけでもなく・・・。

だけど練習に没頭するうちに、ゴールへのシュート練習のとき、ジミーと前後の立ち居地になってしまった。それでもよく見えてない僕に対して、ジミーは、「ハイ」って声をかけてくれた。僕もそれに返事を返した。

僕とジミーのぎこちない距離感を感じ取ったのか、水球に常連のチームメート数人が、いつになく僕に話しかけてきてくれた。しかも、今日、キャッチボールの練習をしたのは、キャプテンのマークだったし。今までマークとキャッチボールしたことは一度もなかったのに。ジーンも僕に手ほどきしてくれたりして。そんなにジミーと僕の距離感って傍目にはバレバレなんでしょうか?

着替えているときも、僕はずっとマークやマイケルとお話していた。そして、着替え終わって、ジミーが手持ち無沙汰な様子で僕の前を前後する。一応、東京で買ってきた「チョコレート栗大福」のお土産を持ってきていたし、特にジミーを無視しているわけでもなかったので、僕はジミーに話しかけて一緒に体育館を出た。

その出たところで、ジミーが唐突に話し始めた。

「明日はマンションのテナント・ミーティングがあってその準備に忙しいから今晩は帰る」

「えぇッ?だって僕が出張から戻ったら話をするって言ってたじゃん。それがもうジミーの決断なわけ?」

「今日は帰らないといけない。2時間も話をしている時間はないんだ」

「そんな2時間も話すつもりなんて僕の方にもないよ。とりあえずジミーの車まで歩こう」といって僕らは歩き始めた。

「送っていこうか?」と聞いてくれるジミー。そんなことより、話すことがないっていうジミーの態度がとても冷たい。

「ジミー、話すことがないって、もうそれが決断なわけ?」

「10日間ちょっと会わなかったけど、あのことがあって、10日間、時間があいて、これでまた関係が復活できるって保証できない。あんな辛い思いするのはもう耐えられない」

この後、延々と15分くらい議論が続いた。結局、ジミーが言ったことは、

・今日から即、関係をやりなおすのは尚早
・僕が変わらないとまた同じ繰り返しになる。それは僕の方で自力で解決するべき
・だけどまだジミーは僕に惹かれる気持ちはあって、またいつか寄りを戻すことになるかもしれない
・だからとりあえずオープンな関係になる。将来のことは誰も予測できない。オープンな関係になって様子を見る
・その間に僕が別の人を見つけてしまってもそれはしょうがないこと。ただ僕に幸せになって欲しい
・ただ、互いをリスペクトするような行動を取ること

ジミーがこうした意見を言う間にも、僕の方から次のような意見を言った。

・オープンな関係っていう定義が不明。今の時点でジミーが僕と付き合えないと思うのだったら、それはこの関係は終わるということ。それだったら僕は別の人を探すと思う
・ジミーが言っていることは、単にまた傷つくのを恐れているだけに聞こえる
・それにすべて僕に問題があるという発言は自省心がないし不正確。僕が過去につきあったボーフレンドに対してこんな怒り方をしたことはなかった。僕の怒りのトリガーを引いたのはジミーであって、ジミーの方にも何らかの問題があるはず
・関係を続けるために、二人協力してセラピーとか受けるべき
・僕もまだジミーに惹かれているのは事実

なんか僕ら二人って、平行線をたどっているよねぇ・・・。ベルリンの壁の表側と裏側を延々と交差することなくたどっていっている感じ。だけど、一つ、僕の意見を聞いてジミーが訂正したことがある。それは、ジミーがアルコール依存症というのが原因で僕らの関係に問題が生じているのかもしれないということ。僕が気づかないところで、ジミーのあの性格はアルコール依存症に起因しているのかもしれない。なので、ジミーは僕に、アルコール依存症を恋人に持つ人たちのためのグループ・カウンセリングを紹介してくれた。それは『エモーション・アノニマス』と呼ばれているらしい。

このときジミーが言ったのが、「ブログを書いたり自省して自分を変えようと思ったり自己セラピーするっていうのも一つの手だけど、最後にはやっぱり人と交わらないと自分の気持ちの奥深いところを見つめることはできないよ」というもの。なんで突然ブログの話が出るのか?前々から気づいていたけど、ジミーは僕がこのブログをつけていることを知っている。確実に。理由は、以前、僕がジミーのパソコンでこのブログをつけていたことがあるから。ジミーは日本語は読めないけど、僕のブログには英語で書いているところもあるし、名前は全部英語表記だから、だいたい僕が何を(誰について)書いているかは想像がついているはず。(なので今日のブログは全部日本語表記にした!)


それで結局この晩、ジミーの車の中で交わした議論の結果は、友達関係になるということ。ジミーは、それで様子を見て、また信頼関係を取り戻せるようだったら寄りを戻してもいいと思っているみたい。だけど僕は、この晩のジミーの意思決定を先延ばしにする姿勢や、またあんな傷つく思いをしたくないっていう弱気になっているのを目の当たりにしてもどかしい思いが募るばかり。もうそれだったら友達って割り切って別の恋人見つけたほうが互いに時間と気力の節約になるというもの。僕って気短なんです・・・。ダメダメ、これを直していかないといけないんだよねぇ。でもジミーみたいに頑なな人は稀。

僕が「ジミーにも問題があるはず」と指摘して、ジミーも開き直ったのか、少し本音を言った。

「ちょうど前回、同じ体験をしていたから、そのときの気持ちと重なってショックが倍増していたかもしれない」

すかさず僕は、「あの行動は誤るよ。だけど、ジミーが言う通り、ちょっとオーバー・リアクションだったんじゃない?あれは僕がとった行動のせいだけじゃなくて、その過去の記憶も引きずっていたからショックが大きくなってたんだと思うよ」と言った。

僕が責める立場にはないけれど、1回連絡を無視したくらいで「僕と僕らの関係を見捨てた」なんて言うなんて、ちょっとドラマ・クイーン的。東京で会った元カレのロバートにこのジミーのセリフを言ったら、同じように「ちょっとドラマ・クイーンじゃない?」って言ってた。本当に好きなんだったら、冷静になって、数日後に「まだ怒ってる?」とかいう連絡が欲しい。それが出来ないなんて、僕とは合わない。(あぁ・・・こんな女王様みたいなことを書いたらものすごく高飛車な人だと思われそうだけど・・・。あ、弁解の余地なしですね。はい。だけど、ボーイフレンドは打たれ強くて懐の深い人でいて欲しい・・・。)

堂々巡りを繰り返すジミーとの議論に精神的に疲れた僕は、「じゃ、友達関係ね。わかった」と言って車を降りようとした。すると、ジミーは、「今週末、どこか行く?映画とか?」

おいおい、、、マジで僕らは友達になるんですか。手のひらを返したように友達関係に戻れるとは思えない。でも、先入観でそう思っている僕だけど、ジミーとは友達関係のほうがうまく行くのかもしれない。まだ互いに惹かれあう気持ちは残っているけど、それが良い緊張関係になるとか。惹かれあうけど友達関係になるっていうのも悪くないかも。ジミーだけが男じゃないし。

車から降りる直前、ジミーにハグをしようとしたら、ジミーが僕の唇に軽くキスをしてきた。本当に僕ら、友達になるのぉジミー?


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