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入国審査

2004-11-18 04:55:43 | Weblog
9・11のテロ以降、ますます厳しくなるばかりのアメリカ入国審査。今年から、アメリカに入国する外国人は、人差し指の指紋認証と、顔面写真を撮られるようになった。まだそれだけならいいけど、アメリカ国内を飛行機で旅行するときなんかも、空港で荷物検査を受けるとき、明らかに非白人の外国人というだけで、特別なセキュリティ・チェックを受けさせられることがある。勿論、空港職員は、「あなたはランダム・チェックで選ばれたので、あちらで手荷物検査を受けてください」なんて言うけど、外国のパスポートを持っているから引っかかったのは一目瞭然。僕はそのとき、「白人のアメリカ人の男性(当時のカレシ)」と旅行していたのだけど、同時にチェックインしたのに、彼は引っかからずに僕だけが「ランダムの」手荷物検査に引っかかった。一思いに、「あなたはアメリカ人じゃないので手荷物検査を受けてください」といわれたほうがよっぽどましなのに。

先日のNYタイムズでも、アメリカがだんだん外国人(特に有色人種)にとって魅力のない国になっていることを示す記事が掲載されていた。それによると、2003年と比べて、今年は、中国人学生によるアメリカ大学院への志願者数が45%、そしてインド人学生が28%減っているのだとか。ビザも取りにくくなったし、卒業してもそのままアメリカに残って仕事をしにくい環境になっていること、そしてアメリカそのものが、外国人を歓迎しない雰囲気になっていることが挙げられると思う。

不満はこれくらいにして、入国審査で僕が経験した面白い話を一つ。これは、去年の6月なので9・11テロ以降の話。既に入国審査は厳しくなっていた(はず)。僕はオランダ出張から戻って、アメリカで入国審査を受けた。審査官は、明らかに中国系アメリカ人のおじさん。40がらみで、英語にかなりの中国語の訛りがある。同じアジア人だから審査もラクだろうと思っていた。確かに、審査自体は通常どおりで問題なく終わったのだけど、この審査官のオヤジ、僕のパスポートを見て日本人と分ると、鉛筆と紙を取り出して、「銀座」と漢字で書き始めた。そこに行ったことがあるというのだ。話し好きのオヤジだなぁと思いながら、受け答えしていると、住所と連絡先を聞いてきた。一応、そこは空港の入国審査のブース。背後には、入国審査を待つ人の長蛇の列。だけど、一応これも厳しくなった入国審査の一環かとも思え、住所と電話番号を伝えた。すると、「今度、点心を食べにいこう。いいお店しってるから」。ちょっと驚きだったが、入国を拒否されてはたまらないという思いから、アジア人スマイルを振りまき「Oh yeah」なんて適当に返事をしておいた。

そして翌日、なんと、そのオヤジから自宅に電話がマジでかかってきた。絶句。そのときはあまりに驚いてしまって、「ごめんなさい。その日は都合がつかないからまたこんど」なんて、適当なことをいってごまかしておいたら、また翌日電話がかかってきた。これは、はっきり断らないと、ストーカーまがいのことをされたらたまらない、と思い、2回目の電話ではっきりとお断りした。

これって、職場だったらセクハラだよね?それにしても、入国審査中にアジア人男を引っ掛けようとする中国系アメリカ人オヤジ。非常識だし恥知らずもいいとこ。これって、国務省の入国管理局みたいなところにクレームつけたら、失職ものなんじゃないかと思うんだけど。

でも、それ以降も、僕は入国審査の時は、なるべく有色人種の審査官、できれば中年以上の男性を(可能であれば)選ぶようにしています。白人、女性、しかも若いというのは最悪。審査が一番厳しい印象がある。(でもやっぱりこれは僕がゲイだから?)

もう一つ面白い体験。バンクーバーの空港でアメリカ入国審査を受けたときのこと。そのときは、若くてカッコいい系の白人男性が審査官だったのだけど、そのにこりともしない審査官が僕に質問をしている最中、中年女性の審査官が突然僕達のブースにやってきて、僕の審査官に対して、「50ドル借して。今度返すから。今日、賞金額が何ミリオンもある宝くじが締め切りなの。それを買わなくちゃ」と言った。僕は、一応、入国審査の途中だったので、黙ってそのやり取りを聞いていたのだけど、このオバサン、僕に悪いと思ったのか、「彼、私の息子なのよ。邪魔してごめんなさいね」なんて謝ってくれた。これまで、プロフェッショナルに笑いもせず、まじめに僕の審査をしていたこの青年も、彼のお母さんの登場によってイメージ台無しというか、相当恥ずかしかったみたいで、その後は質問が一つもなく、僕のパスポートにボンボンとスタンプを押して入国許可を出してくれたのでした。

ま、テロ以降厳しくなっている入国審査だけど、こういう「憎めない人たち」が多くいるのもアメリカならではです。

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