上野オンライン将棋教室ブログ(横浜西口大人将棋教室)

平成31年1月から開講している横浜西口大人将棋教室のブログです。現在は上野オンライン将棋教室も併せて開講中です。

新しい視点

2016年02月27日 | 対局
棋王戦 対中川八段

横歩取り。
序盤の要所で耐え、徐々に盛り返して十分な態勢を築き上げる。
ただし形勢は微差で、二転三転の難解な終盤戦が繰り広げられた。

秒読みの中、致命的なミスを犯し、それでもなんとか頑張り、
負けた。
そう思っていたし、感想戦の結論もそうだった。

しかし、翌朝激指に解析させたら、全く違う答えが返ってきた。
致命的なミスをしたと思った局面でも、こちらが優勢と示しているのである。
そして、最終盤で全く気付かなかった一手を示してきた。

自分が選んだ手は、実は間違っていなかったのだろうか。
「間違えたと思ったこと」が間違いだったのか?
全く新しい視点を得て、もう一度頑張ろうと思った。
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横浜国大将棋サークル若葉会、指導対局会。

2016年02月16日 | 将棋関係
ふとしたつながりから、
横浜国大将棋サークル若葉会の指導対局の依頼を受けました。

関東大学将棋連盟のリーグ戦で、初参加から4期連続昇級を果たし、
昨春一旦B1級に陥落したものの、昨秋A級に再昇級をしたとのことで、
今春は2度目のA級参戦となるそうです。
また、大学に入ってから将棋を覚えた女子会員も数名いて、
強豪から初級者まで、幅広い層の部員が所属しています。

横浜国大将棋サークル若葉会のブログはこちらです

今回は、まず会員全員と指導対局。
8面指しを数回に分けて行いました。

今回の企画を行ってくれた横国大OBのIさんが、
事前に私のブログの指導対局アンケートを会員に配布してくれたので、
ある程度の情報が分かっての対局です。

内訳は駒落ち半分、平手半分くらいで、
平手では戦型の希望も多々ありました。

「ノーマル四間飛車をやりたいので、居飛車で指してほしい」
「角換わりを指したい」

という大まかな希望が多い中で、

「横歩取り、23銀型で24飛とぶつける形を指したい」

という超具体的な希望もありました。
これだけ見ても、序盤研究の熱心さが分かります。

指導対局終了後は、1時間弱の時間で序盤講座を。
事前に頂いていたテーマで、テキストを基に解説します。
相振り、相三間飛車の急戦変化やゴキゲン中飛車のおススメ作戦など、
振り飛車系統の講座でした。

場所を変えて懇親会でも、将棋に関する質問が続々と。

「棋士の脳内の将棋盤ってどうなっているのですか?」
「振り飛車穴熊ってもうダメですか?」
「プロが引き角戦法を指さないのはなぜですか?」
などなど、小考を余儀なくされる質問も(笑)

将棋が好きで、活気がある。
いい集まりだなあ、と感じました。
棋士の私としては、それだけで、とても嬉しいのです。

改めて、会員のみなさん、そして企画、運営で多大なご協力を頂いたIさん、
ありがとうございました。

※記述を若干訂正しました。大意は変わっていません。
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中盤の課題。

2016年02月08日 | 対局
王将戦 対北島七段

角換わりの最新型。
最近流行の、後手が攻め合い志向で戦う展開である。

仕掛け後の難しい変化を乗り切り、わずかな優位を得て中盤に進む。
そして、二択の場面があり、ここで間違えてしまった。
両方の順を丁寧に読んで判断する、という基本ができていなかった。
以下、捨てた手順よりはっきりと劣る展開になり、負け。

どの局面を急所と考えるか、ということについて、
改めて考えていきたいと思う。
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遠征二日目、桑名へ。

2016年02月06日 | 将棋関係
四日市と桑名は特急で一駅の距離です。

場所は桑名囲碁将棋サロン庵(いおり)。

(当日の様子をブログに書いていただいていました!)

ここはユニークなスペースで、
囲碁将棋をはじめ、オセロやその他のボードゲームも各種揃っていました。
子供同士でウノをやっていたり、
親子連れでプエルトリコをやっていたり。
また、レンタルスペースとして、絵本の展示会も行っていました。

桑名の駅前で交通の便も良く、
何か人が集まる時のハブになる場所だと感じました。
オープンしてまだ新しいそうです。

さて、会場に着いてご挨拶した時に、

「思っていたよりも穏やかな方ですね」

と、初対面であまり聞かないフレーズが。
どうやら、今回のイベントに使用した写真が、
指導対局中の鋭い視線を盤上にぶつけていたもののようで、
かなりギャップがあったようです。
そういえば、同じことを前日、「まっさん」でも言われたような…。
おかげで労せずして良い第一印象を獲得(笑)

今回は12時から15時まで指導対局です。
前日に続いてきてくださる方もいましたし、
今日が初めての方もいらっしゃいます。
指導を受ける中には小学生の兄弟もいました。
お兄さんの方は8枚落ちで互角の勝負。
弟の方は10枚落ちで苦労しながらも、
上手玉の詰む形を的確に作り、見事勝利。

帰りはお土産をたくさん頂いて帰宅。
赤福の2個入りって初めて見ました。
これ、ちょっとしたお土産に最適ですね。



以上、二日間の遠征が終了です。

改めて、
両イベントにお越しいただいた皆様、
一日目の会場を提供していただいた「まっさん」様、
二日目の会場を提供していただいた「桑名囲碁将棋サロン庵」様、
宣伝、告知にご協力いただいた皆様、
そして、両イベントを1から手作りしていただいた、
主催であるKOMAの会の皆様(瀧本様、高見澤様をはじめ、多くの方々)に、
この場を借りてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
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四日市イベント報告。

2016年02月01日 | 将棋関係
先日告知した、

「上野裕和五段指導対局会/上野裕和杯将棋大会」

の報告です。

新横浜から新幹線に乗って名古屋まで一時間半。
名古屋駅から四日市駅が約30分。
序盤完全ガイド等をかばんに詰めての小旅行です。

今回は指導対局と「最新の振り飛車講座」がメインです。

指導対局では、最近行っている「指導レベルの要望を聞く」ことを実施。

「天使モード(優しい)」
「通常モード(ふつう)」
「鬼モード(厳しい)」

の3つから選んでもらう形にしました。

詳しい問診票の記入や、棋譜印刷サービスは、
諸条件により、必ず実施できるとは限りません。

しかし、この指導レベルの設定は、ほぼどんな時でも可能ですし、
私以外でも、誰でもできることです。
そして、その効果はかなり高いと思います。
(指導する立場の皆さま、もし機会があれば試していただき、
 感想を頂けたら大変うれしいです)

指導対局に何を求めるかは、お客様によって全く違います。
とにかく勝ちたい(あるいは勝った上で学びたい)という方、
逆に全力で負かしに来てほしい、という方。
普段応援している棋士と指せるのを楽しみにしてきた方。

そうしたニーズは、
特に、イベントで初めて対局する場合は、
何もしなければ知ることができません。

そこで、上記の希望を聞くだけでも、
優しい指導を希望している方に厳しい手を指し続けることはなくなりますし、
厳しい指導を希望している方に基本の定跡通り指し続けることもなくなります。
天使モード希望の方には、時折アドバイスもつけるといいと思います。
(指導対局の達人になれば、
 あえて聞かなくても非言語情報である程度判断できるかもしれませんが、
 私には限界があるし、そもそも定跡選択の数手目までに知る必要があります)

また、こちらから一言訊くことにより、
その他の希望がある場合でも、言いやすくなるかと思います。

一般的には、女性の方は優しい指導対局を希望される場合が多く、
ほとんどの棋士はそのように指導対局を行っていると思います。
私もその方針で長らくやってきたのですが、
先日、ある女性ファンから、
「棋士のみなさんは(自分が女性なので)優しい指導対局をしてくれるけど、
 本当は厳しく指導して欲しい」
というお話を聞きました。

確かにその通りです。
全体への方針としては正しくても、
やはり、個々のニーズにお応えするのがベストです。
(同じ方であっても、
 その日の気分や目的によって、
 指導レベルの希望が変わる場合もあるでしょう)

そして、それはお客様から言ってもらうのを待つのではなく、
こちらからお聞きするべきではないか、
と最近になって思うようになりました。
(ご自分からおっしゃって頂けるケースもあります。
もちろんそれはそれでありがたいことです)

ちなみに、今回は「鬼モード」を選択する方が多く、
普段は指さない「奥の手」の定跡を発動しました。
(二枚落ちは初手△32金から強引に矢倉に組む順など)




さて、指導対局の第1部が終了後、最新の振り飛車講座を。
時間的に見て、居飛車編と振り飛車編、両方をやることは難しく、
事前に希望を聞いた結果、振り飛車編を行うことになりました。

ワードで作成したテキストを配って講座開始。
ここ30年の振り飛車対居飛車の歴史を簡単に確認した後、
「先手振り飛車の最新事情」
「後手振り飛車の最新事情」
の二つに分けて解説しました。
質疑応答の時間では、様々なご質問を頂き、盛り上がりました。

その後、再び指導対局を行い、並行して行われた将棋大会の表彰式。
そして打ち上げ→二次会のカラオケ、と盛りだくさんの展開でした。

打ち上げでは「鼻笛」という珍しい楽器の演奏もありました。
また、カラオケでは「みかんのうた」という衝撃的な歌で、
腹筋が崩壊しそうになりました。
(本当に笑いが止まらず、苦しかった…・笑)

KOMAの会の皆様、
イベントにお越し頂いた皆様、
会場を提供し頂いた「まっさん」様、
お世話になりました。ありがとうございます。

→翌日の桑名指導対局会の報告に続く
コメント (3)
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