今回の講座のテーマは、
級位者クラス 「詰みを逃れる」
有段者クラス 「終盤のゼット」
でした。
まずは級位者クラス。
終盤力をつけるために詰将棋を解き、相手玉を詰ます訓練をする方は多いと思います。
しかし、同じようでも「自玉の詰み」を読むのは難しいものです。
という訳で、自玉に王手がかかっている局面から、
正しい玉の逃げ場所を考える練習問題を順番に解いていき、
最後に私の実戦の局面の応用問題を考えて頂きました。
ただし、教室終了時にある生徒さんから、
今日の講座は難しかった、という意見がありました。
級位者クラスは1~10級位まで棋力が幅広く、
練習問題を出す際に最初は易しく、徐々に難易度を上げる方式を取っていますが、
改めて、そのバランスを考え直します。
有段者クラスでは、「ゼット(絶対に詰まない)」についての情報を整理しました。
自玉をゼットにすることで、自玉を気にせず、
相手玉を寄せる事に集中することができます。
また、実際には純粋な「ゼット」が出現することは少なく、
むしろ条件付きのゼットが出現しやすいので、そのお話もしました。
(例 斜めゼット→角や銀などの斜めに利く駒を渡さなければ詰まない)
そして、最後は練習問題2題を解いて頂きました。
さて、今回は有段者クラスである生徒さんから、
「棋譜並べ」について質問を頂きましたので、少し自分の考えを書いてみます。
(あくまで現在の上野の考え方ですのでご了承ください)
上達のための定番である「棋譜並べ」は、
何の目的で、どのようにやればよいのか、分かりづらい面があります。
(一例として、詰将棋は明らかに終盤力の向上につながる)
プロの将棋の棋譜を並べるのは、
書道に例えれば「お手本をなぞること」だと私は考えています。
序盤の駒組、
中盤の手筋、駒の活用、
そして終盤の寄せ、しのぎ。
プロの将棋には、(私も含めて)学ぶべき大切な手がたくさん指されています。
プロの棋譜をたくさん並べることで、
自然と良い手、本筋の手を知ることができますし、
自然とそうした手が思い浮かぶようになると思います。
(厳密に言えば、プロの将棋も悪手は多く指されています。
しかし、その悪手もほとんどは部分的なセオリーに則った手であり、
「現在の局面の状況、条件下では悪手になる」というケースがほとんどでしょう)
ただしプロの指し手は、見ただけではその意味が分からないものもたくさんあります。
(私自身、奨励会級位者時代でも意味が分からないことが多々ありました)
なので、将棋を理論的に考えたいタイプの方(私もそうです)には、
棋譜並べはなんというか、茫洋としているかもしれません。
(そうしたタイプの方は、定跡書を読んで定跡手順を覚えたり、
きちんとした答えのある詰将棋を解く方がしっくりくるかもしれません)
棋譜並べをする際、指し手の意味は分からなくても良いので、
ただなんとなく「この手が良い手なんだ」と思ってもらえればOKです。
好きな棋士の棋譜を並べ、なんとなく楽しい、というだけでもOKです。
上野が考える、棋譜並べのコツを3つあげます。
1、最初のうちは、できるだけ解説が多い方が良い。
そして解説を読みながら並べる。
(例 新聞の観戦記を一局分切り抜いて並べる、将棋世界の観戦記、
丁寧な解説のある実戦集、携帯中継の対局振り返り等)
2、自分が好きな戦型、好きな棋士の棋譜を並べる。
(この方が興味を持って並べることができる)
3、それほど意味を深く考えない。なんとなくこれが良い手だ、と思えればOK。
もちろん、プロやアマトップを目指すような方は、
一局の指し手の意味をとことん考えるようなスタイルの棋譜並べも良いでしょう。
次回の教室は9月1日(日)です。
級位者クラス、有段者クラスともに体験大歓迎(要予約)です。
教室の要項はこちらをご覧ください。
級位者クラス 「詰みを逃れる」
有段者クラス 「終盤のゼット」
でした。
まずは級位者クラス。
終盤力をつけるために詰将棋を解き、相手玉を詰ます訓練をする方は多いと思います。
しかし、同じようでも「自玉の詰み」を読むのは難しいものです。
という訳で、自玉に王手がかかっている局面から、
正しい玉の逃げ場所を考える練習問題を順番に解いていき、
最後に私の実戦の局面の応用問題を考えて頂きました。
ただし、教室終了時にある生徒さんから、
今日の講座は難しかった、という意見がありました。
級位者クラスは1~10級位まで棋力が幅広く、
練習問題を出す際に最初は易しく、徐々に難易度を上げる方式を取っていますが、
改めて、そのバランスを考え直します。
有段者クラスでは、「ゼット(絶対に詰まない)」についての情報を整理しました。
自玉をゼットにすることで、自玉を気にせず、
相手玉を寄せる事に集中することができます。
また、実際には純粋な「ゼット」が出現することは少なく、
むしろ条件付きのゼットが出現しやすいので、そのお話もしました。
(例 斜めゼット→角や銀などの斜めに利く駒を渡さなければ詰まない)
そして、最後は練習問題2題を解いて頂きました。
さて、今回は有段者クラスである生徒さんから、
「棋譜並べ」について質問を頂きましたので、少し自分の考えを書いてみます。
(あくまで現在の上野の考え方ですのでご了承ください)
上達のための定番である「棋譜並べ」は、
何の目的で、どのようにやればよいのか、分かりづらい面があります。
(一例として、詰将棋は明らかに終盤力の向上につながる)
プロの将棋の棋譜を並べるのは、
書道に例えれば「お手本をなぞること」だと私は考えています。
序盤の駒組、
中盤の手筋、駒の活用、
そして終盤の寄せ、しのぎ。
プロの将棋には、(私も含めて)学ぶべき大切な手がたくさん指されています。
プロの棋譜をたくさん並べることで、
自然と良い手、本筋の手を知ることができますし、
自然とそうした手が思い浮かぶようになると思います。
(厳密に言えば、プロの将棋も悪手は多く指されています。
しかし、その悪手もほとんどは部分的なセオリーに則った手であり、
「現在の局面の状況、条件下では悪手になる」というケースがほとんどでしょう)
ただしプロの指し手は、見ただけではその意味が分からないものもたくさんあります。
(私自身、奨励会級位者時代でも意味が分からないことが多々ありました)
なので、将棋を理論的に考えたいタイプの方(私もそうです)には、
棋譜並べはなんというか、茫洋としているかもしれません。
(そうしたタイプの方は、定跡書を読んで定跡手順を覚えたり、
きちんとした答えのある詰将棋を解く方がしっくりくるかもしれません)
棋譜並べをする際、指し手の意味は分からなくても良いので、
ただなんとなく「この手が良い手なんだ」と思ってもらえればOKです。
好きな棋士の棋譜を並べ、なんとなく楽しい、というだけでもOKです。
上野が考える、棋譜並べのコツを3つあげます。
1、最初のうちは、できるだけ解説が多い方が良い。
そして解説を読みながら並べる。
(例 新聞の観戦記を一局分切り抜いて並べる、将棋世界の観戦記、
丁寧な解説のある実戦集、携帯中継の対局振り返り等)
2、自分が好きな戦型、好きな棋士の棋譜を並べる。
(この方が興味を持って並べることができる)
3、それほど意味を深く考えない。なんとなくこれが良い手だ、と思えればOK。
もちろん、プロやアマトップを目指すような方は、
一局の指し手の意味をとことん考えるようなスタイルの棋譜並べも良いでしょう。
次回の教室は9月1日(日)です。
級位者クラス、有段者クラスともに体験大歓迎(要予約)です。
教室の要項はこちらをご覧ください。