広告代理店はイヌと同じだ!【表】

現役広告営業マンの日乗
~表題は某社宣伝部長の金言から(3/19参照)~

「ウェブ進化論」と出版社

2008-03-24 20:21:17 | 出版ビジネス
出版業界の不況が叫ばれて久しい。

原因が、IT革命の波をもろに被った為であるのは、間違いないと思う。

では、出版社には未来はないのか?乗り遅れたということなのか?



そうではないと思う。





思い起こせば今から10年ほど前、

そう、ネットの波が押し寄せ始めた頃・・・

出版社には、ISPやベンチャー企業が、次から次に提案にやってきた。



内容はだいたい同じ。



コミック、記事、小説は大変なコンテンツです。

デジタル化をして協業ビジネスしましょう。



的な提案。




ところが、出版社は見事なまでに動かなかった。



提案した会社は、きっと

「彼ら(出版社)は全くわかってない。遅れてる・・・」

と思ったはず。



私も当時は

「紙」の媒体は、全て「デジタル&ネット」で代替可能!置き換わっていく!

くらいにと思っていた。




今さらですが、「ウェブ進化論」を読んで思ったのは、

わかってなかったのは、自分たちだったのではないか?

ということ。



コンテンツや権利の価値は普遍。

それらを生み出すノウハウやネットワークは誰にも構築できない資産。

ビジネスは、それらをどう活用して、どう流通させ、金に換えるか、ということ。

ネットやデジタルで世の中が激変を始めたからと言って、

コンテンツホルダーが慌ててインフラ側に関与して動く必要は全くないのだ。



リアルな資産を持てる者=彼らには、後出しじゃんけんをする権利がある。

成功に到達したインフラやビジネスに乗ればよい。




要は過渡期だったのだ。



彼らは「待つ」という、一見格好悪いが一番確実な方法を選んだ。

投資は、世の中に遅れないレベルに、最小限に抑えた。

何か展開する際は、他人に依存することを極力避けた。




あれから10年、

ネット&デジタルにできること、可能性がぼんやりと見えてきた。

そして

「紙」は置き換わられるどころか、

寧ろ、ネット&デジタルに代替できない存在意義が明確になってきた。



例えばgoogleが勝ち組のように語られる今日この頃だが、勝負はまだまだわからない。

彼らは今、さかんに出版社を訪問しているが、

他人のふんどしで相撲をとるビジネスモデルが、成功の最終形であるわけでない。




まだまだ過渡期に過ぎない。




これからいよいよ、

「ネット&デジタル」と「紙」という両方の武器を持った

出版社の逆襲が始まる(と思う)。



コンテンツを持てる者が、

ネットの「あちら側」と「こちら側」の両方を見据えたとき、

どんなビジネスモデルを展開するのか?

とても楽しみだ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 団塊マーケティングで商売す... | トップ | 広告会社ほど素敵な商売はない。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

出版ビジネス」カテゴリの最新記事