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映画音楽史(315) 『嘆きの天使』 1931年公開

2014-12-21 02:46:13 | 映画音楽



『嘆きの天使』 Der Blaue Engel (独) 1930年制作
監督 ジョセフ・フォン・スタンバーグ
音楽 フリードリッヒ・ホレンダー
主演 ローラ … マレーネ・ディートリッヒ
    イマヌエル・ラート … エミール・ヤニングス
主題歌 『また恋に堕ちて』 ( Ich bin von Kopf Bis fuss auf Liebe ) 唄・マレーネ・ディートリッヒ
註・英語版では Falling In Love Again

ハインリッヒ・マン原作の大衆小説の映画化で、ドイツ・ウーファーがアメリカですでに成功していたオーストリア人のスタンバーグ
を呼び寄せて作らせた作品。当時のドイツの退廃的な社会を象徴する重厚さと無名だったディートリッヒの退廃美が注目を浴びた。
独身で厳格な中学校教師のラートは不良学生の出入りするキャバレーを検察に出かけそこで踊り子のローラに出会って心を奪われる。
ラートは今までの人生を捨ててローラと結婚し、彼女と巡業を共にして身の回りの世話をしていたものの長続きするはずがなかった。
やがて巡業団の団長はラートにピエロ役を押し付け、客寄せのために彼の教えていた学校の町でラートに道化役を強要した。絶望
したラートは浮気なローラにも見切りをつけて巡業団から飛び出し、古巣の学校の教壇で死を迎える。

退廃的な主題歌の『また恋に堕ちて』はロベルト・リープマンの作詞、フリードリッヒ・ホレンダーの作曲によるもので、ディートリッヒ
が太腿をあらわにして検察のラート教授に語りかけるように唄う場面は、世界映画史に語り継がれる強烈な名場面となりました。
ディートリッヒはこの曲の他にもジャズっぽい『気ままなローラ』を唄っていました。

Falling in love again Never wanted to
What am I to do? Can't help it
Love's always been my game Play it as I may
I was born that way Can't help it

↓はマレーネ・ディートリッヒの『また恋に堕ちて』 YOUTUBEより


ラートが巡業団を飛び出して町をさまようラストシーンは、ドイツ表現主義を彷彿とさせる芸術的シークェンスでした。




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