『シベールの日曜日』 Cybele ou les Dimanches de Ville d'Avray (仏) 1962年制作
監督 セルジュ・ブールギニョン
音楽 モーリス・ジャール
主演 ピエール … ハーデイー・クリューガー
フランソワズ(シベール) … パトリシア・ゴッジ
マドレーヌ … ニコール・クールセル
主題歌 『シベールの日曜日』 ( Cybele ou les Dimanches de Ville d'Avray ) 唄・マリー・ラフォレ
原作はベルナール・エシャスリオーの小説「ヴィル・ダヴレーの日曜日」で、ベトナム戦争により精神が不安定になったが
少年のような心を持つ男と、薄幸で大人の女性の心を持つ少女との悲しくも美しい魂のふれあいを水墨画のような
世界の中に描ききった傑作。
戦闘機パイロットのピエールはベトナム少女を誤殺したショックの直後に撃墜されて頭部を打撲し意識障害となった。
ある日、ピエールは街角で父親に引っ張られて泣いている少女フランソワズが気になりそのあとをつけると父親は彼女を
寄宿学院に送り届けた。ピエールは次の日曜日に親族を装ってフランソワズと面会して外出許可を得て二人で散歩し
お互いに好意を感じる。森の中の大木にナイフを立てて木の精の声を聞いたり、池の周りの散歩が日曜日の日課となり
二人はまるで恋人同士のようにみえた。そしてクリスマスの夜に森の小屋で二人だけの聖夜を迎え、フランソワズは
自分の本当の名前はシベールであるとピエールに教える。しかし、警官がピエールが少女を殺そうとしていると勘違いして
ピエールを射殺してしまう。
この曲が『シベールの日曜日』の主題歌であるという認識を持たれているのはごく少数の方だけだと思われます。
この曲の原曲は『宮殿の階段に』 ( Aux Marches Du Palais )で、美しい娘に恋した若者が捧げるプロポーズの歌で、
フランス西部で18世紀ごろの歌で、作詞・作曲は不詳ですが、フランス国内の広範囲にわたって知られた民謡です。
地方によって『Dedans la Cour du Roi(王の宮廷にて)』や『La Fille du Laboureux(農夫の娘)』というものがあるようです。
映画ではピエールとの森道でのお散歩デートでフランソワズがわずか十数秒小さく口ずさんでいます。
Aux marches du palais
Aux marches du palais
Y a une tant belle fille
Y a une tant belle fille.
↓はマリー・ラフォレの『シベールの日曜日』 YOUTUBEより
私も映画封切時にはこの曲が主題歌だとは全く気付かなかったのですが、その後日にNHKのラジオ番組で
「マリー・ラフォレのシベールの日曜日」としてレコードが紹介されているのを聴いて初めて認識した次第です。
また『シベールの日曜日』のDVD発売のPRフィルムにおいてもこの曲が堂々と使われていました。