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映画音楽史(211) 『夜行列車』 1963年公開

2014-08-20 00:14:01 | 映画音楽



『夜行列車』 Pociag (波) 1959年制作
監督 イエジー・カワレロヴィッチ
音楽 アンジェイ・トシャスコフスキー
主演 マルタ … ルチーナ・ウィンニッカ
    スタシェック … ズビグニェフ・チブルフスキー
    イエジー … レオン・ニムチェク
主題歌 『夜行列車』 ( Pociag ) 演奏・サウンドトラック (ヴァンダ・ヴァルスカ)

アンジェイ・ワイダと共にポーランドのカードル派指導者のカワレロヴィッチ作品で、まだ傷の癒えぬポーランドの
心のゆらぎと倦怠を、夜行列車に乗り合わせた人たちのそれぞれの人生模様に重ねて映像化した傑作。
マルタは恋人のスタシェックとの愛を清算するためにワルシャワ発バルチック海岸行の夜行列車に乗り込む。
その寝台車16号室にイエジーという医者がマルタと同室することになった。列車は出発したがマルタを諦めきれない
スタシェックも列車に乗っていて執拗にマルタに復縁を望む。途中、殺人犯が列車に紛れ込んでいたために警官が
列車内を調べに来てイエジーが疑われたが釈放さた。その殺人犯は列車から飛び降りて逃走を図るが乗客たちが
男を取り押さえて解決した。マルタを追ってきたスタシェックも途中の駅で姿を消した。朝方に列車は終着駅に到着し、
マルタは静かな海岸に向かって歩き始める。

主題歌の『夜行列車』の原曲は、1939年のアーティー・ショウの『ムーンレイ』(Moonray)で、これをポーランドジャズ界
の第一人者であるアンジェイ・トシャスコフスキーがアレンジ、物憂いスキャットはヴァンダ・ヴァルスカによるもので、
映画ではタイトルバックとタイトルエンドに流れていました。
主題歌は映画の底辺に流れる心のゆらぎと倦怠をものの見事に表現、映像と音楽が融合した傑作となりました。

↓はサウンドトラックによる『夜行列車』 YOUTUBEより


参考までに↓に原曲のアーティー・ショウ楽団の『ムーンレイ』も貼っておきます。歌唱はヘレン・フォレストです。

なぜか『イタリア式の離婚狂想曲』のスチールが…