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映画音楽史(177) 『太陽はひとりぼっち』 1962年公開

2014-07-11 01:17:38 | 映画音楽



『太陽はひとりぼっち』 L'Eclipse (伊) 1962年制作
監督 ミケランジェロ・アントニオーニ
音楽 ジョヴァンニ・フスコ
主演 ヴィットリア … モニカ・ヴィッティ
    ピエロ … アラン・ドロン
    リカルド … フランシスコ・ラバル
主題歌 『太陽はひとりぼっち』 ( L'Eclipse Twist ) 演奏・サウンドトラック (ジョヴァンニ・フスコ楽団)

人間同士の断絶感を廃墟のような都会の情景を積み重ねるショットによりその心情を見事に映像化した鬼才
アントニオーニ監督の『情事』『夜』に次ぐ愛の不毛三部作の傑作。
三年間交際していた彼と別れたヴィットリアは投資家の母親との縁で証券会社のピエロと付き合うようになる。
お互いに真剣に愛し合うが、いくら愛し合っても二人の間にはお互いに埋められない深い谷間があることを
思い知らされる。「明日も会おう、あさっても、毎日会おう…」というピエロの言葉が虚しく響く。ヴィットリアには
無人の町の風景が二人の愛を暗示しているかのように思えた。

ツイストとブルースを融合させたような主題歌の『太陽はひとりぼっち』はジョヴァンニ・フスコの作曲です。
これを和製のコレット・テンピア楽団が演奏したレコードがリリースされて爆発的な大ヒットになりました。
映画ではタイトルバックでミーナが唄っている他は音量も小さくわずかにしか聞くことができませんでした。
レコードは前述のコレット・テンピア楽団、ミーナ・マッツィーニの歌唱の他サントラ盤 (ジョヴァンニ・フスコ楽団)
ファウスト・パペッティ楽団、モーリス・ルクレール楽団などが競合しました。

Le nuvole e la luna
I spirano gli amanti
Si ma per tanti
Com o-o preso me

↓はミーナ・マッツィーニの『太陽はひとりぼっち』 YOUTUBEより



↓はジョヴァンニ・フスコ楽団の『太陽はひとりぼっち』 YOUTUBEより



現在CD化されて出回っているコレット・テンピア楽団の演奏は当時のベストテン番組を賑わしたオリジナルでは
ありません。幸いにもオリジナル盤がありましたのでUPしておきます。
↓はコレット・テンピア楽団の『太陽はひとりぼっち』オリジナル盤  YOUTUBEより