パンドラの箱を開けるとちむがいた

書くスピード早いですが、誤字脱字多し。

43冊目

2006-09-01 00:13:58 | Weblog
○43「物語 現代経済学」根井雅弘、2006、中公新書


感想:
内容が多少マニアックなので(さすが大学の先生。新書を論文のように書いています)、
経済学を勉強したことのない人だと、ほとんど内容を理解できないと思います。

根井さんの主張は、多様な経済学を認めない経済学の世界に対して警鐘を鳴らしていますが、
大学院レベルの経済学か、学部でもしっかり勉強した人でないと、
「何言ってるの?」で終わります。

確かに根井さんの「経済学は排他的」との主張は当たっています。
ぼくも経済の勉強をかじった時に、先生から(この人はミクロ経済+産業組織論専門)、
医療とか環境とかを取り上げる経済学なんて2流といわれました。
あくまで、数学的裏づけに基づいて、古典的な命題を動学化したり、
よくわからない数学を使って緻密に分析し、
理論を構築することを好しとしていました。
ただ、最近の経済学は、あまりにも数学に走りすぎて、
数学の本と同じになっており、そっちの方にも大きな懸念を抱いていました。

この本の最後の章は説得力もあり、読み応えがあります。マル経やケインズ経済が没落し、
その流れを汲んだニューケインジアンやレギュラシオン経済学は今も決して陽のあたる経済学ではなく、
細々と続いているのが現状のようです。

まあ、ぼくには関係ないといえば関係ありませんが。根井さん心配はよくわかります。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする