にこにこ堂「ちえまる本舗!」

編み編み大好きなハマのおばはん。闘病の日々ですが、明るい気持ちで頑張っています!!負けないぞ!!

すずめのお宿 その弐

2008-09-26 | 夢、不思議なお話

 

 

それは、とても暑い日のほんの数分の出来事でした。

 

この日も郵便局へ行くため、この公園へ入っていきました。

ふと見ると、少し先の道の真ん中に、何か小さくて茶色いものが落ちているではありませんか。

 

何だろう?

と、そっと近寄ってみました。

すると、とても小さな「すずめ」が地面の上に横たわっていたのです。

 

上から落ちたのだろうか。

それともカラスに襲われたのかなあ・・・・・

 

私は暫くの間、しゃがんだままじっと「すずめ」を見つめていました。

 

どうしてもこのままにして立ち去ることは出来ない。

でも、どうしたらいいのだろう・・・・・

 

まわりを見渡すと、公園の隅に小さな花壇がありました。

 まるでこの「すずめ」の事を待っていてくれたかのように。

 

私は心の底から救われたような気持ちになりました。

この美しい花壇の中に、入れてあげよう!!

 

そして、持っていたティッシュに「すずめ」をそっと乗せました。

 

あ、まだ少し暖かい・・・・

 

すずめを抱いて立ち上がったとき、てのひらの中で身体の向きが変わりました。

地面のすぐ上になっていた身体が現れました。

傷一つ無い綺麗な体でした。

そしてなんて安らかで優しいお顔なんだろう。

そう思ったとき、なぜだかとてもいとおしく感じ、このままずっと一緒にいたい衝動にかられました。

 

いかんいかん!!

自然に戻してあげなければ、この子は成仏できないんだよ。

 

花壇には、優しい色のお花がたくさん咲いていました。

心を鬼にして、ぎっしりと咲いているお花とお花の間にそっとすずめの身体を沈め、

両手を合わせました。

 

どうぞ安らかに眠ってくださいね。

本当はちゃんと土の中に埋めてあげたかったんだけど、

許してね。

 

帰り道、涙が溢れて止まりませんでした。

なぜ、こんなにも見ず知らずの「すずめ」に心惹かれたのか・・・

 

そして、またこんな形で再開できるなんて、夢にも思っていませんでした。

 

つづく。