手紙

私に対して何の興味もないようで

別れよう
もう日曜日も
来なくていいから
勝手言ってゴメンね
今までありがとう

なんて文章を書いて
あなたが読んだらきっと
本当に聞き分けよく
私の元を離れてくれるんでしょうね

そんな試すようなことをすれば
あなたがどう思うかなんて
私にとっても興味のない事柄

なんて嘘
嘘、嘘、嘘ばっか。

そんなこと言うなって
怒ってほしかった。
なんて嘘
そんなこと言わせて
悪かったって
泣けるほど愛していてほしかった。

泣けるほど愛して欲しい。
私が流した涙の分だけ
あなたも愛して欲しかった。
私の汚い嘘の本当も
全部愛して欲しかった。

愛されたいのはわがままですか
愛したいのはよくばりですか

もしわがままやよくばりだとして
蔑まれても
愛を知らない人よりずっといい

でも今日はこんな気持ちになってしまって
欲しがる言葉ばかり挙げてしまって
本当にごめんなさい

私はあなたを愛しています。

たなぼた

棚が無ければ
ぼた餅も落ちてこねえぞ

誕生

手を振っていた
にぎやかな街で
僕達は

隣では
彼女達がハイヒールで
地球を廻していた

なんて驚くべき事だと思う
トゥー・ビー・コンティニュード
その通りで
出来上がる事も無く
廃退する事も無く
繋がりが
誕生し続けていた

優しい進化

もういっそ、その後に続く言葉を
飲み込んだ
そうやって、続けた形は
いまや空を切って
広がり続ける宇宙の向こう

何も無いところから
僕達は生まれた、なんて
そんなわけないよね
その後を続ける為に
何もかもを無くしてしまえるわけ
ないよね

守りたいものがある限り
宇宙はずっとずっと限りない
泣きたい時は広がる宇宙を飲み込んで
その向こうへ行ってみればいいんだ

都合のいい

都合のいい女だと思っていたら
めんどくさい女だと言われた

悲しいようで
嬉しいようで。

失格な骨格

健全に生きてもなお、
骨抜きにされる場面がある。
あなた第一、
健康第二。

おと

くらやみに逃げたくなるのは
おとのせい
おとに委ねたくなるのは
くらやみのせい

おとはきらい
そう、でも、ちがう
すき、でも、ちがう

一日中

今日が全て
全てになるように
今という時間で
一日を創りあげる

明日が来る
それを待つ
いらっしゃい
明日という一日を迎える

こっちから向かっていけば
あっちからも来る
一騎打ちで
剣と剣の先と先のあいだが
今です

この戦闘が
後に名を残す戦いになるかもしれない
過去対未来の中で
一日中
誰かの事を想った
一日中そうやって
私を創っていた

はすとにわとり(金子みすず作品)

どろのなかから
はすがさく。

それをするのは
はすじゃない。

たまごのなかから
とりが出る。

それをするのは
とりじゃない。

それにわたしは
気がついた。

それもわたしの
せいじゃない。

(金子みすず)

童謡詩人金子みすゞ

寂しくて

寂しくて
愛されていた日々を思い出す
今愛されている事にも気付かず
昔信じれなかった事も思い出せず
感情に任せて寂しいと言った
任せられなかった人達に寂しいと嘆いた

それが寂しい事だと気付きますように