歌をうたえばよかったのかもしれない
何を言えばいいのかわからないときは
無言を貫くよりも
飲みすぎてわけがわからない世界に立っていた
よろけて誰かに寄りかかって
抱きしめられて埋もれて
もっと奥にもっと奥に
一番奥でその誰かを壊して
私を再生させてやる
二回目の逢瀬で人は判る
三回目の貸借で人は変わる
最後の喧嘩で人は何も変わらない
液晶が薄っぺらくなっていって
どんぶり
変化球
全てを詰め込みすぎた頭の中は
膨らんで
目が肥えて
嘘と虚像と体裁で象った私の顔は
厚く厚かましくやかましく
そうかいそうかい
そういうもんかい
差別と区別の違いって
良いか悪いかの境って
歌をうたえばよかったのかもしれない
何も言えなくなったときは
涙を流すよりも