ある夏のこと 2010-08-15 23:20:24 | あ行 (自作の詩) ある夏のこと アイスキャンデーが溶けて 小さい不幸を落としたと思ったけど 蟻は大きな幸福が落ちてきたと思ったに違いない そんな単純な仕組みも解けたら 今度は、蟻の列がどこまで続いているのかを 見届けたいと思った いや、蟻は決して幸福なんてこと 知らないに違いない アイスの棒に当りの文字があればいいなと 願いながら
穴ガール 2010-08-15 22:58:23 | あ行 (自作の詩) 穴がある ワンダーランドに通じる穴へ落ちてみよう 落ちて縮んで凹んで見上げて 大きくなったらどうにもこうにもならなくて 戦ってみようとも思ったけど 逃げながら生きた そういう事もあったろう 思い描く夢の枠を飛び越える 明日のアリス
ぴしゃり 2010-08-15 22:43:40 | は行 (自作の詩) 静まれ太陽 静まれ 冷静な眼差しで 突き刺して ぴしゃり、と 交わさずに 「あつい」、と 投げつけて 子供を叱るみたいに ぴしゃり、と 誰もがふまんを投げつけて 交わさずに 「だめ」、と 閉めて おしまい
感覚 2010-08-15 22:37:33 | か行 (自作の詩) 窓の外を見る 等間隔に並んで立つ同じ顔の人間の並木に 緑色の空 雲にのる いつでもあなたは半分しかくれなかった 不愉快な概要 快感の向こう側だ ここでやられてしまう奴なんかは 到底行けない場所だ 紐解いて合作 酷い話もあったもんだね なるべくなら ならないべきだね