クシロ

立て
赤い夕陽の桟橋に

君よ、立て
干からびた目の矛先に

奮いたてろ
流れ行くものだけが
美しくはないはずだ

吹き上げろ
何かに逆らう事だって
美しいはずなんだ

言葉たらずな言い訳を
感覚なんかで押し切るな

どうしようもない事を
経験なんかで済ませるな

君は、いつまでもいつまでも、
取り残されて
不可解な宇宙に挑むのだ

立て
避けた大地の湿原に

君よ、立て
撒いた種(しゅ)の根の礎に

学びの力は果てたが
概念は夢幻になれ
犠牲にしたのは限りある命
その命、無限になれ

わずかばかりの希望なら
捨てて行け
絶望から生み育て

立ち、叫べ!!
　　　
君が殺した大きな声
君が助けた小さな虫
君が殺した大きな声
君が助けた小さな虫