湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

手を見る

2022-12-17 17:25:00 | コラム
寒くなってくると
私だって、女の端くれですもの、田舎暮らしとて、手荒れが気になってくる。

我が手をじーっと見てみる。

はたらけど はたらけど猶(なお) わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る」。

昔々、石川啄木さんが綴った言葉

労働者階級の悲哀の有名な一文。

啄木さん自身、幸薄い方だったにせよ、
じつは、自由奔放、好き勝手、女癖も良くなかったらしい(笑)
好き勝手に生きることは、
好き勝手に生きさせてくれる物や人がいなきゃいけないんじゃないかーなんて思ったり。


夫にかなり好き勝手に生きられてしまった、
私の亡くなった母が
自分のシワがれた手をさすり、
『働けどー、働けどー』と、
よく笑いながら言ってたっけー。

まだ、50代、60代、
亡くなる前の母の手も
私は覚えてる。
その手は美しかった。


私は、介護に入る前の7年間
コンビニにいた。

色んな人の手を見てきた。

ペンキまみれの手
油が爪に染みついたような手
どの手も綺麗だったよ。
懸命な姿が伝わってくる。
そう言う人は、お金を投げてよこしたりしないし、お弁当を大事に持っていってくれる。

手が美しすぎる人や
マニキュアが、ハゲている人は、
総じて、お金を投げたり、
温めたお弁当を雑に扱う。

不思議なもので
手はその人を物語っていく。


私は、指輪はあまり好きではないがブレスレットの方が好き

ある日の娘との会話で
私がネット遊びでブレスレットのサイトを見てるよーと話したら
『そのサイトを教えてよ』と。


数日後、VIPマークの荷物が届いた。
私がサイトで見ていたお店のブレスレットが入っていた。

娘から
『年を重ねたからこそ、手に光り物は良いと思うよ。クリスマスと、誕生日を合わせて贈ったからね』と言った。

もうし訳なくて、有り難くて
『クリスマスと誕生日と、母の日もいれて、
来年の分を一括にもらっておくゎ〜』と返しておいた。


むかし、、、
娘は、思春期にとても手がかかった
私は、何度も泣かされて、
本人が1番苦しかったとは思うけれど
否定と嫌悪を繰り返しながら
娘の手首に当てられた刃物を何度も
ちからづくで取り上げたことがあった。

この娘を愛していけるかー
いや、愛さなきゃー

私がやめれば
娘が娘でなくなると思った日から20年

娘も、年を重ねたんだね。

プラチナの一連の一粒ダイヤ

『大事にするからね。』

話の流れで、『来年分一括』とは言ったけれど
もう、私の残りの人生分、全部でいいよ。



そして、手を眺めてみる。

なぜか20年前に自分で買った2連のブレスレットがあって、
ジルコニアだから
ダイヤ一粒に負けるけど
3連にしてみたら
気分上々
あの時があって、今日がある。

そんな思いです。





コメント (8)
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