じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

『蓮は、泥の中から咲く花だ』

2005-05-07 23:51:43 | あの一言。
なるしまゆり『不死者あぎと』の中の言葉。

不死者あぎと 2 (2)

集英社

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初めてこの言葉を目にしたとき、
「ちくしょう先に書かれちまったぜ!」
と、悔しいような嬉しいような
妙な気分になったものだ。

自分がどうしようもなく追い詰められたと感じたとき、
私が昔からイメージするのは、決まって
泥の中で咲く、白い蓮の花。

蓮の花のように生きたい自分を、確認するのだ。

本当にいつでも、泥にまみれ、もがいている。
目を背けようのない現実の中で。

でも、生き抜くと決めたのだ。
なんでもありの泥の中から養分を吸いとって、
珠のような花を産み落としたいと
願い続けながら。

泥に溺れて、腐ってたまるか。
泥に磨かれて、光を生んでやる。

そして、もしも叶うなら

泥の中で蓮根をこっそり太らせて、
後に繋がってゆく命たちに捧げ、
天に還りたい。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
venus_transitさまへ (介護人たま)
2005-07-21 13:52:38
ようこそお運びくださいました。

つたない、余裕のない記事で、お恥ずかしいのですが、嬉しうございます。



私は、「グラウンディング」という言葉の意味を知らないのですが、「自分の居場所を認識する」という意味合いでよろしいのでしょうか?



ピアソラもお好きとのこと、なんか嬉しいです。

私もまだ、これから過去ログ拝見するところですので…



こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします^^
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こんにちは (venus_transit)
2005-07-21 07:54:28
私なんか、甘っちょろくてお恥ずかしいんですけれど

「グラウンディング」ということで書いていた記事に

こちらをトラバさせていただきました



久し振りにピアソラを聞きたくなりました

またゆっくり、たまさんのブログ拝見させていただきます



どうぞ、よろしくお願いします^^
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たもとさまへ (介護人たま)
2005-05-16 06:33:27
いつも丁寧にお目を通していただいて、

本当にありがとうございます。



多分この言葉、格言から引っ張ってきて漫画の台詞に使われているんじゃないかと思うのですが(なるしまゆりは、そういうの上手いんですよ)、正確な出典はわかりません…



野の花のようにナチュラルに生きることが出来れば素敵だな…。素直にそう思います。
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Unknown (たもと)
2005-05-14 08:06:45
ふーん、こういう言葉があるんですね。なるほど、蓮は泥の中から咲く花ですね。



私の好きな言葉は「野の花のように(生きる)」だけど、それよりも数段重みがあります。



素敵な言葉を紹介してくださってありがとう。

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デンドロ999さまへ (介護人たま)
2005-05-10 02:31:12
わざわざ訪ねてきてくださって、とても嬉しいです。ありがとうございます。



介護入門は、本当にリアルに介護者の心を描いている小説だと思います。

そして、介護というのは大変だげどとても素敵な作業なんだということも描いてあって、そこが本当に心に沁みて、共感できて…。



でも身内(私より本来、介護に密接に関係すべき親戚)に見せたとき、「文体が読みにくいからいらないわ」とか「本当なのかしらね」といった反応が多くて、寂しく感じていたので、デンドロさんの書評嬉しかったです。ありがとうございます。



どうぞこれからもよろしくお願いします。

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TB頂きありがとうございます。 (デンドロ999)
2005-05-08 22:12:06
はじめまして、たま様。

あのような半端な読書感想にTB頂き恐縮です。



私はもう両祖父母が他界してしまい、祖父母達に何もしなかった人間なんです。それでも「介護入門」を読んで、私が見ようとしなかった部分をまざまざと見せられ、そして目を開かせてくれた本でした。



たま様の介護記録読ませていただきました。

とても、たま様の御祖父母様に対する溢れんばかりの愛情に、読みながら涙が出ました。



こんな言葉を私が言っては失礼かもしれませんが、頑張ってください。そして、たまさんのお体も大事にしてください。

TBありがとうございました。
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みかんさんへ (介護人たま)
2005-05-08 09:32:16
うわーん(泣)ごめんなさい。

ご訪問ありがとうございます。

ホンマにホンマにあの、何と言ったらいいか…

あちらに先にコメント返ししておきましたんで、ぜひお目通しくださいませ。



ところで『介護入門』にもありましたが、

介護者にとって、信頼できる固有名詞(=ヘルパーさん)の訪問日は、本当に本当に待ち遠しい安息日なんです。指折り数えちゃう。



みかんさんはきっと、そんなヘルパーさんです(介護関連の記事を読んで、そう思いました)。



これからも時々遊びに行きます。どうぞよろしくお願いいたします。
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介護って? (みかん)
2005-05-08 07:00:59
コメントありがとうございました。

「介護入門」についてはHPの方のBOOKに勝手な事を書いています。

私は訪問介護のホームヘルパーを仕事にしています。

キレイ事ではない現場です。

人はドラマみたいに簡単に死ねない。

夫がガンで他界しましたから、死ぬまで弱ってく体に寄り添いました。

死に、老いに思う事、大です。



モブ・ノリオさんの「介護入門」には、ばぁちゃんへの愛が溢れていました。私は感激したので、友人のヘルパーに薦めたんです。

すみませんね。ちょこっと引用して誤解を招いたみたい。

ご自分の心身を労わりながら、介護なさって下さいますように。しかしお二人とは…
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