じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

薄く雨、そして花びら。

2005-10-05 09:24:29 | きゅうけい
昨夜の眩暈で、ふらふらしながらごみ捨てに出てみると、
細かくて、気持ちの良い小雨。


澄んだ空気の誘われて
ふらふらとそのまま、散歩に出た。


空き地へ出ると、

薄く降り注ぐ雨の中、
コスモスたちが、ぴん!と背筋を伸ばして咲き誇っている。

鮮やかな花弁の上を転がる、雨の露。
音のない鈴のように、あとからあとから転がり落ちて。

「一輪、失敬しようかしら」

手を伸ばしたら
見た目のたおやかさとは裏腹の、丈夫な茎。


…ああ、残念。


名残惜しくてしばし立ち尽くすわたし。


そんなわたしの姿に、ほんの情けをかけてくれたのか、

隣家の軒先から顔を出した白ばらが、
はらはら はらはら と 花びらをこぼしてくれた。

手の甲に降り立った、柔らかい、良い香り。



薄く雨の降る、秋の朝。

雨のなかの、やさしいひととき。


《追記》
 ◆うさこ日記「ごあんないですよ」 にトラックバックしました。
  初めて、お絵かきに成功しました。
  うさこさんが、教えてくださったおかげです。
  うさこさん、本当にありがとう。
 

不意打ち画像(お笑いモード)。

2005-09-17 11:22:57 | きゅうけい
時折、まるで不意打ちのように、
彼氏から
「ばう@新宿(などの地名)」というタイトルで、
メールが送られてくる。


「お、仕事あがったのか?」


とわたしは、ひとこと「お疲れさん」だけでも言おうと
反射的にメールを開けてみる。


だが、時々不意打ちで「こんにちは」するのは
上のような、写真である
どうやら移動中、このキャラを見つけるたび、
メールせずにいられないらしい




そして

肝心のメッセージには、


「たま~、何でこんなところで、バイトしてるの?」
とか、

「何、公衆の面前でくつろいでいるの?」
とか。


・・・

なぁ、彼氏よ。



…マジでアンタ、シメるよ。覚悟しいや。


このキャラクター、
首都圏・仙台・関西圏にお住まいのかたにはお馴染み、
JR東日本のICカード「Suica」のマスコットキャラ。
名前は確かスウィッチー…orz


このキャラの動作ひとつひとつが、
私に似ているのだそうです

まあ、確かに


「慌てると、頭にお尻がついていかない」とか、
「希少価値があるくらいちっちゃな、つぶらなお目々」とか
「いつもごきげん、いつも能天気モード」とか


他人とは思えん。


というわけで、否定はしないけどさ。


あたしたちの間にロマンスがない理由が
よく分かった気がしたよ。


この際、自分の悪彼女ぶりは棚上げじゃぁぁぁ


追伸:
さっき電話でちょっと追及してみたら、
「さみしいばう!ばうもたまには皆に褒められたいばう!」
「たまの面影を駅で見つけたら、うれしいばう!」
と、何かばうばういっていました…。

…ちなみに「目指せシェパード!」が彼の合言葉です

先週土曜のデートで。

2005-08-08 01:24:28 | きゅうけい
介助犬ばうに付き添ってもらっての、病院の帰り道、
(一週間ちょい前のことです。旧いネタですみません…)
立ち寄ったゲームセンターで、上の写真の扇子をみつけました。

今ちょうどクールビズで、社内が暑いはずの
彼氏=介助犬ばうに
プレゼントしてあげようと思い…。

「でも絶対無理そうだよ。だって、箱をアームで掴むんだよ?」

というばうばうを尻目に、奮闘。
怖ろしいことに、1500円くらい使ってしまいましたが、
アームの使い方など色々工夫して(掴むだけが能じゃないのだ)

ついにゲット!

特に意味はないんだけど、うれしかった。

「一見無理そうに見えるものに、ちゃんと筋道立ててトライして、
 目標物をゲットするという体験」をしたことが、

うっかりするとすぐ張り詰めてしまう神経を、
自然にやわらげてくれたような気がした。

そしてそれを、ばうばうが貰ってくれたのが嬉しかった。
つまらないことだけど、うれしかった。


追伸:「リラックマを被ったプーさん」
   うっかり6つも取ってしまいました(単価100円)。
   どなたか欲しい方いらしたらメールくださいませ。
   先着4名さまということで…

「SASUKE」

2005-07-20 23:19:09 | きゅうけい
今日、デイケアから帰って来るじいたんばあたんを迎えるために、
自転車で祖父母宅に向かう途中、また、不覚にも
ちいさな事故(本当にちょっとした接触だけ)に遭いました…orz

アホや私…orz
ちょっと気分転換に、コースを変えるなんて色気、出すんじゃなかった。


ばあたんの状態を考えたら、本当は、休むわけにいかないんだけど、

「何かあったら必ず電話をかける」ことを、
じいたんとお互いに約束し(いざとなればタクシーで飛んでいけば済む)
今日のところは、休むことにした。


そう。文字通り、「きゅうけい」

少ししょげ返った気分を、
すっきり入れ替えようとテレビをつけてみたら
やっていたのは

「SASUKE 2005夏」


この番組の噂は聞いたことがあったけれど、
まともに観たことは、いままで一度もなかった。
今まで、TV自体をあまり観ない生活を送ってきたからだ。

…でも、よかった。いいもの観た。


随所に溢れている遊び心と、容赦のないセットのつくり。

ああ、やってみたいと思わせる、そんなジャングル。

そして何より、挑戦者たち
…特に、第一ステージクリアしたアスリートたちの、
何て美しいこと。

祈るように目を閉じる、横顔。
一点の曇りもない、すがすがしいまなざし。
あの、眼のきれいなこと。

「何で、こんなことをしているかわからないけれど、この山をクリアしたい」
という、情熱に満ちた表情。
辛いはずなのに、とても気持ちよさそう。


そう、SASUKEをクリアしたところで、
所詮は、自己満足に過ぎない。

でも、
「トライしたいからトライする。クリアしたいから努力を重ねる」
というごくシンプルな動機で、
あれだけのハードなものに挑戦するその姿には、
他の競技にはない何かがある気がした。


そして、彼らは独りで闘いながら、独りじゃない。
ライバルであるというのをはるかに凌駕して、
共に「クリア」を目指す仲間たちの姿。

なんだか泣けてしまった。
すごく気持ちよく泣けた。
賛否両論あるこの番組だけれど、私は素直に感動したいです、今夜は。


追伸:
何か、身体を動かすこと、始めようかな。
(「運動神経ゼロだろ」という突っ込みはナシでお願い…orz
居合と、トライアスロンと、新体操、ロッククライミング
 この四つをずっと前から、やってみたいと思っています。
 無謀な夢…(笑))

美味しい人。

2005-07-12 01:49:39 | きゅうけい
ちょっと面白いサイトを発見しました。

oyajiさんアーカイブの中の、この記事から、飛んで行った、

”賞味期限チェッカー(人間用)”

やってみましたよ、早速。

ちなみに、わたしの賞味期限は
 人気:74歳 肉体:50歳 心:80歳 女として:47歳
だそうです。



…いろんな意味で、なんか…orz


だいたい、「心の賞味期限」が80歳までって、長いん?それ…。

それ以上長生きしたら、どうなるんよ。

「憎まれっ子世にはばかる」と彼氏に言われる私の立場は。

そんな判定基準自体が、面白くもあり、また腹立たしくもあり(笑)
けどまあ、それは置いておいて。


今回の、個人的なハイライトは、




"女"としての賞味期限が「47歳」までって、どゆこと?



枯れるの早すぎ…orz



確かに、もうすでに、女らしくないという噂のある私。

天文気象部(←高校の部活)の仲間には
「アンタは"たま"っていう生き物や。性別はないで」と断言され、

じいたんには、しょっちゅう
「お前さんは、男に生まれたほうが良かったなぁ」と、言われる。

失礼な。



だが。

自分の人生を恐る恐る振り返ってみると、
やはり

恋愛なんて二の次、女らしさはゴミ箱へ、な気が。
特に精神面と生活面、かなりヤバイ


どちらかというと、自分が恋をするよりも、

人の恋愛相談をひたすら黙って聞きながら、
「他人事やからおもろいねんな」と、密かに思う方が好み。(←悪魔だ)
  ※でも、真面目にかつ神妙に拝聴しますですよ。ハイ。

「あの時私は女やったな」と思える恋は、たった1つ。
しかも、それ、完全にプラトニックでした…(汗)



やめようこれ以上考えるの…orz




でも。でも。でも。
なんか納得いかへんし。


だって、


うちのじいたんばあたんなんて、
いまだに、大恋愛のまっただ中やのに、

なんで孫のわたしが、「こんなん出ました」やねん…


彼らの遺伝子、もらっている筈やねんけど。

齢90過ぎにして「ダンディなおじいさま」と呼ばれる、
あるいは「少女のように可愛らしい、おばあさま」と言われる、
二人の遺伝子が、私には入っているはずなんですけど。


やんちゃなじいたん、お転婆なばあたん、自分そっくりやのに。

つまり、いらんとこだけ遺伝してんねんな…orz