東京大阪ラプソディー

私が生まれ育った故郷「東京」の友人たちへ、また私の「大阪」での生活を知る心優しき人たちに、徒然なるままに綴っています。

がん闘病記② 精密検査~初めての入院に向けて 

2010-08-25 14:55:44 | 日記
 いつ行っても大混雑の大阪市総合医療センターだ・・・

 4月13日、市会議員で公務多忙なのをいとわず、N先生は一日中私に付き合ってくれた。N先生と私は勝手知りたる総合医療センターの医事課の奥へずんずん進む…今までは自分の知り合いや、知り合いの知り合いを数多くここに紹介してきたが、まさか自分自身のことで医事課の課長にお世話になるとは、、、一寸先は人間分からないものだな~と応接室のソファに腰掛けながらI課長と今後の打ち合わせをした。

主治医は消化器外科部長のY医師に決定。腹腔鏡手術のエキスパートで西日本では有数の術数を誇る消化器外科のエースだ。

順番を飛ばしてくれたY医師診察の後、血液検査、採尿、心電図、腹部胸部レントゲンを行い、この日は帰宅。
その晩、N先生が「励ます会」もやってくれた。家内とM社長も合流し大いに飲んで食べて、、、私の胃にとっては今生の幸せ気分だったかも知れない(笑)。

 4月15日、午後二時から二度目の胃カメラの検査。。胃カメラは二度とごめんと思っていたが、、、相変わらずしんどいわ~五ヶ所も細胞を採取された。だから時間も長い!『検査だけで体が参ってしまいそうや~』と待合にいた高齢の患者さんが言っていたが、その気持ちがよく分かった。

どの程度の癌なのか…少しずつ判明しょうとしている。
誰もが口では「大丈夫、大丈夫!」と励ましてくれるのだが、確実に治るがんなのか、転移していないのか、聞いても誰も教えてはくれないから不安は尽きない。
帰りはクルマでA社長夫妻が迎えに来てくれた。A社長も2年前に口腔底癌の手術をここで受け、現在も治療中である。自身ががん患者なので私が胃がんになったことを人一倍、気にかけてくれる。

 4月19日、がんの範囲や腹膜伝播や肝臓、すい臓などの他の臓器への転移が無いかを調べる造影CT検査。

初めての体験で少しだけドキドキするが、服を脱いで病院の備え付けの寝巻に着替える。検査は淡々と進む。腕の静脈にヨードを点滴、、体が熱くなると言われていたが全く感じないほど。単純CTと比べると情報量の差は明白である。

 4月20日、呼吸スクリーニングという麻酔のための検査とY医師の検診で病状の所見が出ると同時に来週26日(月)に入院、28日(水)にオペと決定した。
人気者のY医師のオペまではかなり待つと覚悟していたが、N先生のプッシュのおかげでトントン拍子でラッキーだった。

 この段階の所見は、がんは胃の複数のリンパ節に転移が見られるが、影像を見る限りは肝臓やその他の臓器には転移しておらず、この時点ではステージ2ーBの進行癌というものだった。。Y医師は切ってみなければ分からないがと前置きして、胃を切る範囲も胃の機能で大切な噴門部(入口)切除や全摘はないと。。。
不思議なもので切らなければ命はない、切らなければ決して治らないと確認すると、もう切腹の覚悟もすっかりできた。気持ちも少し落ち着いたような気がした。

晩にはA社長夫妻と晩ご飯を一緒に。A社長自身の病状日誌なども見せてもらい大いに励まされた。感謝!

 4月22日、バリウム検査を実施。これも初体験だ。考えたらこれまで私自身は検査らしい検査は受けたことがなかったんやな~と、こんな病に罹った責任が自分自身の放漫な生活ぶりにあったことに気付く。
やるべきことはやっておけば良かったな…そう思ってももう後の祭りである。

肩に胃腸の動きを抑える注射。発泡性の粉を少ない水で一気に飲み込む。ゲップ厳禁。出そうになったら唾を飲み込むように。そして結構大がかりの機械の上に…上下左右の指示がたくさん出る。台自体も色々動く。年寄りには厳しいかも。帰りに下剤をもらう。水分を取れと言われペットボトルのお茶を買う。。。
九十分後、下剤の効果てきめん…これも初めての経験だ。

 すべての検査を終え、いよいよ入院まで4日。
初めてづくしの日々がこれからも続くんやな~とぼんやり考える。
覚悟は決まってもインターネットで病気のことを調べるとロクな話はないので気分は滅入るし、あれこれ考えるともう朝まで眠れない。そんな日も何日かあった。
病気になったらあまりネットは見ないに限る。。。病人の心理は負へ傾いているので良い情報には目をつぶり、悪いことばかりを探そうとするものだ。
そんな時、地元大阪の友人知人、東京の友人など率直な励ましがどれほど心強かったか、、、開き直りとは違うけど、少しずつ自分を取り戻せたような気がする。

気分を切り替えることができて、手術までに私の胃に最後の大判振る舞いをしてやろうと思った。。。次々と料理やお酒が頭をよぎる…