普通の日々

ごく普通の日々の事

聞き込みと情報提供

2006-07-19 21:20:25 | ニュース関連
秋田連続児童殺害 情報生かさず…お粗末、秋田県警 (産経新聞)
【彩香ちゃんの水死体発見から約3カ月、ようやく死の理由が母親による殺害と判明した。畠山容疑者は豪憲君殺害の動機を彩香ちゃんの死と関連づける供述をしているため、秋田県警の捜査がもっと早く彩香ちゃん水死を他殺と見抜いていれば、豪憲君事件は防げたのではないかという批判が強まっている】
【橋での目撃証言、容疑者の育児放棄…数々の重要な情報入手に遅れ、容疑者の証言に引きずられすぎて現場を読み違えた県警の初動捜査は、刑事警察の力が著しく衰えていることを感じさせる】

彩香さん水死 秋田県警の「事故」判断に落ち度は (朝日新聞) - goo ニュース
【秋田県藤里町の連続児童殺害事件で、畠山鈴香容疑者(33)が18日、長女彩香さん(9)を殺害した容疑で再逮捕された。4月の発生日からわずか2日で、彩香さんの水死を「自宅近くの河原で川に落ちた事故」と判断した秋田県警に落ち度はなかったのか】
クローズアップ2006:彩香ちゃん殺害・畠山容疑者再逮捕 初動捜査で迷走 (毎日新聞)
【秋田県藤里町の小学4年、畠山彩香ちゃん(9)の事件は、遺体発見から100日目の18日、秋田県警が母親の畠山鈴香容疑者(33)逮捕にこぎつけた。当初は事故死に傾き、2件目の米山豪憲君(7)殺害事件が起きなければ立件されなかった可能性もあるだけに、初動捜査の誤りは重大だ。捜査の背景を探った】
初動ミス認めず 刑事部長 (読売新聞) ウェブ魚拓
【「初動捜査にミスはなかったか」。18日、約40分間にわたって行われた捜査本部の会見。詰めかけた約100人の報道陣は半分以上の時間を割き、捜査のあり方を問いただしたが、岸野篤司刑事部長は「所要の初動捜査をした」との立場を崩さなかった】
【会見が打ち切られ、怒号が飛び交った。岸野刑事部長らを大勢の記者が取り囲み、「こんな説明では誰も納得しない」と詰め寄ったが、そのまま姿を消した】

 初動捜査を批判する記事や社説が新聞各紙に並んでいます。TV局のワイドショーも同じ様に批判しているみたいですね。こうして横一線の批判が始まると天邪鬼な私としては、秋田県警を一寸擁護したくなるんですよ。まあ、多分擁護と言う程の事にはならないと思うけど・・・・。
産経新聞
【一方、地元では「母親が邪魔になって娘を殺したのでは」という風評が流れた。失踪当夜、彩香ちゃんの同級生の母親が、彩香ちゃんと畠山容疑者に似た母娘を大沢橋で目撃したためだ。情報は容疑者と同世代を中心に町に広がっていた】
朝日新聞
【河原近くに住む無職の男性(84)は、河原を散歩して気に入った小石があると、後で見つけやすいように別の石の上に積み上げ、帰り際に何個か持ち帰っている。この男性は「私が積んだものじゃないか。子どもが遊んでいたのは見たことがない」と疑問に思っていたという】
毎日新聞
【彩香ちゃんの行方が分からなくなった4月9日夜、畠山容疑者が彩香ちゃんを突き落としたとされる大沢橋の上に、2人がいるのを複数の人が目撃していた。だが、この「有力情報」は捜査に生かされなかった】
【県警側にも言い分はある。大沢橋の上での目撃情報が県警にもたらされたのは、豪憲君が殺害された後のことだった。それでも「住民から目撃情報を得ることは容易だったはずで、畠山容疑者の主張にももっと耳を傾けるべきだった」という反省はある】

畠山母娘「橋にいた」 名前特定した目撃情報 (朝日新聞) - goo ニュース
【秋田県藤里町の連続児童殺害事件で逮捕された畠山鈴香容疑者(33)が長女の彩香さん(当時9)を落としたと供述している橋の近くで、犯行時刻と同じ時間帯に2人を見かけたと名前まで特定した目撃情報があったことがわかった。畠山容疑者と彩香さんの2人がそろって「車から降りていた」という情報に加え、畠山容疑者だけが「車で走り去った」という情報もあった。こうした目撃情報は4月10日に彩香さんの遺体が見つかった直後には、目撃者の同僚ら周辺に広がっていたが、県警の捜査本部が知ったのは5月になってからだったという】
 ここ数日の関連記事を読んでいると、畠山容疑者が「娘を殺したのでは」という風評や、大沢橋での目撃情報というのは、地域住民の間にはかなり広まっていた様に書かれている。となると、警察の聞き込み不十分が批判されるのは当然だろうが、何故住民達が警察に情報提供しなかったのかを疑問に感じる訳です。
 確かに風評は提供するのが難しいだろうけど、大沢橋での目撃情報にはそういう難しさはない。特に『名前まで特定した目撃情報』、しかも『2人がそろって「車から降りていた」という情報に加え、畠山容疑者だけが「車で走り去った」』というのは超有力情報ですよ?所がこの情報を捜査本部が得たのは5月に入ってからだという、多分豪憲君殺害後の聞き込みででしょう。
 朝日の記事に登場する小石を積み上げていた男性も、それを警察に伝えたかというとどうやら伝えていないらしい。地域住民の中でどんなに情報が広がっていようとも、それが警察に届いていなければ捜査には何の影響も出ない。警察の情報収集の遅れ、つまり聞き込み不足が批判されるのなら、住民からの情報提供がどうだったのかも問題視されていもいいと思うんですけどねぇ・・・・って、それはマスコミには無理か。
 まあ、秋田県警は事故との判断が早すぎたとか、他にも批判される余地が色々あるのですが・・・・情報面に関しては警察を批判するだけで良いんでしょうかねぇ・・・。


【「水死体は、自分で転落した場合でも突き落とされた場合でも、死体の所見は同じ。事故なのか事件なのかは、周辺の捜査をし尽くして判断することが重要だ」。元警視庁捜査1課長の田宮栄一さん(73)はこう解説し、秋田県警に「事故死」と判断させた二つの「先入観」を指摘した】
【誤った先入観を覆すのは、経験に裏打ちされた刑事のカンでもある。田宮さんは、彩香ちゃんが足を滑らせたとされた現場を最初に見た時、事故死に違和感を覚えたという。幹線道路から小道を数百メートルも下った地点。周囲には草木が生い茂っている。「4月の寒空の下、女児が一人でこんな所に遊びに来るだろうか」】

 上記の文章は毎日新聞からの抜粋なのですが・・・残念だけど田宮さん、その『誤った先入観』を与えるのも『刑事のカン』という奴なんだよね。時々捜査員はその『刑事のカン』で事件のストーリーを創り上げて捜査したりする。余りその『刑事のカン』というものは持ち出して欲しくないんだけどなぁ。