フィーチャーフォンは従来型携帯電話で、いわゆるガラケー全盛期の2000年代、
際だった耐水・耐衝撃性能を備えるなど、異彩を放った携帯電話があったでつ。
そりが、カシオ計算機が開発・製造した「G'zOne(ジーズワン)」。
カシオの腕時計ブランド「G-SHOCK(ジーショック)」にちなみ「G-SHOCK携帯」とも
呼ばれて、熱烈なファンがいたでつ。
だけど、カシオの通信事業から卒業したことより
そのまま歴史の1ページとして埋もれていくかに思われたでつ。
そんなG'zOneが異例の復活。
9年ぶりとなるG'zOneの新機種「G'zOne TYPE-XX」を発売。
カシオが通信事業を再開したわけでもないのに、なぜG'zOneは復活できたか。
現在もG'zOneを使い続ける熱狂的な利用者の声に加えて、カシオと京セラという2社の
異例のタッグが、奇跡の復活につながったでつ。
9年ぶりの新作となった「G'zOne TYPE-XX」は、伝説のブランドに恥じない
タフネスケータイに仕上がっているでつ。
バンパーを備えた武骨な折り畳み形状から、初代G'zOneの「C303CA」を
思い出させる円形の外部ディスプレー、高さ1.8メートルからの耐衝撃性能、
防水、防じん、低圧対応、耐氷結、耐日射、防湿、塩水噴霧に至るまで、
往年のカシオ携帯のファンをとりこにするスペックやデザインが満載。
キャンプや登山、農業、釣りなど、過酷な環境下で携帯電話を使うには
最適な性能を持つでつ。
G'zOne復活に至るまで、実に約4年の歳月を要したでつ。
山あり谷ありの奇跡のプロジェクトだったけど、G'zOne復活を仕掛けたでつ。
プロジェクト開始の一つの契機となったのが、22年3月末に予定する3Gの停止。
3G専用携帯電話は、22年3月末以降、通信できなくなってしまうでつ。
そんな3G専用端末を使う利用者の中に、かつてのG'zOneを使い続ける
ユーザーが少なからずいたでつ。
今でもG'zOneを使っている利用者の98%がフィーチャーフォンのまま使い続けているでつ。
根強いファンが多く、G'zOneを15年間利用している人もいたでつ。
タフネスケータイであるため、長く使い続けられているという理由でつなぁ~
G'zOne利用者による同一ブランド・同一メーカーを使い続けたいという希望は、
全体平均と比べて約5倍と、他ブランド・他メーカーの利用者と比べて突出して
高い数値だったでつ。
なんとかしてG'zOneの熱烈なファンの期待に応えるため、
そんな思いから17年末、G'zOneの復活に向けて動きだしたでつ。
最初の壁となったのが、G'zOneの生みの親であるカシオが通信事業から
完全に撤退していたこと。
カシオ計算機からカシオ日立モバイルコミュニケーションズ、
そしてNECカシオモバイルコミュニケーションズ、NECモバイルコミュニケーションズと
母体が変わり、最終的にはそのNECモバイルコミュニケーションズも…
18年1月にカシオを訪問し、G'zOneを復活したいという思いを伝えたでつ。
G'zOneをデザインしていたデザイナーも、カシオの中でばらばらになっていたでつ。
そこで、G'zOneを担当していた人に根気よく当たり、企画に共感するメンバーを
徐々に増やしていったでつ。
まずはデザイン面で、カシオ側の協力が得られることになったでつ。
デザイン面でG'zOne復活のめどがたったものの、それだけではプロジェクトを
実現は、むずかしい。
カシオはもはや通信機能開発のアセットを持っていなかったでつ。
そこで、通信端末としてのG'zOne開発・製造について、カシオと関係が
深く「TORQUE(トルク)」というタフネススマホのブランドを持つ京セラに打診。
当初は京セラの中で、この企画に関して賛成と反対意見の対立があったでつ。
それはその通りでつなぁ~
自社でタフネススマホのブランドを持ちながら、なぜ撤退した企業ブランドの製品まで
開発・製造しなければならないのか。
京セラの中にも戸惑いがあったことは、事実。
だけど、最終的にこのような企画を実現できるのは、京セラしかいないと
G'zOne復活の開発・製造を引き受けてくれたでつ。
京セラの懐の深さがなければ、このプロジェクトは実現できなかったでつ。
こうしてカシオデザイン、京セラ開発・製造という異例のタッグによる
プロジェクトが動きだしたでつ。
カシオの中で散り散りになっていた歴代のG'zOneデザイナーも再集結。
カシオ側からは、コンセプトデザインを量産デザインに仕上げた京セラの
実装技術に驚嘆の声が上がったでつ。
実際、18年にできあがったG'zOne TYPE-XXのコンセプトデザインは、最終的に製品化した
G'zOne TYPE-XXと外観やサイズほぼ同じ。
本当に苦労したが、熱意に共感してくれたパートナー企業の
協力でようやく企画を実現できたでつ。
スマートフォン全盛前のフィーチャーフォン時代は、国内の携帯電話メーカーにも勢いがあり、
数々の特徴的な携帯電話が生まれていたでつ。
こり、3G携帯から4Gへ切替の時、無料にしてくれるといいんだけど…
そいと携帯各社、ぜんぶで取り扱ってほしいでつ。