ブリの森づくりプロジェクト  

~森の再生からブリの来るまちへ~  小田原市無尽蔵・環境(エコ)シティ  ブリの森づくりプロジェクト 

みなとまつり「これが相模湾の定置網だ」に参加して

2012-08-11 05:55:22 | ブリ海コーナー
「みなとまつり」が8月5日(日)に開催されました。
当日、「これが相模湾の定置網だ」のイベントに参加するために8時前には小田原漁港の受付に着いたのですが既に沢山の人出です。東富水小学校の児童と保護者が団体で参加する姿も見えました。このイベントでは、定置網の網締めや水揚げの見学ができるのです。受付では、土産引換券と土産引渡場所の案内をもらい、帰港してからお土産を渡されるまで時間を要しますとの、丁寧な説明を受けました。水揚げ直後の魚をお土産にするためとのことでした。また、出港10分前の8時20分にもう一度集合してくださいとのこと。集合中に表面が「小田原の定置網漁業」、裏面が「定置網の構造」「魚が定置網に入る仕組み」が書かれたチラシが配布されました。見学の期待がますます高まってきます。

いよいよ乗船です。子供たちにはライフジャケットが渡されました。変わった船が二隻出港していきます(後で分かったのですがこれが定置網で使用する船でした)。手を振ってくれているのでこちらも手を振って返します。東富水小学校の児童を乗せた船も何隻か出港していきます。これにも手を振ります。なぜか手を振りたくなりました。結局我々が乗った船が最後に出港し、見学する米神漁場の定置網に着いたときには、沢山の船が既に場所取りした後でした。

網締めが始まりました。網締めしている人が20人程度見えます。船上の説明では、20代30代で10代の人もいるとのこと。若い人達です。定置網の大きさは400m程で運動場、登網そして箱網からなり、運動場に魚が入るように導く垣網の大きさは800mで運動場から陸に向って垣網が張ってあるのです。網締めは運動場側から網を手繰り寄せるように、続いて登網を、最後は箱網です。



網締めが終わるころには魚が跳ねているのが見えます。網締めのための船とは別の船は水揚げのための船で箱網の端に繋がっています。その船上にあるクレーンに網がぶら下がっており、この網で取れた魚をすくっては、殺菌冷海水が入った船底に入れるのだそうです。網締めが始まって1時間が経っていました。普段は夜2時から雨の日も風の日も雪の日もこの作業を行うのです。

船上での説明にはなかったのですが、相模湾は水深1000mを超え、深層は低温で酸素と栄養に富むオホーツク海の海水、表層は赤道付近生まれの暖かい黒潮、さらに山に降った降水が森の恵みを受けてあるものは川となって海に流れ込み、あるものは地下水となって海底から噴出します。相模湾の豊かさは寒流と暖流そして森からの恩恵にあることを、定置網から見える箱根外輪山を見てつくづく知ることができます。

水揚げが終わると一旦港に帰り、今度はタイの稚魚を受け取り、沖で放流しました。放流に使った小さなプラスチックのバケツもお土産として頂きましたが、子供達はうれしそうです。港に帰ると水揚げから30分程でしょうか経っていました。船長さんに、お土産引渡場所を熱心に案内していただいきました。お土産引渡し場所には既に発泡スチロールの箱が高く積まれていました。発泡スチロールの中は先ほど定置網で取れた新鮮なサバが5匹、氷が詰まって入っていました。新鮮な魚が食べられよう様々な努力が行われているのです。

「良い魚の群れが入ってくれないと・・・」船上でこぼされた船長さんの言葉です。

7月12日に林野庁水産庁他の主催でシンポジウム「森・川・海のつながりを考える」が開催されました。豊かな森が豊かな漁場の保全に寄与していることを踏まえたシンポジウムです。パネルディスカッションにおいて、水産庁漁場整備部長は「魚が真水に集まると言われており研究したい」と話され、長野県根羽村村長は「愛知県安城市の環境学習では、学校関係者と子供達だけではなく、保護者、市民ボランティア、さらに企業が、協力して取り組んでいる」と紹介されていたのを思い出しました。

来年は「みなとまつり」へのブリ森の参加があると良いですね。
【寄稿:ブリ森サポーター 小貝】