連日の猛暑でそろそろ私の身体も悲鳴をあげそうだが、必死でこらえて頑張っている。
今日も、朝から熱い陽射しを浴びながら、ちよっとした野暮用があって、知人を訪ねて歩いた。
少し歩いても自然と汗が吹き出る暑さだったので、あちらこちらの知人宅を訪ね歩くのは結構重労働だった。
それに、今日の訪問は知人に少し無理なお願いをする用事だったので、暑もそうだが気持も重かった。
そんな思いで午後に、ある古い付き合いの先輩宅を訪ねた。
久しぶりに先輩に再会し、一通りの挨拶を済ませた後、いよいよ本題の頼み事を話そうとしたその時である。
無理なお願いだけに、話を切り出すのに躊躇している私を見て、その知人の先輩は「君と私の付き合いが何年だと言うのにそんなにためらっている。君がなぜ訪ねて来たかはよく知ってるので心配するな」と先に言ってくれながら、難しい話題を避けて楽しい世間話をしてくれたのである。
その上、帰り際には私の頼み事をわかってちゃんと準備して渡してくれたのである。
その瞬間、私は涙が出るぼど嬉しかった。
後輩として、先輩に何ひとつしてあげた事もなく、ただただ世話になりっばなしできて、その上、引退後は付き合いが疎遠になっていたのに、そんなことなんて、まるで気にも止めてないように、少しも変わらね態度で私に丁重に接してくださり、また、頼み事まで何も言わず聞いてくれたのだから、感激をせざるをえなかった。
それだけに、心変わりしない先輩の人間性に接してみて、自分の気の小ささ、気配りのなさが本当に反省させられた。
また、今日の感動を思うと、暑いと暑いと言いながら身体を休め、辛い辛いと言っては、難しい仕事を避けようとしている自分がすごく恥ずかしく思えてならなかった。