この夏、人で賑わっていた海辺も、秋を迎えた今はひっそりと静まり返り、波音だけが耳に心地よく聞こえてくるようになりました。そんな海に行って見ると、人に代わりミサゴやウミネコ、イソヒヨドリなどが広い海を見下ろしながら、のんびりと佇んでいました。
私がよく立ち寄る小さなため池、冬鳥が到着するまでは、水草だけが目立つ淋しい池になっています。そんな殺風景な池に一輪の花のように元気に泳ぎまわっている水鳥がいました。カイツブリです。身体は一番小さな水鳥ですが、ふるまいだけは、まるで私が池の主人は言わんばかりに、堂々とした姿で水の上を楽しそうに泳ぎ回っていました。
今日はライバルのカルガモさんもいなく、小さな池を独り占めしたようでした。そんなカイツブリだけを見ていると、小さなため池も大きな池に見えました。
間もなく沢山の冬鳥が飛来する時期を迎えますが、それまでは地味で小さな水鳥のカイツブリを、池の主として大らか気持ちで見守ってあげたいものです。
私たちの身近な野鳥セキレイ。今年生まれた雛たちも、秋を迎えた今はみんな成鳥になっていました。小さな野鳥の世界の出来事も、人の世と同じで子供の成長は嬉しいものです。
