あるマーケティングプロデューサー日記

ビジネスを通じて出会った人々、新しい世界、成功事例などを日々綴っていきたいと思います。

急拡大する美術品市場

2007-04-30 13:22:03 | 海外事情
こんにちは。

ここ数年、世界規模で美術品市場が急拡大し、巨額の取引が目立ってきています。

昨年一年間で、アメリカの美術品価格は約27%上昇し、昨年10月にマイアミで開催されたアート・バーゼル・フェアには、5日間で5万人が訪れました。

その背景には、歴史的に見ても富の流動化が世界規模で進んでいることが挙げられます。カリフォルニアの年金基金のお金がヘッジファンドに流れ、原油への投機や東京の不動産購入に使われる時代。市場の中心は依然としてアメリカの富裕層らしいですが、これに中国やロシアの新興富裕層が参入してきているそうです。

そして今一番熱いのは、中国の現代美術です。

香港のオークションの売り上げは過去5年間で4倍(!)になり、米国ではヘッジファンドの経営者達が顧客になっているそうです。

美術品に投資する美術ファンドも発足しているそうですが、成功しているのはごく一部です。なぜなら、美術はキャッシュフローを生み出さず、他の資産と内容が異なっているからです。

面白いのは、2006年の美術品市場を活気づけた理由の一つに、ナチスがユダヤ人から没収した美術品が元の所有者の遺族に返還する動きがあるそうです。返還要求はこの数年間に加速度的に増え、その結果、有名で高価な作品が市場に登場するようになったことが、ブームの加熱に一役買っているとのこと。

多くの専門家は、このブームは更に加速すると予想しています。

まずはルーマニアを起点にヨーロッパのいろんな魅力的な商品をマーケティングしたいと考えていますが、美術品市場がこれほど加熱しているという事実にさらなる可能性を感じました。

ルーマニアの秘密警察

2007-04-29 23:59:38 | 海外事情
こんばんは。

今日は、ルーマニアから日本に勉強に来ている留学生の人に、ルーマニア語のレッスンを受けました。

日本の国立大学に留学しているだけあって、非常に頭が良く、マルチメディア方面に進みたいという自分の将来の明確なビジョンをきちんと持っていたのには驚きました。

本日の会話は、80%以上英語で行いました。

最初にお互い軽く自己紹介をし、昨年のGWにルーマニアを訪れた時に撮影した200枚くらいの写真データをノートパソコン上でスライドショーにしながら、僕の方から質問をしました。

一番面白かったのは、写真の建物です。

この建物は、下半分が古いスタイルで上半分が新しいビルディングスタイルという一風変っていた建築物だったので写真に収めたのですが、実はチャウシェスク時代の秘密警察の建物だったのです。

共産圏の国にはどこにも秘密警察があり、中でも旧東ドイツのシュタージは有名です。シュタージの場合、それが国家権力そのものであり、97,000人という圧倒的な数の局員を抱え、国民を徹底的に監視し、臨時の情報提供者を含めるとそのシェアは6、5人に1人というとんでもない存在だったわけですが、ルーマニアの秘密警察はどのようなものだったのか、調べてみると面白いかも知れません。

ちなみにヨーロッパでは、第二次世界大戦中に使われた軍の制服やヘルメット、ブーツといった関係のグッズがよく売りに出されるので、その専門サイトもいずれ立ち上げてみたいと考えています。

やはり直接現地の人と話すと、交差する情報の量が圧倒的に違うことを実感した夜でした。

これからは英語だけでなく、ルーマニア語を使いこなせるようになって、今まで知らなかった世界にどんどん突撃していきたいと考えています。

飲食ビジネスマーケティング

2007-04-27 12:00:01 | 活躍するビジネスマン
こんにちは。

最近はお天気も良くて、自転車に乗ると気持ち良いですね。

愛用しているスウェーデン陸軍仕様のクローナンバイクは、さすが軍用だけあって後ろの荷台がしっかりしており、ビジネスカバンも簡単にセットできるのでとても重宝しています。

ちなみにこのシルバーカラーは、日本であと一台しかないそうです。

昨日は、ベンチャーリンク出身のコンサルタントの方と、飲食ビジネスについて打ち合わせをしました。

ルーマニアビジネスにおいてワインは中核商品になる可能性が大きく、その供給先のルート開拓の可能性を検討しました。

あと、5月から新しい飲食サービスの会社のお手伝いをすることが決定し、その事業のマーケティングとファイナンスについて意見交換をしました。

飲食ビジネスの大きな特徴は、莫大な初期投資がかかるということと、在庫管理を徹底しないと、たちまちキャッシュフローが悪化するということです。

例えば新規出店する場合、家賃、内装、什器類、原材料の仕入れ、スタッフの研修費などで、面積が30坪クラスで5,000万から6,000万かかるとのこと。なので、融資もしくは出資してもらう必要があります。

その時の大きなポイントは、“上場できるブランドになる可能性があるかどうか”すなわち、“100億規模の事業になれるかどうか”です。

ベンチャーキャピタルにはいろんなタイプがあり、事業計画書を重視するところもあれば、経営者の資質を重視するところもありと様々みたいですが、いずれにしてもマーケティングに基づいた“競争力のあるビジネスフレーム”があるかどうかで、その額も条件も大きく変わります。

つまり、今までにない新しいサービスだったり女性に圧倒的に支持されるイメージがつくといった“魅力的な案件かどうか”と、絵空事ではなく“実現性があるかどうか”の2点が重要です。

出資サイドの要求としては株のシェアを要求するところもあれば、転換社債の形もあるようですが、最初の1年で事業計画書に沿ったある程度の数字を作れるかどうかが生命線だと感じました。

この業界のいろんな方にお会いして、飲食ビジネスはフランチャズ加盟料とそれに付随するサービスから上がる収益への妄想にとらわれて“取らぬ狸の皮算用”状態に陥り、味や価格、立地、サービス、在庫管理といった本来やるべき商売の基本をおろそかにして失敗するケースが非常に多い気がするので、気を引き締めて取り組みたいと考えています。

そういう意味ではいろんな失敗例をお聞きできたのは、とても大きな収穫でした。成功事例も大事ですが、失敗したケースにこそ、人が一番陥り易いポイントがたくさん詰まっていると思います。

開発が進む黒海沿岸都市 コンスタンツァ

2007-04-25 22:14:52 | 海外事情
Buna seara(こんばんは)。

本日はいつもの社長と、ルーマニアビジネスの核となるサイトについて、門前仲町で打ち合わせをしてきました。

今あるルーマニアに関するサイトと差別化を図りながら、ただ単純にモノを売るだけではなく、想像を絶する美しい風景、ワインの製造者の顔とこだわり、歴史的建築物に秘められた面白いエピソードなど、いろんなジャンルに渡った情報性満載のメディアにしていきたいと考えています。

そして毎年恒例のルーマニア訪問も、今年6月くらいに行くことが決定しました!

このブログでも紹介している通り、昨年は首都ブカレストを中心に好奇心のおもむくままに一旅行者としてかなり徘徊しましたが(笑)、今年はマーケッターとして事前にきちんと計画を立て、ワインの生産地やウェディングドレスメーカー、手工芸品メーカー、有名観光地の視察を徹底的にやるつもりです。

その中で今気にかかっているのが、黒海沿岸都市のコンスタンツァとその周辺のリゾート地です。

首都ブカレストから電車で約3時間の距離にあるコンスタンツァは、ルーマニアの貨物の輸出入の半分を扱う黒海でも有数の港湾都市で、その歴史は紀元前6世紀にギリシア人がこの地に要塞を築いたことに始まり、当時から黒海とエーゲ海を結ぶ港として繁栄していました。

そういった歴史的な背景があると同時に、ルーマニアのEU加盟に合わせた社会的インフラの整備も急速に進んでいます。

例えば、2003年11月にコンテナの処理能力の向上とターミナルや岸壁クレーンなどの関連施設を拡充したコンスタンツァ南港が完成。このプロジェクトに国際協力銀行は、ルーマニア初の円借款プロジェクトとして128億円の円借款を供与しています。

またコンスタンツァの南には、エフォリエ・ノルドを中心に70kmに及ぶ国内一級のリゾート地帯が広がっています。

真っ白な砂浜や森に恵まれたこのエリアは、現在は夏になるとヨーロッパ中から人々が集まる人気スポットです。

ビーチにはマリンスポーツの施設が並び、黒海名物として人気の高い「泥んこ風呂」目当てに集まってくる人も多いとか。これは、テッキルギョル湖に沈殿するプランクトンが堆積してできた真っ黒な泥を塗って発汗作用を促進し、リューマチなどにも効果があるという美容法です。

個人的には、民主革命以前は共産党の幹部しか使えなかったネプトゥンとオリンプのビーチが気になります。ここには以前チャウシェスクが利用していた屋敷が誰もが宿泊できる高級ホテルになっているとのことなので、今回の旅では要チェックです(笑)。

デイヴィッド・ハルバースタム氏の死去

2007-04-24 20:05:39 | マスコミ関連
こんばんは。

アメリカのジャーナリストデイヴィッド・ハルバースタム氏が、交通事故で死去されました。

ハルバースタム氏は、ベトナム戦争報道でピュリツァー賞を受賞した、アメリカを代表するジャーナリストです。

その著書『ベスト&ブライテスト』では、米ジョンソン政権における東部エスタブリッシュメントが、ベトナム戦争に深入りしていく模様と苦悩を、かなりリアルに描いています。その内容を、以下に記します。

◆第一巻
1、 ケネディとエスタブリッシュメント
2、 リベラルと非リベラルのはざまで
3、 凡庸にして無難の効用
4、 ワシントンに参集した超エリートたち
5、 賢者の愚行の発端
6、 合理主義と行動の時代
7、 反共主義という幻想の遺産
8、 ベトナム・コミットメント
9、 分岐点・ケネディの妥協
10、奈落に向かう渦巻き

◆第二巻
1、 誰がベトナムの真実を語ったか 
2、 マクナマラ伝説の虚構
3、 堰を切った疑問
4、 深まるホワイトハウスの分裂
5、 ケネディが遺した負債
6、 空費された一年
7、 自ら盲目になった巨像
8、 押し潰される懐疑派
9、 ジョンソンの野心と虚偽

◆第三巻
1、 偉大さに憑かれた大統領
2、 ペンタゴンの戦争ゲーム
3、 ジョンソンの内なる戦い
4、 泥沼に築かれる記念碑
5、 汚い戦争と将軍たち
6、 真実を知らされない国民
7、 クレディビリティ・ギャップ
8、 戦争とインフレと偉大な社会
9、 歴史の流れに逆らった人たち
10、出口のないトンネル

実はこの本は、私がリクルートに入社した1年目に、あるコピーライターの方に教えてもらった思い出の本なのです。

この方は元学生運動の闘士で(そういうキャリアの人は予備校の講師やコピーライター、作家に多い)、非常にジャーナリスティックな視点をお持ちだったので、オススメの本をお聞きしたところ、この本を教えて頂きました。

一読すると、この本が膨大な時間をかけた取材をベースに、鋭い視点で描かれていることがわかります。

絶頂期の田中角栄に一本のペンで挑んだ日本を代表するジャーナリスト立花隆氏は、この本をこう評しています。

「この大著をひもといた私は、ほんの数ページ読んだだけで、読み出したら読み終えるまで本が手離せなくなるほど魅力的な書物に久しぶりに出会ったことを知った。…権力深奥部での人間ドラマが、レッグ・ワークの精緻な積み重ねによって、いかなるフィクションも及ばぬほどに生き生きと描かれている」(立花隆 諸君)

ハルバースタム氏のご冥福を祈りながら、本棚に並んでいるこの本を取り出し、もう一度読み直そうと思いました。

ルーマニアビジネがいよいよスタート!

2007-04-24 10:55:53 | ニュース
おはようございます。

昨日夜、商社の社長とルーマニアから来日中のドブレさんと門前仲町で打ち合わせをし、正式にルーマニアビジネスをスタートすることが決定しました。(※写真は昨年のゴールデンウィークにルーマニアのブカレストで撮影)

まずは私が長年培ってきたメディアプロデュースのノウハウを駆使し、ルーマニアの商品を販売するECサイトを構築し、商品だけではなくルーマニアの歴史、美しい建築物、ブラショフやコンスタンツァの美しい景色、可愛い子供達、豊富な手芸小物品、美味しい果物、日本で未紹介の映像、EUに加盟後の経済最新事情など、リアルタイムでレポートできる体制も作っていきたいと考えています。

メディア的には美しい女性や風景、建築物がインパクト的に必要ですが、今回のビジネスフレームはメディアは一つのマーケティング要素であり、それと同じくらい同業ネットワーク、現地の情報、貿易ビジネスの知識、旅行業アライアンスなどが重要になってくると考えています。

“海外とビジネスできる男になる”が人生における大きな目標の一つだけに、自分の人生にとって大きな前進だと感じています。

まずは様々なリサーチを重ねながら、同時平行でマーケティングプランを作成していくことになると思いますが、ある程度Webが出来上がった段階で、このブログでご紹介できればと思います!

豊洲で打ち合わせ

2007-04-22 21:29:24 | 出会い
こんばんは。

昨日は豊洲のララポートで先日ブログで書いた社長とルブレさん、私とで打ち合わせをしました。

ここは石川島播磨重工業(IHI)の造船所跡地を、三井不動産が再開発した場所で、写真で後ろに写っているのは造船所のドッグの跡地をライトアップしたものです。

ちなみにここ豊洲には、前サッカー日本代表の監督トルシエの通訳で、今もよくテレビに出ているフローラン・ダバディ氏が東京一美味しいハラミ!と絶賛した米沢牛の最高級ハラミが食べれる焼肉屋「みゆきや」があります。

この日は、私が作成した企画書と外務省のルーマニア関連資料をもとに、今回のビジネスフレームや日本におけるルーマニアワイン販売の成功事例、商品候補、提携交渉候補、価格戦略、納入先候補、販売手法とコンテンツ、プロデュースのためのキャンペーン手法、関連ビジネスなど、多岐に渡って具体的なすり合わせをしました。

この日の打ち合わせで、一気にプロジェクトが前進しました!

打ち合わせの帰りに、地下鉄のホームでルプレさんと話をしました。

ルブレさんは大学でエコロジーの勉強をし、来日してからも代々木アニメーション学院でアニメの勉強をしたそうです。

日本の専門学校の学費が高いことを知っていたので、「学費は高かったでしょう?」と聞くと、「100万円シマシタ」とのこと。「それは大変だったのではないですか?」と聞くと、「当時ソノおカネデ、ルーマニアデ1DKノアパート買エル。デモ、スキダッタラショウガナイネ」

改めて、ルブレさんは本当に映像関係が好きなんだなあと実感した夜でした。

某キャピタル企業のアポ

2007-04-20 22:10:32 | 活躍するビジネスマン
こんばんは。

本日は、以前お伺いした某キャピタル企業が虎ノ門に移ったので、そちらへ訪問してきました。

お会いしたのは、前回と同じF氏です。

古くはNHKの『マネー革命』、最近ではNHKの『巨大マネーが東京を狙う』などで、年金基金などを中心とした巨大な資金が、高いリターンを求めて東京に流れ込む様子が描かれていましたが、やはり最前線のお話を聞くとリアル感が全く違いますね。

東京は良い物件の取り合い状態で、何十億という金額レベルの物件ニーズの高さを実感しました。

東京の場合、政治、経済、文化と日本における全ての機能が集中していて、かつニューヨーク、ロンドン、東京と並び称される国際金融都市でもありますから、そのニーズは高いのでしょう。

ちなみに最近聞いたエピソードですが、30年前日本に来た外資系企業のビジネスマンは出世コースからはずれた人達だったそうですが、今日本に来る外国人ビジネスマンはかなり選ばれた将来の幹部候補で、巨大多国籍企業などは東京を一度は通らないとCEOにはなれないそうです。

そういう話を聞くと、データだけではわからない東京の一面が見えてきます。石原さんがあれだけ強気なのも、少しわかる気がします(笑)。

そんな地で仕事ができることの意味と内容を考えながら、これからも頑張りたいと思いました。

ルーマニアから来日したドブレさん

2007-04-19 04:54:54 | 出会い
こんばんは。

本日夕方御世話になっているある社長から、電話が入りました。

「会わせたい人がいるんだよ。良い風が吹いてきたかも知れないね」

夕方オフィスにお伺いしてしばらくその社長と話をしていると、ドアをノックする音が。開けると、そこにはゴルバチョフ元大統領そっくりの顔つきをした大柄なルーマニア人がにこやかな表情で立っていました。

この方の名前は、ドブレさん。ドブレさんはこの社長と15年以上の付き合いがあるらしく、以前はこの社長の会社のお仕事も手伝っていたとのこと。

来日15年だけあって日本語はペラペラ、しかも漢字の読み書きもできるとのこと。日本に何回も来ている外国人の方で、話すのも勿論ですが、ひらがなやカタカタまではできても、漢字の読み書きができる人はなかなかいません。

逆に言うと、“その人が漢字ができるかどうか”でただジャパンマネーが目当てなのか、日本を愛し日本文化に溶け込もうとしているのかが判別できます(笑)。

ドブレさんは、実際ゴルバチョフ役として映画に出たり、日本のホンダや富士ゼロックスのCMにも出演した経験があるとのこと。

その後門前仲町のしゃぶしゃぶ屋さんに移動し、5月から新しい飲食関連の会社を立ち上げ、私もお手伝いをさせて頂くMさんも合流し、ルーマニアのワイン市場、EUに加盟後の土地の価格動向などいろんな話に花が咲きました。

私の個人的な夢である映画制作の話をふると、ドブレさんも目を輝かし、自分にもそうした夢があることを話してくれました。特に東欧の場合、スタジオが安いのと、古き良きヨーロッパの建築物が残っている点が大きな魅力です。

実際ハリウッドの映画制作において東欧のスタジオを使ってコストダウンを図る話は何度か聞いたことがありますし、以前このブログで紹介したスピルバーグ作品の「ミュンヘン」は、ハンガリーの首都ブタペストでロケをしています。

以前から温めていた企画が大きく前進する実感を持てた、非常に気持ちの良い運命的な夜でした。人との出会いは、やはり重要ですね。

映画ファンドビジネス

2007-04-18 15:40:08 | マスコミ関連
こんにちは。
今日は、ようやく雨が上がりましたね(笑)。

最近映画ファンドという言葉が、いろんな雑誌で取り上げられるようになってきています。今週のSPA!にも、そんな関連の記事が出ていました。

映画ファンドとは、映画の著作権を投資対象として投資家から集めたお金を、興行収益やDVD販売、テレビ放映やキャラクターグッズ製作・販売などによって運用し、収益を上げる投資信託のことです。

ここで紹介されていたのが、大人気コミック『北斗の拳』のオリジナル作品を投資対象にした、三井住友銀行の『北斗ファンド―英雄伝説―』です。

このファンドは、2006年から2008年までに劇場用オリジナル映画3本を含む5作品を制作し、完成した作品の著作権は三井住友銀行に移り、映画配給やDVDの販売、テレビ放映権などの運用によって収益獲得を目指すというものです。

三井住友銀行は、募集予定額25億のうち5億円を一口10万円で個人投資家に販売したところ、予定を大幅に上回る約6億円が集まったそうです。

その内訳は、約8割が男性で30代が4割強を占めており、純粋な投資目的の投資家も多数含まれているとことです。

ちなみに、昨年9月に公開され興行収入14億円の大ヒットとなり、今年の第30回日本アカデミー賞で4冠を達成するなど、数々の賞を総なめにした映画『フラガール』は、映画ファンドから生まれた作品です。

ハリウッドはもはやそうですが、これからの映画は、エンターテイメントビジネスとして、今まで以上に金融のプロも関わる産業になっていくと思います。

斜陽化していた映画業界ですが、これで活気づき、映画監督志望だけでなくそういったプロデュース志向の優秀な人材がどんどん入ってくると面白くなるといいですね。

山口瞳の予言

2007-04-17 01:35:29 | マスコミ関連
こんばんは。

前回ご紹介した『週刊文春BUSINESS』に、もう一つ気になる記事が掲載されていました。

昨今のセレブブームに対して、生き方として、そんな生活は幸福なのかという問いかけをしているもので、いろいろ考えさせられます。(※以下抜粋)

 昨年の1月、セレブブームの元祖ともいうべきライブドアのホリエモンこと堀江貴文社長が逮捕されたころ、週刊文春は、作家の故山口瞳氏が30年以上前に書いた、こんなコラムをご紹介しました。

 「現代は、田舎者の全盛期である。/威張る奴が全盛をきわめている。/田舎にいると、書籍や雑誌で勉強する。書籍や雑誌には理論が書いてあり、新しいことが書いてある。従って、地方出身者は観念的たる傾向をまぬかれない。前衛的になる。新しがりであり、理論家になり、居丈高になる。そのバイタリティーと頑張りは素晴らしい。/

 私は、地方から出てきたばかりの男に六本木を案内されたことがある。六本木というのは私の育った地域である。(彼は)いまの六本木が東京だと思っている。東京には違いないが…。/田舎者とは威張る奴である。スタンド・プレイをする奴である。他人の迷惑をかえりみぬ奴である。世に恨みを抱く奴である」(「威張る奴」=「少年達よ、未来は」所収、一部略)
  中略
 そんな彼の代表作・新入社員諸君!その二より…
「僕には、もう、クリスタル族なんていう青年の心持がわからなくなっている。何も言うことはない。そこで、若いときの山本周五郎先生を絶望から救ってくれたリンドベイの言葉を掲げることにする。
 
 『苦しみつつ、なお働け、安住を求めるな、この世は巡礼である』。働くのは会社のためでも家族のためでもない、自分のためである。失意のときは、この言葉を思い出してくれ給え。気楽な稼業と思ったら大間違いだ。常に安住するな。しかし、この言葉の意味がわかるのは、40歳、50歳になってからだろう。

 新入社員諸君、この人生、大変なんだ。そうして、本当の酒の味がわかるのは、苦しみつつ、なお働いた人たちだけなんだ」

ロシア料理店 スンガリー

2007-04-15 22:14:36 | グルメ
こんばんは。

本日は、新宿にあるロシア料理店『スンガリー』に行ってきました!

新宿には二店舗あり、日曜日は西口店はお休みらしく、新宿プリンスホテルのそばの東口店に行ってきました。

入り口にはロシア語で書かれたメニューが置かれていましたが、ロシア語は全く読めないので、さっさとお店のある地下一階へ。

店内は、石造りのお洒落な感じです。照明は薄暗い感じで、それぞれのテーブルにはローソクが置いてありました。(※ホームページに写真があります)

この日は、以下の品を注文しました。

・ロシア式前菜の盛り合わせ
・ロシアン・サラダ(赤かぶとポテト特製ソース和えモスクワスタイル)
・マリノーブナヤ・ケタとブリヌイ(ロシア式フレッシュサーモンマリネのブリヌイクレープ包み)
・ボルシチ(赤かぶと肉野菜の旨みたっぷりスープ)
・シャシリーク(香味野菜とハーブに漬け込んだ、やわらかい仔羊肉の強火串焼き)
・本日のお魚料理

初めての本格的なロシア料理ということもあり、かなり興味深々でしたが、全体的には素朴で酸っぱい系な味付けという印象でした。写真は前菜の盛り合わせで、右上の黒いぶつぶつ状のものは、キャビアです。

やはりあれだけ寒い国なので、きゅうりを漬けたロシア版お漬物みたいがあったりして、お国柄が出ていましたね。

やはり料理とデザインはラテン系に限るというのが、正直な感想ですが(笑)、まだまだトライしていないメニューもあるので、あと1~2回は行きたいと考えています。

世界一厳しい外資系キャリア採用面接

2007-04-14 15:36:19 | 就職活動
こんにちは。
今日はお天気も良いですね。

先日、本屋で見つけ購入した雑誌で面白かったものに『週間文春BUSINESS』があります。

もともとはグルメムックが付録でついていたので買った部分が大きいのですが(笑)、よくよく目を通すとさすが文春が作っただけあって中身に骨があります。

そんな記事の中で、「世界一厳しい外資系キャリア採用面接」という面白い記事がありましたので、ご紹介したいと思います。

「受験者は机と椅子だけがある小部屋に一人で通され、ずっと待ってもらいます。机には幾つかの引き出しがあり、中に一つにいくらかの紙幣が入っている。

 その引き出しを開けて、何もせずに閉めたら不合格。一定制限時間内に机の引き出しを開けてみない、好奇心のない人間は失格です」(外資系金融企業元社員)

 実は壁の一部にマジックミラーが仕掛けられており、受験者が紙幣を盗ったところで、試験管がドアを開けて入ってくる。

「この机の引き出しに現金があったのを盗っただろう。出せ」と問い詰められて「ハイ、盗りました」と紙幣を差し出した時点で、その人も不合格。

「いいや、知らない」とシラを切って、「ようやく第一関門突破です」(前出 元社員)

 次の段階では、ポケットの中身を全て出すように指示され、出て来た紙幣について、「『これは引き出しから盗ったカネではないのか』と再度試験管から詰め寄られる。それを受けて、『私が引き出しから盗った紙幣だとどうして証明できるのか。何を根拠に私を疑うのか。机にあった現金など知らない』などとシラを切り通し、試験管を論破出来て、晴れてこのテストの合格者となれます」(同前)

ある外資系企業の社員一人あたりの平均ボーナス額が8,000万というニュースがありましたが、それ位稼ぎ出すトップ集団の採用システムの一面は、非常に興味深いですね。

上記のやり方が日本人に合うかどうかは別として、そういった手法で強力な人材を厳選採用し、驚異的な利益を上げている外国企業が、今後三角合併を機に雪崩れ式に日本に入ってくるということを知っていることは、非常に重要だと思います。

サービスの本質について

2007-04-11 22:34:07 | 研修プログラム
こんばんは。

本日は、いつもの美容サロンでの研修プログラムにネクサイトの大塚社長をお招きし、対談形式で実施しました。

大塚社長は早稲田大学を卒業後日商岩井に入社され、ドイツを皮切りにヨーロッパから南米まで世界中で活躍され、昨年“ヨーロッパの一流品をリーズナブルな価格で紹介する”をコンセプトにした株式会社ネクサイトを立ち上げられました。

以前このブログでご紹介したクローナンバイクは、大塚さんがある雑誌を見て気に入り、単身スウェーデンの首都ストックホルムに渡り、単独でクローナン社と交渉し、輸入販売契約を交わしたことから始まっています。

私自身大塚さんの会社のWebをお手伝いさせて頂いたのが縁で、それ以来お仕事だけでなく、その豊富な人生経験に基づく見識にいつも勉強させて頂いています。今回はそんな大塚さんの豊富な人生経験を交えながら、NHKの「しゃべり場」のようなトーンでやってみました。以下が内容です。

◆テーマ/サービスの本質とは?

第一部/海外という環境で働くということ
・日本人の常識は通用しない
 →エクアドルの道路でのパンク確信犯
 →エクアドルのマンション水漏れ事件
 →ドイツ系企業トップの入国トラブルと信頼構築
・言葉を覚える必要がある
 →語学の習得は素質ではない、反復が重要
・素晴らしい自然と感動
 →エクアドルの満月の美しさ
 
第二部/お客さんに喜んでもらうということ
・お客さんは何を求めているか
 →二子玉川のサロンの子供ケアーエピソード
 →藤原紀香の専属スタイリストはなぜ成功したのか
 →ネクサイトの考え方
 →プレート広告のしたお客さんの声
 →依頼先とのリレーションの重要性

第三部/独立というものの考え方
・まずは顧客満足を作れることが大前提
・プロとアマは“フィニッシュのクオリティ”が決定的に違う
・夢想とプランは全く異なる 

第四部/最後に
・夢に期限をつけることが、プランに変わる時
・計画を作ることで動きが出てくる

海外関係の滅多に聞けない話と、ご自身も独立されていることから融資を受けた時のリアルな話など、かなり中身が濃い研修になりました。

異業種の人の話を通して違った角度から本質的なテーマを浮かび上がらせるというアプローチは、知的好奇心も満たされるので非常に効果的だと思います。

ラストキング・オブ・スコットランド

2007-04-08 22:40:39 | 好きな映画
こんばんは。

本日は、主演男優のフォレスト・ウィテカーがアカデミー主演男優賞を受賞した映画『ラストキング オブ スコットランド』を観てきました。

この映画は、30万人を虐殺したと言われているウガンダの独裁者イディ・アミンのリアルな素顔を、実際に側近として仕えたスコットランドの青年医師の視点で描いた作品です。

舞台は、1971年のウガンダ。スコットランドの医学校を卒業して間もない青年ニコラスが、医師としての理想に燃え、クーデター直後のウガンダの地を踏むところから始まります。

偶然道中でアミンの怪我を手当てしたことがキッカケで、ニコラスは大統領の主治医に任命されますが、フランクで茶目っ気のあるアミンとは全く異なる圧制者としてのアミンの素顔に気付くのに、そんなに時間はかかりませんでした。

イギリスのバックアップを受けてクーデターに成功し、最高権力を手に入れた瞬間から、人格が変っていくアミン…。

この映画の一番の見所は、庶民的でユーモラスな人気者アミン、疑心暗鬼で臆病で孤独な政治家アミン、自分の政治的延命のためなら人命の抹殺を何とも思わない虐殺者アミンといったその多面性を見事に表現したフォレスト・ウィテカーの演技力です。

この映画を観て、人間というものは誰しもが内にアミンと同じ残虐性を秘めているものであり、それを制御し人間が人間らしくなるのは、家庭や教育、宗教、倫理といった文化の力だと痛切に感じました。