あるマーケティングプロデューサー日記

ビジネスを通じて出会った人々、新しい世界、成功事例などを日々綴っていきたいと思います。

ついに飲食ビジネスが始動!

2007-06-29 00:14:06 | プロジェクト
こんばんは。

本日、新潟にプレに行ってきました。

今回の飲食ビジネス企業の会長の会社の本社に、財団法人にいがた産業創造機構の方が直接いらっしゃるということで、前回のプレ内容を踏まえより充実させた資料を用意し、プレゼンテーションをするという趣旨です。

前回の企画書より商品戦略や流通チャネル、既存のサービスとの差別化において、より具体性を増した内容で、やりとりの内容もより突っ込んだものになりました。

飲食ビジネスの資金調達における一番重要な要素も明確になったことで、今回のプレは非常に有意義な内容でした。

財団法人にいがた産業創造機構の方が帰られた後のMTGでは、具体的なマーケティング施策について大枠が決定し、具体的なスケジュールイメージも共有できました。この一ヶ月で、このプロジェクトは一気に進展しそうです。

流通チャネルに具体的引き合いが来ていることも、このプロジェクトの確度を高めているのも事実で、かなり面白くなってきました。

飯島秘書のホントの話

2007-06-26 21:12:24 | マスコミ関連
こんばんは。

先日オーナーインタビューのためにサロンにお伺いした帰り、サロンの近くのブックオフで一冊の本を買いました。

その本の生の名前は、『代議士秘書 笑っちゃうけどホントの話』。小泉政権を影で支えた、あの飯島勲秘書の著書です。

とかく週刊誌ではあまりイメージのよくない飯島秘書ですが(笑)、その本の内容はなかなか充実していたので、ちょっとご紹介したいと思います。

◆選挙は日本でできる唯一の戦争だ

【候補者の当落は、ポスターの貼り方一つでわかる】

いったんポスターを貼り終えたら、今度は全てのポスターをチェックするため、一つの例として他の運動員に鋲を持って回らせることがある。なぜか。それは熱心な支持者にポスター貼りを頼んでいても、やはり選挙事務所の人間ほどに真剣勝負でやっているとは限らないからだ。(中略)

そこで、すべてのポスターをチェックし、一枚一枚、ポスターが剥がれないように鋲を打って回らせるのである。鋲を打つのはポスターが剥がれないようにするという意味もあるが、同時に本当にチェックを行ったことを確認する意味もある。

たとえばA地区のポスター貼りの担当は加藤氏であるとしよう。加藤氏は作業を終えると、事務所に貼り終わったとの連絡を入れてくる。そこで運動員に「おまえ、A地区に行って見てこい」と、チェックに行かせるのだ。(中略)

支援者が熱心な陣営のポスターは、少しでもズレたり皺がよったりしたら、すぐに張り替えられる。破けたままで風に吹かれているようなポスターが貼ってある陣営は、不熱心な支持者しかいないし、連絡網もしっかりしていない。つまり、組織力、支持力が弱いと思っていい。特に小選挙区制だと、立候補の個人ポスターと、政党用ポスターをどのように最大限、効果的に使用しているかが歴然とする。

かくのごとく、候補者の当落は、ポスターの貼り方一つを見れば、選挙のプロでなくともすぐわかるのである。

【金がなくてもあるように思わせるテクニック】

選挙というのは不思議なもので、「この候補はどこをつついても本当に金がないな」と支持者に思われると、資金の豊富な相手に負けてしまうことがある。そこで、なんとかこちらにもたっぷりと金があるように支持者に思わせる工夫が必要だ。

いちばん手っ取り早いのは、選挙区内なら誰もが知っている資産家を、選挙の幹部に取り込むことである。有名な資産家がバックについているくらいだから、金がないということはありえない、と誰でも思う。実際には、おそろしくケチで、ビタ一文出さなくてもいい。世間の人はそんなことまで知らないからかまわないのである。そこで、その資産家に頭を下げて、

「ぜひ、ウチの選対に来て下さい。もう人手が足らないものですから留守番でもいいから来て下さい。選挙事務所にどっかと座って、事務長みたいな顔をしてくれていればいいんです」

と頼み込んで泣き落とし、選挙事務所に座らせる。そのうち対立陣営の関係者が、お茶を飲みながら、さりげなく様子を伺いにやってくる。と、億万長者がどっかと真ん中に座っているではないか。この光景を見ると、

「あそこはお金がないなんていうのはウソだ。今日も、あの資産家が選挙事務所に来て、胸を張ってお茶を飲んでいた」

と事務所に帰って報告する。かくして、わが陣営には金があるという噂がどんどん広まっていくのである。(中略)

◆秘書はあらゆることを知っていなければならない

【カモがカモを探して永田町を飛ぶ】

とある日の議員会館の一室、次のような陳情をする人物が現れた。

「実は北海道の某所から石油が出ました。自分はそこの地権を押さえたのですが、それを買う人を先生から紹介してもらえませんでしょうか」

この人、仮にAさんとしておこう。実はAさんはM資金まがいのグループにだまされたのであるが、そんなことおくびにも出さずにそのババをこちらに押し付けようとやってきたのだ。私ならこの時点で、Aさんにどうやってお引取り願うかを考えるが、知識も金もない先生と秘書はとたんに舞い上がってしまう。

この話のカラクリを説明するために、まずAさんが陥ったストーリーを紹介しよう。

ある日、Aさんのもとへ一人の紳士がやってきた。その人物いわく、

「いや、意外と知られていないんですが、日本には新潟みたいに石油が出るところが、けっこうあるんですよ。実は今度、北海道の土地で石油が出たらしいんです。どうです?この採掘権を買ってみませんか?」

さっそく、Aさんは紳士に伴われて現地へ飛んだ。

「まあ、問題は石油の質なんです。質が悪ければ、いくら掘っても採算が合いませんがね。ほら、あそこの土の上がちょっと湿っているでしょう。あれが石油なんです。ちょっとAさん、この試験管にあの石油を採取してみて下さい」

そこで手をベタベタにしながら、Aさんは試験管のなかに原油を入れた。ちなみに、騙すほうからすると、ここでAさん自身にこの作業をやらすのがポイントとか。(中略)

こうして何ヵ所かで原油を採取すると、

「実は、通産省(現経済産業省)の外郭団体に鉱物試験場というのがあります。ここは、お金を払い込みさえすれば、鉱物の成分を分析してくれますので、そちらに行って調べてみて下さいよ。われわれがいくら、これが本当に素晴らしい原油だといっても信じてもらえないでしょうからね」

そして待つこと数週間。分析の結果はきわめて上質の原油。ここでカラクリを説明すると、なんのことはない。この詐欺グループ、Aさんがやってくる前日に中東産の原油をドラム缶に2、3本手に入れて、数ヵ所の土の中に流し込んでおいただけなのである。分析結果がいいのは当たり前。(中略)

こう口説かれたAさん、ついに思い切って借金をし、クズみたいな土地を1億円出して買ってしまった。一方、詐欺グループは、現金を手に入れると同時に煙のように姿を消し、手元に残るのは自分名義の登記簿謄本と採掘権の届け出の権利、そして鉱物試験場の分析表、そして借金である。

かくして、最初のカモが、次のカモを探して永田町に出没するというわけだ。(中略)

秘書たる者は、こういうワケのわからない話の真贋を調べて、上手にさばかなくてはいけないのである。

権謀術数の渦巻く政界で、秘書という存在の大きさと重要さが実感できる一冊です。田中角栄の秘書早坂茂三氏と比べると、飯島秘書のキャラクターの方が親近感が涌いてきます。やはり飼い犬が飼い主に似るように、政治の世界も秘書は自分が使える親分に似てくるのかも知れません。

ブルドック株主総会、買収防衛策を可決

2007-06-25 01:13:49 | ニュース
こんばんは。

本日、NIKKEI NETで以下のニュースが流れました。

ブルドックソースが24日、都内で開いた定時株主総会で、経営陣が提案していた買収防衛策が3分の2以上の賛成票を得て可決された。同防衛策は、同社株の発行済み株式の約10%を保有し、TOB(株式公開買い付け)を実施中の米投資ファンド、スティール・パートナーズへの対抗策。総会での承認を受け、今後は防衛策の有効性を巡る東京地裁の判断などに移る。

ブルドックの打ち出した防衛策の議案には、スティールが反対の意向を示していた。ただ、ブルドック株を保有する凸版印刷など取引先企業が支持したほか、個人投資家らの賛同も合わせ3分の2以上の賛成票を得た。

ブルドックの買収防衛策は全株主に新株予約権を発行したうえで、スティールへの割り当て分は株式に転換せず、現金で買い取る内容。スティールの株式保有比率を約3%まで低下させる狙いがある。 (13:05)

経営陣に圧力をかける目的で株式を取得する外資系のアクティビストファンド(活動家)としてすっかり有名になったスティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド。

全てが悪いように言われていますが、「いい意味で経営者の圧力になっている」「要求される前に配当を上げた企業もある」という声もあります。

ヘッジファンドの手数料は運用資金の2%、成功報酬は運用益の20%が標準です。最近はより高い運用益を求め、ニューヨークのアイカーン・マネジメントやスティール・パートナーズに代表されるアクティビストファンドは、企業の株を5%以上取得するようになってきています。そして株主として経営陣に戦略の転換を迫り、時には取締役を送り込んだりもします。

注目すべきは、アクティビストの運用実績が非常に高いという事実です。ヘッジファンドリサーチによると2000年1月以降、ヘッジファンド全体の運用利回りが約8,5%に対し、アクティビストは19%、実に2倍以上もの利益を上げているのです。

株式市場で過小評価されていて、株価を上げるために経営改革が必要な企業に目をつけるアクティビストの存在は、部分的な見方としてはグリーンメーラーのように高値で買い取りを迫るパターンもありますが、経済全体で見るといい影響を及ぼすという専門家の見方が多いようです。

いずれにしても株式を公開しているということは、こういった攻撃に常に晒されることであり、そういったリスク管理意識を経営者は持たざるを得ない時代になってきているということですね。

米空軍情報局、Google Earthは国家安全保障に脅威

2007-06-24 14:26:13 | ニュース
こんにちは。

6月22日付のテクノバーンで、米空軍情報局(United States Air Force Intelligence)のDavid Deptula空軍中将が Google Earthなどの地図ソフトは国家安全保障上、脅威であるとの認識を示していたことが21日、ロイター通信によるインタービュー報道で明らかとなったというニュースが流れました。

Deptula空軍中将は同通信とのインタビューに応えて、「Google Earthなどの地図ソフトは国家安全保障上脅威であるが、もう後戻りさせることはできない」と見解を示したとのことです。

また、Google Earthで軍事施設を黒塗りにするなどの検閲を行っているかとの質問に関しては「個別の事例に関しては言及することはできない」としながらも、「地図を検閲する前に基地が衛星写真などで特定できないようにカモフラージュを行うだろうと」と述べた上で「(地図を検閲するような)行為が行われていることは認識していない」との見解を示したとのこと。

つまり、衛星を飛ばす技術もしくは資金のない国でもGoogleのサービスを通して地球上の全てのものが見えてしまうので、軍事施設は古典的なカモフラージュで隠すしか方法がないということです。

現在の宇宙衛星の大半がスパイ衛星であることは有名な話ですが、今回のニュースはある意味象徴的な出来事だと思います。

エシュロンを含め、今までは通信情報や衛星情報は国家が独占してきました。敵国の監視やテロ対策、産業スパイなど自国の利益のために対策を練る必要があるからです。

しかし今回のニュースは、従来国家が独占してきた情報に民間会社が風穴を開けた衝撃的な出来事だと思います。

既にGoogle自身が巨大な権力機構になる可能性をも秘めているわけですが、そうはいってもあくまで一応民間会社。情報の民主化が今まで以上に進むことを、国家防衛の最前線の人間が認めたニュースでした。

世界のセレブ御用達 “節税天国”オランダ

2007-06-23 04:17:38 | 海外事情
こんばんは。

自宅の古い雑誌を整理していると、いつの間にか記事を読み耽り、一向に作業が進まなくなることがよくあります。

今日もそんな感じで、一冊の雑誌のある記事をまた読み返していました。

それは雑誌『クーリエ・ジャポン』の「スートンズからベッカム、ボノまで/世界のセレブを優遇する“節税天国”オランダ」という記事です。

この記事によると、ロン・ウッドを除くローリング・ストーンズのメンバー3人は過去20年間オランダの節税を利用することにより、約540億円の所得に対し、わずか約8億6400万円の税金しか納めていないそうです。これはたったの1,6%であり、英国の場合は40%課税されるとのことなので、38,4%=約207億円(!)浮かせていることになります。

株を従業員の名義にして莫大な相続税を逃れた西武堤家も、ビックリの金額ですね(笑)。しかも、合法です。

節税と言えば、カリブ海のケイマン諸島をはじめとするタックスヘイブン(租税回避地)が有名です。ここは取引によって得た利益を守るために、ヘッジファンドや非公開投資会社が高いお金を払って数多く登記しています。

しかし、音楽や映画といった知的財産から派生する収入を得るパターンが多いセレブにとっては、ケイマン諸島よりオランダの方が税制上有利なのです。

実はオランダでは、ロイヤリティーは課税されないのです。つまり、アーティストやスポーツ選手のパフォーマンス、レコーディング、トレードマーク、ブランド、特許、著作権、映画化権、CM出演、映画やビデオに出演することに支払われる対価に対しては、税金がかからないのです。

そういった事情から、大手レコードレーベルEMIやコカ・コーラ、ナイキ、イケア、グッチといった多国籍企業がこぞって持ち株会社を設立し、オランダのタックスシェルターを活用しているのが実態のようです。

またこの記事によると、海外の企業や裕福な個人がロイヤリティーや配当、利払いに対する課税負担を軽減するために設立するペーパー・カンパニー(メールボックス・カンパニー)が約2万社存在し、近年急速に増えているそうです。

ちょっと以前に「よ~く考えよう~、お金は大事だよ~♪」というフレーズとアヒルで有名な某外資系保険会社のCMがありましたが、ほんとその通りですね(笑)。

門前仲町で食事をしながら

2007-06-21 23:08:09 | 出会い
こんばんは。

本日は御世話になっている社長から、ある人を紹介して頂きました。

この方はエステサロンにターゲットを絞ってあるポータルサイトを立ち上げ、ある事業を立ち上げようとされている方です。

私自身も美容業界とつながりがあるので、とても関心がありました。

特にリクルートでメディアを作り方を学び、その後の会社で実際のメディアの立ち上げと運用、収益化を実践してきたので、立ち上げ時の苦労とヤリガイについては共感できるものがあります。

今回の話で面白かったのは、営業しながらコンテンツを増やしていくことはもちろん必要なのですが、そこに派生する関連ビジネスです。

その方の会社に出資している某上場企業とのとビジネス的な広がりも視野に入れながら、これからコミュニケーションを継続していくことはかなり面白いことができそうな気がしました。

最近サロンのスタッフへの研修実績をベースにした研修プログラムの商品化も考えていたので、その営業アライアンスも話としてまとまりました。

出会いというのは、偶然なようで必然な部分もあるような気がします。

その“一期一会のチャンス”をいかにモノにできるか。それが、大きな分かれ目になっていくのかも知れません。

市場のプロの視点

2007-06-21 14:08:25 | 活躍するビジネスマン
こんにちは。

本日は、ベンチャーキャピタルの方と代々木で打ち合わせをしました。

この方の知り合いの社長がある通販サイトを経営されているのですが、収益が頭打ちになっており、何とか提案できないかというのが今回のテーマです。

前回の打ち合わせ時にこの通販サイトの名前、立ち上げ経緯、ターゲット、収益構造、最新の改善点等についてはお聞きし、自分なりのアイディアを盛り込んだきっ企画書をもとにいろいろブレストをしました。

最近痛感するのが、“魅力的な売る商品があるのにも関わらず、消費者とのマッチングに苦労している(=販売数に伸び悩む)通販サイトが多い”ということです。

つまり、商品を美しく見せることや機能説明に終始しており、そこに読者が“購入した後どうなれるのか”といったストーリー性が欠如しているのです。

Tシャツや靴下といった日用雑貨ならともかく、それなりに価格が張るモノに関しては、綺麗な写真と商品説明だけでは今の時代はなかなか売れません。そこに、リアリティ溢れる“感動ドラマ”が必要です。

例えば、先日あるオーナーがベビーワゴンを購入しました。どういうプロセスを踏んだかと言うと、まず気になっているブランドの名前をキーワード検索で打ち込みます。次に、そのブランドの公式ホームページで品種と価格を確認します。最後に検索されたブログの中で信頼感のあるものをピックアップし、自分が買いたいベビーワゴンが日常で使われているシーンが描かれているコンテンツを熟読した上で、購入されたのです。

相手が見えないインターネットというメディアはまだまだ信用されていませんから、どこまで“嘘じゃないことを証明できるか”がキーなのです。

打ち合わせはかなり盛り上がり、次回その社長を紹介して頂けることになりました。

今回打ち合わせで感じたのは、“お金の流通するところには、必ず情報が集まる”ということです。

公開前の会社とつながりを持ち、いろんな情報が入ってくるベンチャーキャピタル。

リスクを取らず担保価値を取って融資する日本の銀行には、“経営者の資質や技術力といった目に見えない融資先の市場価値を見極めて投資する真のバンカーはいない”という話はよく聞きますが、これからはこういったベンチャーキャピタルや大手証券、投資銀行の方が、自己のキャリアを形成する上では有利なのではと感じました。

サロンオーナーの想いをインタビュー

2007-06-18 23:34:08 | 活躍するビジネスマン
こんばんは。

本日はいつものサロンのオーナーにお会いし、インタビューさせて頂きました。

今回は3回目ですが、毎回その熱い生き様にはかなり刺激を受けます。

一般常識を学べたサラリーマン生活、22歳からスタートした美容人生、店長になったお店は全て売り上げNo,1にしたことなど、一つ一つ時系列に話を聞いていきます。

今回のインタビューの目的は、Webでの採用を成功させるために、このサロンのバックボーンを知ってもらい、共感してもらえる人に来てもらうためです。

美容業界の一大ブランドを目指すビジョンを持っているオーナーの想いに共感し、強力な戦力となってくれる人材の獲得は、経営上必要不可欠な要素です。

特に美容業界はご存知の通り人の移動が激しいため、採用の成否が経営に占めるウェイトが非常に大きいのです。

サロンの誕生と成長の歴史を知ってもらい、サロンの成長との自分の成長を重ね合わせるイメージが持てる時こそが、組織と個人のベストなマッチングだと思います。

そういう意味では、まだまだお互い表面的なコミュニケーションでお店選びをしているケースが多いかも知れません。

ミーティング後は、久しぶりに近所の人気の立ち飲み屋さんに行きました。前回のように8時間という長丁場にはなりませんでしたが(笑)、レーサーを目指していた話やグローバル化について話はいろいろ盛り上がりました。

PS.オーナーにブログの提案もしています。スタートしたら、ご紹介します。

目が離せない『プリズン・ブレイク』

2007-06-17 23:58:13 | 日常生活
こんばんは。

今、『24』と同じくらいに『プリズンブレイク』にハマっています。

シーズンⅠは全て見終わり、現在シーズンⅡのNo,7まで進行中です。以下に、簡単にドラマのストーリーをご紹介します。

◆シーズンⅠストーリー(※公式HPより抜粋)

主人公マイケルは、シカゴで建設設計士をしている頭脳明晰で有能な男。しかし、兄が副大統領の兄弟を銃殺した罪で死刑を宣告されたことで彼の人生は一変する。無実を主張する兄の言葉を信じ、独自で調査した結果、兄は何者かの罠にはめられたと確信する。彼は武装して銀行を襲撃し、計画通り、兄と同じ刑務所に収監される。執行までのタイム・リミットは30日。彼は天才的な頭脳を駆使し、かつてない方法で超脱出計画を実行する・・・

◆シーズンⅡストーリー(※公式HPより抜粋)

フォックスリバー刑務所の脱出に成功したマイケルたち8人は合衆国内を逃亡していた。そして、その多くはユタ州をめざす。そこはウエストモアランドが隠した500万ドルが眠っているとされる場所だった。その頃、FBIの切れ者捜査官マホーンがマイケルのタトゥーの秘密に気がつき捜査を開始、刑務官だったベリックは賞金稼ぎに転身、そして、陰謀の黒幕である副大統領がついに合衆国大統領に就任した!逃亡するマイケルたちを追い詰める強力な包囲網が動き始めた!

何よりも主人公のマイケル・スコフィールドを演じるウェントワース・ミラーの美男子ぶりが話題ですが、個人的には悪徳刑務官べリックを演じるウェイド・ウィリアムズ、極悪脱走犯ティーバッグを演じるロバート・ネッパー、キレ者のFBI捜査官アレクサンダー・マホーンを演じるウィリアム・フィクナーの存在感が気になっています。

ウェイド・ウィリアムズはあの『Xファイル』にも一部出演していました。風貌柄屈折したこういう役柄が多いのですが(笑)、こういうキャラがいるから主人公が引き立つわけで、脇役には欠かせない存在だと思います。演技も非常に上手いと思います。

ティーバッグ演じるロバート・ネッパーは、もう完璧に変態犯罪人の役の世界に入っていますね(笑)。確かジョージ・クルーニーの『グッドナイト&グッドラック』にも出演していましたが、全く普通の役なので、そのギャップに驚きました。

FBI捜査官を演じているウィリアム・フィシュナーは、クリントン政権時代のソマリア鎮圧作戦の全容を描いた『ブラックホークダウン』のデルタフォース部隊の一員の役として出演しています。

たかがTVドラマではありますが、政府の陰謀に命を賭けて対抗するという図式は、大ヒット作『X-File』にも共通するものを感じます。

“真実を追究する”というテーマは、向こうの作品に多いですね。

メガバンクを描いた『金融腐食列島』はかなり実態に切り込んだ秀作だと思いますが、日本政府の汚職を暴くジャーナリスティックな映画やドラマが育たないのは、スポンサーの問題なのか、国民的嗜好の問題なのかわかりませんが、ちょっとさみしい気がします。

近所のコンビニの入り口の燕の巣

2007-06-16 21:34:53 | 日常生活
こんばんは。

近所のコンビニに買い物に行ったら、入り口近辺で何やら「ピー、ピー」と動物の鳴き声がします。

ふと上を見上げると、ツバメの巣がありました。

いつも行くコンビニなのに全く気付かなかったということは、親鳥がせっせと巣作りをして、今子供が生まれたばかりなのでしょう。

しばらくそばで見ていると、見事な低空飛行でもう一羽が帰ってきました。

おそらくエサを獲ってくるのが雄で、巣を守っているのが雌でしょう。

ちょっと写真を撮ろうとたたずんでいると、雄のツバメが巣に帰りにくそうにしていたので、早めのその場を立ち去りました。

人の出入りの激しいコンビニの入り口の上に巣を作るということは、やはり自然が減少してそこまで追い込まれているのか、もしくは他に理由があるのか、ちょっと興味が涌きました。

自然の動物からは、学ぶものはたくさんあるといつも感じています。

安くて美味しい!代々木の立ち呑み屋『おくどさん』

2007-06-15 08:31:41 | グルメ
おはようございます。

先日御茶ノ水のオフィスで打ち合わせをした後、役員の方と飲みに行こうという流れになりました。

「御茶ノ水近辺ではあまり飲まないので、美味しいお店がどこにあるかわからないですね」
「じゃあ、代々木にある立ち呑み屋さんに行ってみる?ここは独特の雰囲気で美味しいよ」

ということで総武線に乗って、代々木へ。

西口を出て居酒屋『華の舞』の横の階段を上がっていくと、入り口のは大きな民芸品のようなものが。ここが立ち呑み屋、『おくどさん』です。

ここの魅力は何といっても、安さと美味しさ、そして立ち飲み屋さん独特の気軽さです。

ドリンク類は、全て300円均一!ビールは勿論、トリスハイボールといった古典的なものから、自家製の果実酒まであります。黒生ホッピーという、ドラフトホッピーがあったりもします。

カウンターには“本日のお惣菜”がずらりと並び、全て200円均一!ここの料理の素材は、京都の契約農家から届いた有機野菜を使っているとのこと。この日は「おから」と「ひじきとごぼうのあえもの」と「コロッケ」を頼みましたが、どれも美味でした。

お勘定も、ビール2杯とつまみ3品で合計1,200円!ほんと安いです。

スウェーデンから自転車とベビーワゴンを輸入販売している会社が10メートル先にある以前からよく通る道でしたが、こんな良いお店があるとは意外でした。

バルコニーのような場所もあって、夜風にあたりながら冷たいビールとつまみを楽しむ…なんてこともできる粋な立ち呑み屋『おくどさん』。

ここは家から近いこともあり、これから絶好の隠れたオアシスになる予感がしています(笑)。

ジョージ・クルーニーインタビュー記事

2007-06-15 01:10:01 | クリエイティブ
こんばんは。

昨日の引き続き、今月の月刊PLAYBOY特集『映画監督ほど素敵な商売はない』から今度はジョージ・クルーニーのインタビューをご紹介したいと思います。

ハリウッドのセクシー俳優としてすっかり有名なジョージ・クルーニーですが、その硬派なバックボーンと苦労時代については意外と知られていません。

アイルランド系アメリカ人であるジョージ・クルーニーの父親は、映画評論家とニュースキャスターという二つの顔を持っていました。大学ではジャーナリズムを専攻。1984年に映画デビューしたものの長い下積み生活が続き、友人のクローゼットで暮らす程つらい時期もあったとか。

ところが1994年にスタートした『ER緊急救命室』で、一躍スターへ。その後『オー・ブラザー!』や『パーフェクト ストーム』、『オーシャンズ11』に出演し、スティーブン・ソダーバーグと共同でプロダクション会社「セクション8」(2006年末をもって解散)を設立して製作業にも進出。

『コンフェッション』で初監督を、『ロック・スター』『エデンより彼方に』『インソムニア』『オーシャンズ12』ではプロデューサーを務めています。

ニュースキャスターであった父親の影響を強く受けたためか、政治経済に関する造詣が深く(今回のインタビュー記事にも色濃く出ています)、1950年代に巻き起こったマッカーシー上院議員による「赤狩り」と、一貫して真実を報道しようとテレビ関係者を描いた『グッドナイト&グッドラック』を監督。この映画は事実に基づいた話だけに説得力があり、モノクロ映像も渋くて秀作だと思います。

また、中東の石油利権に関する問題を描いた『シリアナ』では助演のほかに製作総指揮も勤め、第78回アカデミー賞において『グッドナイト&グッドラック』で監督賞と脚本賞に、『シリアナ』で助演男優賞にそれぞれノミネートされ助演男優賞部門で初のオスカーを獲得しました。

私生活では大の野球好きで有名で、若い頃にシンシナティ・レッズの入団テストを受けたほど。また“マックス”と名付けた豚をペットとして寵愛していたものの、2006年18年連れ添った末に亡くなったそうです…。

そんなナイス・ガイ、ジョージ・クルーニーのPLAYBOY誌掲載の最新インタビューの内容は…

◆「最近は、脚本書きがますます面白くなってきた」

―『さらば、ベルリン』では痛めつけられるシーンが多かったから、新作のコメディではほっとしているのでは?

ジョージ・クルーニー(以下GC) 痛めつけられるのは幸先がいいんだ。『オー・ブラザー!』はゴールデン・グローブを取り、『シリアナ』でもゴールデン・グローブとオスカーをもらったからね。これからも、せいぜい痛い思いをするつもりだ(笑)筋が通っていてユーモアがあれば、スクリーンで男がぶちのめされるのを見るのは愉快なものだ。笑えるからね。軽率な行動で窮地に陥る男を演じるのは好きだよ。そういう役柄には惹かれるね。

―新作では脚本も書いてますね。どんな感じですか?

GC すごく楽しいよ。テレビの時代から、脚本には参加していたからね。最近ではますます面白くなってきた。今度の作品は、10年くらい前に書いた脚本を大幅に修正したものなんだ。去年の夏、イタリア滞在中に自分で書き直した。コンピュータは使わず、相変わらず紙で書いている。部屋中、紙だらけだよ。(中略)

◆「60年代は、政府を疑うことが当たり前だった」

―革命的な60年代には子供だったはずですが、政治意識はどのようにして身についたのですか?

GC ウォーターゲート世代だからね。あのころは政府を疑うことが、当たり前だった。ベトナム戦争ではトンキン湾事件やカンボジアへの極秘爆撃があった。映画でも『大統領の陰謀』や『候補者ビル・マッケイ』『地獄の黙示録』などがあり、これらはみな政府のやることに疑問を投げかけていた。おまけに父はジャーナリストだったしね。あの時代にニュースのアンカーマンをしていた。だから子供の頃からずっと政治的な事柄に興味を持っていたんだ。(中略)

◆今後の映画作りの指針は?

GC この業界がわかってきて、映画作りになじんだ今、考えているのは、限界を少し押し広げることだ。大抵の場合、一介の俳優にそんなことはできない。業界の内部に組み込まれて、自分がどんな位置にいるかわからないからね。だが、運が良ければ、自分の築いてきたキャリアを生かして、この業界の人々が普段やらないことを推し進めることができる。(中略)これからも、ドキドキできるような映画に関わっていきたいね。

ジョージ・クルーニーは、ハリウッドの中でも独立自尊型のタイプではないでしょうか。彼の人間的魅力は、男女を問わずに惹き付けるものがあります。その媚びないスタンスは、アイリッシュ系を感じさせる一面でもあります。

巨匠フランシス・フォード・コッポラインタビュー記事

2007-06-14 00:11:37 | クリエイティブ
こんばんは。

本日本屋を何気なく覗いていたら、月刊PLAYBOYの最新号の特集が『映画監督ほど素敵な商売はない』だったので、思わず買ってしまいました。

ご存知PLAYBOYは、1953年シカゴでヒュー・へフナー氏が創刊。マリリン・モンローのヌードで売り出したこの雑誌は、当初保守層からは冷たい視線を浴びながらも素人の女性を使ったヌードや充実した文芸記事が若者に受け、今やアメリカを代表する娯楽メディアとしての地位を築いています。

ちなみにあのバニーガールは、『PLYBOY』誌のマスコットとしてウサギをデザインして作ったことに端を発し、ヒュー・へフナーが編集長時代に雑誌と連動したキャバレー「プレイボーイクラブ」を発足させた時にウサギのマスコットを着せ、大好評を得たことが起源のようです。

私は学生時代、アマゾンの奥地で巨大淡水魚ピラルクーを釣り上げたり、北極で畳のようなオヒョウを釣る開高健の伝説連載記事『オーパ!』が大好きでした。オヒョウを釣るシーンは、確かサントリーのCMにも使われていた記憶があります。(※作家開高健はサントリー宣伝部の出身)

またリクルートに入社したての頃、PLAYBOYの編集記事における質の高い文章、エディトリアルデザイン、写真は格好のお手本で、古本屋で50冊近く購入し家に持ち帰り、記事を全てスクラップして徹底的に研究した思い出があります。

そんなPLAYBOYに掲載されていた、フランシス・フォード・コッポラの記事のリードコピーは…

「『ゴッドファーザー』という、映画界に不滅の金字塔を打ち立てたフランシス・フォード・コッポラ。本業以外でもワイン事業に成功し今や大富豪になったが、90年代初めまでの彼は何度も破産の憂き目に遭っている。まさに波瀾万丈の人生を歩んできた苦労人は、今再びメガホンを手に映画制作への情熱を燃やし始めた」

この記事はかなり面白かったので、さわりだけいくつかご紹介します。

◆当初は気が乗らなかった『ゴッドファーザー』製作

(中略)しかし実際のところ、コッポラは学生時代から近年に至るまで、人生のほとんどの時期を経済的苦労との闘いに費やしてきた。UCLA在学時代、B級映画監督ロジャー・コーマンのアシスタントに応募したコッポラは、料金不払いで電話回線を切られるほんの2時間前に合格の電話をもらっているが、電話を切られそうになったことなど、その後何度もある。(中略)

『ゴッドファーザー』についての電話がしつこくかかってきた時、コッポラは当時、仕事上のパートナーだったジョージ・ルーカスに「こんなギャングスター映画、やるべきだと思う?」と相談したのだという。ルーカスに「フランシス、僕らの会社は大赤字なんだよ。サバイバルのために君は仕事をするべきだ」と言われ、彼は引き受けることを決意した。

その結果、コッポラは、彼自身もが最初はバカにしていた「チープなギャングスター物」を、壮大なドラマに仕上げるという偉業を達成してみせたのだ。

◆俳優たちも辟易した型破りな演出法

(中略)常識にとらわれないコッポラのユニークな考え方と行動パターンは、映画制作の過程にもたっぷり披露される。

撮影開始前、主要キャスト全員を集め、数週間のリハーサルを行うのがコッポラの毎回のやり方。リハーサル中に俳優に即興を奨励し、いいセリフが出てくればどんどん脚本に取り入れる。リハーサル風景はビデオに収録し、いわばビデオ版のストーリーボードを作るのだが、そこまでしっかり準備するにも関わらず、とくに過去においては、撮影中も毎日のように別のことを思いついては脚本の書き直しを行うことで知られてきた。(中略)

この映画にはコッポラの甥ニコラス・ケイジも小さな役で出ているが、彼ですら「僕の撮影は3週間だったはずなのに、メイクもコスチュームも完璧な状態で6ヵ月も待たされた」とぼやいたといわれている。

◆新たなスターを発掘する卓越したキャスティングセンス

コッポラがアメリカ映画界に対して与えた最大の貢献のひとつに、新たなスターの発掘があったことは間違いない。限られた予算で映画を作るために、彼はしばしば、スターと呼ぶには地味なベテラン俳優と、誰も知らない若手の新人でキャストを構成するという手段を取った。

彼が目を付けたそれら無名の新人には、アル・パチーノ、ハリソン・フォード、トム・クルーズ、ダイアン・レイン、ヘレン・ハント、マット・ディロンなどが含まれる。

この俳優、と決めたらスタジオに反対されてもとことん闘うのがコッポラで、背が低く、当時映画の経験がほとんどなかったパチーノを『ゴッドファーザー』のマイケル役に起用するにあたっても、コッポラがさんざん粘ったため、スタジオはしかたなく「しょうがない、じゃあ、あの小人を使っていいよ」と渋々許可したのだと言われている。(※ゴッドファーザーでは、プロデューサーのロバート・エバンズとかなり派手な喧嘩を何回もしているのは有名)

◆70歳を目の前にして…これからのコッポラ

今年アメリカ公開が予定されている『Youth Without Youth』は同名の小説の映画化で、コッポラ自らが製作、脚本、監督を努める。物語は第二次世界大戦前のヨーロッパを舞台にしたロマンチックスリラー。ティム・ロス、ブルーノ・ガンツ、マット・ディモンらが出演、ロケはブルガリアで行われた。(中略)

コッポラはいつも、他人の脚本を使ったり、既存の小説を映画化するよりも、自分自身のオリジナルな物語を語ることを望んできた。(中略)

たとえば大衆向け小説『ゴッドファーザー』が映画史上に残る優れた作品になったのは、コッポラが「家族」という自分にとってパーソナルな視点から物語を展開していったためにほかならない。

一生死ぬまで続けられる映画監督という職業は、本当にヤリガイのある仕事だと思います。

有名監督のこだわりの向こう側を知ってから映画を観ると、また違った楽しみ方ができるかも知れませんね。

近所に綺麗なあじさいを発見!

2007-06-13 08:53:27 | 日常生活
おはようございます。

今朝散歩していたら、近所で綺麗なあじさいを発見しました。

やはり、花は見ていて気持ちいいですね。

花には、人の心を感動させる力があります。

高校時代は美術部、大学も最初は美大に通っていたので、静物画のモチーフとして油絵で花を描くことはよくありました。

ただ花瓶に入った状態の花と、自然にはえている花とでは全く違う印象を受けます。やはり自然にはえている花の方が、新鮮な驚きとたくましさを感じるのです。

このあじさいの場合も、道路脇からにょきにょきと出ていて、「俺達はここにいるぞ」という感じがして、なかなか可愛いのです。

自然は、人の気持ちを優しくしてくれる効果があるのかも知れません。

部屋に観葉植物を置くだけで気持ちは安らぐし、緑を多用したオフィスの方が緑のないオフィスよりも生産性が高いという話を聞いたことがあります。

どんなに忙しくても、普段から自然に接する機会を持つことは実は結構重要なことかも知れません。

ヒトラーの側近No,1の隠された戦後

2007-06-12 06:04:35 | インテリジェンスの歴史
おはようございます。

マルチン・ボルマンという人物がいます。

1945年11月、ナチス・ドイツの戦争責任を追及するために連合軍が開いた「ニュルンベルク裁判」は、起訴されたA級戦犯22名のうち、ヘルマン・ゲーリング(執行前日に自殺)やヨアヒム・フォン・リッペンドロップなど半数の11名が絞首刑を受けるという厳しい内容でした。

絞首刑を受けたリストの中でただ1人だけ逮捕を逃れ、死刑執行も免れた大物、それがマルチン・ボルマンです。

敗戦直前までナチスの副総統であり、総統秘書長、ナチ党官房長として絶大な権力を振るっていた彼の首にはあちこちから賞金をかけられ、ヨーロッパのいたるところで彼を捜索する動きが展開されましたが、その存在を明らかにすることはできませんでした。

そしてその謎に対する答えを明示した一冊の本が1997年出版され、話題を呼びました。

『ナチスを売った男』と題されたこの本を書いたのは、元イギリス諜報部員のクリストファー・クライトン。

当時イギリス首相チャーチルの関心事は、ナチスがヨーロッパの敗戦国から略奪した莫大な財産にありました。

ナチスの指導者たちが隠匿した現金、ゴールド、宝石、美術品、財産証書を連合国がいかに奪還するか―チャーチルの指示を受けた英国情報部のデズモンド・モートン長官は、1945年1月21日に極秘作戦『ジェームズ・ボンド作戦』(JB作戦)を立案します。

ちなみにこの作戦の総指揮はイアン・フレミング中佐で、あのジェームズ・ボンドの生みの親であり、007の主人公の名前の由来はこの作戦名からきています。

以下に目次を記します。

◆第1章/接触…ナチス外相の密使
◆第2章/背景…諜報員の誕生
◆第3章/指令…ヒトラーの財宝
◆第4章/犠牲…工作員パトリシア
◆第5章/着任…バーダムの侵入者
◆第6章/標的…党員番号60508
◆第7章/乱心…フォーキナーの秘密
◆第8章/再会…売国奴の紳士協定
◆第9章/水路…先遣隊潜入
◆第10章/廃墟…第三帝国の惨状
◆第11章/偽装…ボルマンの替え玉
◆第12章/新人…アイクの代理人
◆第13章/降下…ピグレットの小屋
◆第14章/拉致…カナリスの書類
◆第15章/脱出…戦火のベルリン
◆第16章/帰還…同志ナターシャ大佐
◆第17章/救出…切り離し作戦
◆第18章/謀略…モートンのメモ

この本がただの創作ではないと思われるリアルなシーンを、いくつかご紹介します。

■ベルリン脱出について

「移動手段はカヤックまたは軍用カヌーに最適なため、計画初期の段階から、作戦は水上を中心に行なうことに決まった。つまり、拉致班はシュプレー川とハーフェル川づたいに西(下流)にこっそり去ることができる。それから巨大なエルベ川を北西に進み、前進中の連合国軍と合流する。我々には、こうした作業をこなすことのできる人材も機材も経験もあった」

「脱出の際の服装だが、フレミングとブラビノフ、私は次のような格好をすることにしていた。ウルスラの防水ジャケットとズボンを改造したものに、ソビエトの特殊諜報部の記章を付ける。ただし帽子と外套はナチスのSSのものにする。地下壕の周辺では、この出で立ちで、正体がばれる可能性を最小限に食い止められる。いったんカヌーに乗り込んだら、もしくはソ連軍に遭遇したら、外套を脱ぎ捨てればよい。雑嚢の中には、兵卒に変装するときのために、海軍の制服(英国もしくは米国のもの)とドイツ国防軍の制服も入っていた」

■逃亡中のボルマンの様子について

「事前の打ち合わせでは、ボルマンは屈強で冷徹な謀略家に見えたが、今ここで敵の手中にいる一個人としてのボルマンは、非の打ちどころのない振舞いをしていた。不服も漏らさないし、癇癪(かんしゃく)を起こすこともない。私は一緒のカヤックに乗っているため、彼に接する機会がいちばんあるが、従順なだけでなく、協力的で勇ましく、かつ強靭な肉体の持ち主であった。驚くほどの腕力である。私の二倍近くあるかもしれない。私の覚えている限り、海軍の新兵で、ボルマンほど速くカヤックをこげる者はいなかった。障害物を越えての強行軍でもへこたれなかったし、判断力も確かだった。これなら、いかに海兵隊の鬼軍曹でもケチのつけようがない。いつしか我々は、彼にも何かと仕事を任すようになった」

■バーダムでの尋問について

「バーダムで、ボルマンは数ヶ月にわたり、秘密情報について集中的に尋問を受けた。800枚にもおよぶ報告書の各ページには、ボルマン本人と尋問担当官の頭文字が署名されている。この貴重な歴史的文書(バーダム文書)には、ボルマンの1920年代から1945年までの個人史とナチ党についての供述が記録されている」

「この供述の結果、彼とヒトラーの関係について興味深い事実が明らかになった。尋問開始当初、ボルマンはヒトラーを“総統”と呼び、指導者としてそれ相当の敬意を払っていた。ところが尋問が進むうち、“あの馬鹿なじじい”といった、もっとひどい言い方をするようになった」

「ボルマンは、1945年3月の時点で、この戦争に勝ち目はないことに気づいていた。その事実に直面しようとしないのは、権力を掌握しているあの男だけだ。冷静で計算高いボルマンは、いつそのような事態になっても、最後までヒトラーを利用しようと決心していたのである」

■ボルマンの隠匿工作について

「ボルマンがMセクションの担当者から尋問を受けている間、ヨーロッパのいたるところで彼を捜索する動きが展開していた。(中略)彼が発見されるのを阻止するためには、外見や態度から声までも、可能な限り変えなければならない。この問題について何回か話し合った後、モートンはふたたび形成外科医のアーチー・マッキンドーに依頼することにした。(中略)何回も手術を重ねたおかげで、ボルマンの容姿には微妙ではあるが見事な変化が生じた。耳の形は変えられ、唇は厚みを増した。手の甲は皮膚を移植され体毛が薄くなり、指紋も変えられた。鼻は少し削られて低くなり、額の傷は長く延長された」

■目的の達成部分について

「スーザンによると、2人の協力のおかげで“めざましい”成果が得られたという。手配中のナチ党員たちの行方が明らかになり、膨大な現金や宝石や金が回収されるなど、大きな収穫が得られた。自由世界の金融や経済を支配して第三帝国亡命政府を樹立しようという企みも阻止することができた」

■英国に滞在したボルマン

「1945年から1965年にかけて、ボルマンは英国で暮らした。しかしその間、ブラジルやアルゼンチンなどの南米諸国や他の地域に出かけた。そのときは必ずMセクションやCIA(OSSの後を受けて設立された)の監視付きであった」

■ソ連の追求と南米への逃避

そして1956年4月初め、ソ連指導者ブルガーニンとフルシチョフの公式訪問の直前、スーザンはアンソニー・イーデン首相に呼びつけられ、英国がボルマンをかくまっているという疑惑のおかげで厄介なことになっていると強い調子で叱責された。(中略)

1956年4月29日、ボルマンは護衛つきでアルゼンチンに飛び、そこでふたたびブラビノフと会った。しかしそのころには、彼の健康は悪化していた。まだ55歳であったが、世に知られずどこかで落ち着いて暮らしたいと願った。結局、パラグアイを安住の地と定めてひっそりと暮らし、長い闘病生活の末、1959年2月にこの世を去った。

ボルマンは地元の墓地に埋葬されたが、しばらくしてCIA、パラグアイ政府、ドイツ諜報機関との密約により、彼の遺体は掘り起こされ、ベルリンに送り返された。そしてユラップ・フェアグラウンドの砂に新たに埋葬され、それが1972年にうまい具合に発見されたというわけである」

■チャーチルの情報公開許可と007誕生秘話

「本書に記された物語は、多くの読者にとって信じ難いものであろう。私に言えるのは、半世紀以上も前に起き、(その性格上)ほとんど記録の残されていない作戦について真実を書き残すために、全力を尽くしたということだけである。私の文学的な創作力は限られていることもお断わりしておく。ストーリーを作り上げることなどできはしなかった。また、私には、ここに含まれた詳細な技術的情報の収集能力もなかった。それどころか、私は自分自身の記憶や、本書で語られている出来事の直後に私と私の同僚が作成した公式記録に頼らざるをえなかったのだ。

諜報担当士官としての私の仕事は、第二次世界大戦中はもちろん、その後も最高度の機密保持が要求された。この物語を公表することについて、私はサー・ウィンストン・チャーチルからもマウントバッテン卿からも書面による許可をもらっている。ただし、両人からは、それは自分の死後にしてほしいと念を押された。

また同時に、私のかつての同僚たちの生命を危険にさらすようなことはしてはならないとも命じられた。その後イアン・フレミングからも、私に、この物語の公表を促す手紙をもらったが、そのなかで彼は、大成功をおさめたジェームズ・ボンド小説の発想の源は実はこの共同作戦にあったことを明かしている」

少し長くなりましたが、戦後のナチスの財宝の行方は格好の小説のテーマなだけに、“事実は小説より奇なり”を地でいくこの本の中身は、かなりリアルで面白いと思います。

そういう意味では以前書いたベレゾフスキーは、“現代版ボルマン”といったところでしょうか(笑)。