あるマーケティングプロデューサー日記

ビジネスを通じて出会った人々、新しい世界、成功事例などを日々綴っていきたいと思います。

リクルートでのいかだ作りの思い出

2006-12-15 22:08:57 | 研修プログラム
こんばんは。

美容室のスタッフのモチベーションを高めながら、グループワーク他を通じてコミュニケーションスキルをアップさせ、チームワークを強化していく。

私はこの研修プログラムのコンセプトを、“楽しく、学べて、明日から使える”に設定しました。

従来の研修のイメージは、会議室に机と椅子があり、講師が一方的にマイクを持って話すというものです。

しかし、これでは参加者のモチベーションも上がりません。研修の目的は、参加者が研修を受ける前よりも受けた後に明らかに成長している状態になり、翌日からの活動に学んだことを生かすようになることです。

そのためには、五感に訴える仕掛け、時事性、共感性、ストーリー性を駆使したエンターテイメント性が必要なのではないかと考えました。

今でも忘れられない記憶があります。

リクルートの内定者向け研修で、海岸でグループに分かれていかだを作ったことがありました。出身大学が異なるメンバー5人が一チームになり、時間内でいかだを設計し、海岸に置いてある資材から必要なものを選び、沖に浮いているブイまで全員乗って回って帰ってくるというゲームです。

チーム内で役割分担をし、スピーディにプランニングし、成果を競う。それは、まさにビジネスのシミュレーションそのものでした。

私達のチームは役割分担も資材調達もいかだの構築も8チーム中1位で、勢いよく海に飛び出したのは良かったのですが、浮力を重視した真四角のデザインをしてしまったため漕いでも漕いでも回転して全く前に進まず(笑)、海岸に戻ってきたのは最後から2番目でした(泣)。

結果はともかく、この研修プログラムは参加メンバーに設計、スケジュール管理、チームワークの重要さを“理論ではなく、体で覚えさせた”のです。

しかも、チームの構成は異なる事業部・部署の人間を組み合わせることで、その後の業務におけるスムーズな部署間の連携を促進するものになっていました。

楽しい・面白いということは、新しいということです。

新しさは、成長につながります。

あのいかだ作りの時に感じた、“感動と興奮に満ちた研修プログラム”を作れないだろうか。

そんなことを考えながら、設計作業に入りました。

課題の設定

2006-12-14 23:03:18 | 研修プログラム
こんばんは。

美容室のスタッフのモチベーションを上げるために、何ができるだろうか?

オーナーと飲んだ翌日から、頭の中にいろんなアイディアが駆け巡りました。

まず美容室のスタッフのモチベーションを構成すると思われる要素を、一つ一つノートに書き出してみました。

オーナーのビジョン、お店の立地、お給料、勤務時間、現場での人間関係、売り上げ状況、技術教育環境、キャリアイメージなどです。

この美容室の場合、スタッフはオーナーの考え方に非常に共鳴しているのが、現場にいるとひしひしと伝わってきます。また立地も良く、お給料も高いので、優先順位の高い問題は、現場の人間関係だと設定しました。

美容室の場合、店舗の現場は通常店長、スタイリスト、アシスタントの3職種に分かれ、店長はスタイリストを兼ねることも多いようです。

そしてスタイリストとアシスタントの差は非常に大きく、コミュニケーションの連携プレーが上手くいかないと業務も上手く回りません。

そうすると、人間関係を強化しながら業務のGOAL(顧客満足)を再認識する“チームワークの構築”こそが、優先順位の高い課題なのではないかと考えました。

チームワークの重要さをどう伝え、理解してもらうか。

今度は具体的なプログラムの中身について、設計に入りました。

立ち飲み屋での会話―後編

2006-12-13 22:43:53 | 出会い
こんばんは。

引き続き、オーナーとの立ち飲み屋さんでのやり取りを書いていきます。

オーナーが目指す美容室経営の形、それはお客様のニーズに応えながら、従業員スタッフの幸福も追求し、地域社会に貢献するというものです。

そのためには、“全てにおいて、最高のものを提供する”という徹底したこだわりがあります。

最高の接客、最高の技術、最高の商品、そして最高の空間。

ドアを開けた瞬間迎えてくれるスタッフの明るい笑顔と“こんにちは!”の明るい言葉、待っている間に座るソファのそばにはスタッフの自己紹介ファイルとプレイステーションが置いてあり、椅子は一つ100万以上するイギリス製の高級商品、店内販売商品も世界最高級クラスのものをとり揃えています。

特に技術には妥協を許さず、就業時間が終わる21時以降は徹底した技術練習が実施されています。

「全てのお客様に、最高のものを提供したいんです。そのためには、他のお店で経験を積んでうちのお店に入った方にも、一から徹底して技術を学んで頂きます。技術講習にもどんどん出てもらいます。そのための努力は、一切惜しみません。お客様にとって最高に信頼されるビューティサポーターとなり、美容業界の一大ブランドを目指したいんです。」

オーナーはそう語ってくれました。しかし残念なことに、オーナーが経営するお店は他のお店と比べると求められるレベルが高いため、転職してきたスタッフの中には最初は戸惑うことも多く、度々スタッフの突然の退職に頭を悩まされていました。

最高のサービスを提供するための訓練と働くスタッフのやる気の両立―いろんな話をするうちに、それが大きな経営テーマとして浮かび上がってきました。

「これは、ヤリガイのある仕事になるかも知れない。」

ふと、そんな予感がしました。時計を見ると、午前2時。夕方6時から飲み始め、なんと8時間も同じお店でオーナーと語り合っていたのです。

そして自分なりに何ができるか整理して、次回プランをお持ちすることになりました。

立ち飲み屋さんでの連続8時間の飲みでしたが、全く疲れを感じず、オーナーと別れた後帰りのタクシーの中で、自分の中にアドレナリンが充満してくるのを感じました。

立ち飲み屋での会話―前編

2006-12-12 15:41:11 | 出会い
こんにちは。

昨日のお話の続きです。

その人気美容室のオーナーと近所の立ち飲み屋さん『福ちゃん』に行ったのは、夕方6時頃でした。

その時間帯はまだお客さんもまばらで、ビールをかたむけながら最初はイギリスの60年代の音楽やファッション、歴史などのテーマについて盛り上がりました。

オーナーはそのお店ではかなり馴染みらしく、カウンター内の個々の店員さんともかなり仲が良さそうでした。

「このお店は、この地域に住んでいる人がふらっと気軽に立ち寄れる良いスポットなんです。8時くらいから段々混んできますよ。たまに有名な俳優さんとかも来るんです。お客さん同志カウンターで盛り上がって、“久しぶり!”なんてことはことはしょっちゅうです。」

料理も美味しく、特にアジの天ぷらが絶品でした。カラっといい感じで揚がっていて、身も厚く、それでいてお値段もビックリするほど安いのです。

おでんやポテトサラダなどをつまみながら、お酒もビールから焼酎、ホッピー、日本酒と、一番酔いやすい“魔のチャンポンコース”へと突入していきました。

お互い酔いが回り始めた時、オーナーは自分の夢について語り始めました。

「私が普通の会社を辞めてこの業界に入り、最初に入ったお店はひどい環境でした。オーナーが儲けは全部自分が独り占めして、スタッフは安い給料で休みもなし。本当にきつかったです。だから、自分のお店が持てるようになった今、スタッフには絶対あんな思いをさせたくないんです。お客様に満足して頂き、どんどん稼いで欲しい。うちのスタイリストの中には、僕よりお給料もらっている人もいます。スタイリストが頑張ったら頑張った分、車やマンションを買えるようにしていきたいんです。」

私もオーナーの考え方に、とても共感を抱きました。

そしてその辺から事業についての考え方や実際の問題点について、一気に話が進んでいきました。

時計の針は夜の10時を指し、お客さんも混んできていました。

ある人気美容室オーナーとの出会い

2006-12-11 07:35:03 | 出会い
久しぶりにブログを再開したいと思います。

最近の活動としては、人気美容室のコンサルティングからスウェーデン陸軍製自転車やベビーワゴンの輸入販売プロモーション、飲食コンサルなど幅広くなってきています。

まずは、世田谷区にある某人気美容室のコンサルティングについて書いていこうと思います。

ここのサロンはとても人気が高く、最寄り駅の人気美容室ランキングで一位になったりしているお店です。

ワンナイロックンロールが大ブレイクしたには、ゴリエちゃんがお店に来てかなり話題になったそうです。

ここのオーナーが非常にユニークな方で、最初は普通の会社に入社し、その後美容業界に入ったという、この業界では珍しい経歴の持ち主でもあります。

そしてそのファッションスタイルも、かなりキテます。

まず金髪です。服には、銀色のビスが入っています。そして、キムタクと同じ指輪をはめています。

そんなオーナーがサングラスをかけた状態で喫茶店で私と打ち合わせしている風景は、どう見ても外タレとそのマネジャーにしか見えません…。

そのオーナーと意気投合したのは、ある日近所の立ち飲み屋に行った時のことでした。