あるマーケティングプロデューサー日記

ビジネスを通じて出会った人々、新しい世界、成功事例などを日々綴っていきたいと思います。

アメリカ崩壊は止まらない

2008-07-13 17:17:29 | 海外事情
今週の週刊文春に、面白い記事が掲載されていました。

日本の銀行に勤務した後、ゴールドマン・サックスに転職し、今はロバーツ・ミタニという投資銀行を経営されている神谷秀樹氏による「ウォール街現地報告 危ない銀行150行 アメリカ崩壊は止まらない」というものです。

さすが業界に精通されている方だけあって、生々しい事実も交えながらリアリティに満ちたレポートになっています。その一部を、ご紹介します。(※以下、週刊文春2008年7月17日号より抜粋)


今月3月、ウォール街の知人から、こんな話を聞きました。

「ベア・スターンズの元社員が二人相次いで、ハドソン川に身を投げて自殺したそうだ」

この数日前、米国第5位の投資銀行ベア・スターンズが経営破綻、米銀大手のJPモルガン・チェースに「1株2ドル」で買収されそうだ、という話(後に1株10ドルで買収された)が出ていました。身投げしたという元社員は、自分の年金のほとんどを自社株で運用していたそうです。1年ほど前の同社の株価は170ドルでしたから、彼らの絶望は想像に難くありません。

サブプライム危機の前までは、彼ら金融マンはわが世の春を謳歌していました。最新の金融技術でバブルを生んだ米国の金融業界は、全米の企業収益の30%から40%を稼ぎ出す巨大な存在でした。私が近著『さらば、強欲資本主義』(亜紀書房)で指摘した「今日の儲けは僕のもの、明日の損は君のもの」という風潮が、米国経済の「エンジン」となっていたのです。

しかし高級車を乗り回し、海辺に別荘とレジャーボートを買い、勝ち組を自負してきたウォール街の人々は、サブプライム問題で一転、窮地に追い込まれました。

フロリダでは今、ローンの返済に窮した人々が手放したレジャーボートが叩き売りされています。マンハッタンでは、二週間前でないと予約が取れなかった金融マン御用達の高級レストランが、今では当日でも簡単に予約を取れます。

それでも職があるだけまだマシ、というのが実情です。昨年米国の金融業界では約15万人が解雇され、今年はさらに約17万人がクビになると予測されているのです。

現在、破綻が懸念される「危ない銀行」の数は、全米で総計150行にのぼると言われており、中には、創業150年を越える老舗投資銀行の名前もあります。

私のもとにも、しょっちゅう知らない人からの“レジュメ(履歴書)”が舞い込みますし、他の投資銀行を買収しないかという話も二週間に一つくらいは寄せられています。

このひと月ほどで米国の金融市場、実体経済ともに悪化のスピードが加速している―これが私の実感です。(※中略)

新車販売台数は、ピークだった年間1700万台から約300万台も落ち込み、GMを筆頭とする“ビック3”でさえ、いつ“チャプター11(連邦倒産法11条。日本でいう会社更生法)”を適用してもおかしくない状況です。

燃料代の高騰が深刻な航空業界も再編は必至で、中小の会社は既に撤退し始めています。米国最大のコングロマリット企業であるGEは、創業事業として百年の歴史を誇る家電部門の売却を発表。小売業の雄として注目されたスターバックスも全米で500店舗を閉店します。

経営破綻し、更正法を経ずに精算される会社も増加の一途をたどり、製造業から小売業まで、米国の企業は、あらゆる分野で衰退しているのです。

その実態は株価に如実に反映されています。NYダウ平均は、昨年10月につけた過去最高値から20%も下がり、“ベアマーケット(相場の下落が続いている市場”に突入しました。


◆教会で実態した米国人の変化

サブプライム問題自体も、収束する気配はありません。企業や金融機関の業績が発表されるたびに、関連損失は膨らむ一方です。

08年1-3月の住宅価格は前年比で14%下落しましたが、いまだに底は見えません。米国の住宅産業は1年分以上の在庫を抱えており、これは、第二次大戦以降最悪の状況です。

サブプライム問題は、庶民の生活を直撃しています。特にひどいのが、カリフォルニア、フロリダ、アリゾナ、ラスベガス周辺です。多くの住民がサブプライムローンで住宅を購入しており、軒並み“フォークロージャー(差し押さえ)”されている。結果、空き家が林立することになりました。事実上“スラム”化し、社会問題となっている地域もあります。(※中略)

これまで米国のGDPは、実に七割が個人消費に支えられていました。その内実は、クレジットカードやホームエクイティローン、自動車ローンなどの借金です。つまり、欲しいものは借金して買えばいい、という「消費癖」とそれを可能にする過剰流動性が米国の「成長政策」のエンジンだったわけです。消費がしぼめば景気が停滞するのは自明の理なのです。(※中略)

この危機にどう対応していくのか。そこに自ずと国のビジョンが問われます。遅くに失した感はありますが、米国では強欲資本主義の総括が始まりました。

先日はベア・スターンズのファンド・マネージャー2名が、顧客に虚偽の説明をした容疑で逮捕されました。FBIは現在、サブプライムローン問題を引き起こした連中を中心に、一説によると400人もの金融犯罪者を追いかけています。(※中略)

今こそ研究開発投資を進め、知恵を絞り、汗水流して働いて、不況を克服する革新的な商品やサービスを生み出す努力をすべきです。それが危機を脱する唯一の方策です(※中略)


こういった激動の時代だからこそ、歴史から学ぶ必要があるような気がしています。先日、本田宗一郎について発表会をしました。先人から学ぶ知恵と謙虚さをもって、本質を見失わないようにすることが重要だと思います。

オバマの素顔

2008-03-01 13:27:36 | 海外事情
毎週買って読む週刊文春の好きなコーナーの一つに、『私の読書日記』があります。

今週は日本を代表するノンフィクション作家、立花隆氏でした。その中で、今話題のアメリカ大統領選のオバマ氏とクリントン氏について興味深い話が出ていたので、ご紹介したいと思います。
(※以下引用)

ヒラリーは、有能という点では驚くほど有能である。クリントン時代、夫人のほうが有能といわれたくらいだから、大統領の仕事を明日からでもバリバリこなせるだけの能力を持っている(選挙戦でも、オバマとの対比で、そこを自分のセールスポイントにしていた)。

性格的にも強すぎるほど強い女性。いざとなったら戦争指導者にもならなければならない大統領の資質も持っている。

またこの人は逆境に強い。叩かれば叩かれるほど強い。これまで職業(弁護士)生活でも、大統領夫人としての政治生活でも私生活でも、数々の逆境に見舞われたが、いつも見事に切り抜けてきた。

だが、その常人をこえた有能さと強固すぎる意志力が一部の反撥をまねき、当選絶対有利といわれた選挙戦でズルズルと星を落とす原因を作った。

一方のオバマはというと、これまた大変な人物である。それが、二冊のミリオン・セラー『合衆国再生 大いなる希望を抱いて』(ダイヤモンド社発売)と『マイ・ドリーム バラク・オバマ自伝』(ダイヤモンド社発売)を読むとわかる。

オバマが演説の達人で、聴衆が沸きかえる会場の様子がロックコンサートなみであるところから、バラクを単なる口舌の徒とみなし、アメリカの小泉純一郎のごとくいう人がいるが、とんでもない。小泉とはケタが二ケタくらいちがう大物だ。

著書の内容も濃い。オバマはハーバード・ロースクール時代、名門法律専門誌『ハーバード・ローレビュー』の歴代最初の黒人編集長。イリノイ州選出の上院議員になるまではシカゴ大学ロースクールで憲法学を教えていたという超一流の法律専門家。それがろくな資金もなしに徒手空拳(スタッフたった4人)で上院選に出馬。下積みの人々の暮らしの中に入っていくところから政治生活をはじめている。

忙しい人は、『合衆国再生』の最初の一章だけでも読むといい。実に見事にアメリカの現代社会を分析している。これだけ水準が高い本を書ける政治家は日本に一人もいない。

ペン1本で時の絶対権力者田中角栄を倒した人だけに、その言葉には説得力があります。

ロンドンの人気スポット セルフワインバー

2007-08-26 11:34:34 | 海外事情
おはようございます。

今月の雑誌『Pen』からもう一つ。

この雑誌の魅力は優れた特集記事以外に、海外の主要都市のトピックスをレポートする連載コーナーがあります。

ニューヨーク、パリ、ロンドン、ローマ、ベルリン、ストックホルム、ソウルの各都市の最新模様を1Pずつ伝えるコーナーですが、今月号にワイン関連のニュースが掲載されていました。

ロンドンの今一番旬なデパート、セルフリッジの1階の「ワンダーバー」が、人気スポットになっているのです。

ここのワインバーの大きな特徴は、50種類にも及ぶワインをプリペイカードを購入し、25ml、75ml(グラス約半分)、125ml(グラス約1杯)と好みのワインを好みの量で飲めること。

これだと、ボトル1本購入するには躊躇してしまう超高級ワイン、シャトー・ぺトリュスの1996年もの(25mlで32ポンド)も気軽に味わうこともできます。

このワンダーバーは、チーズやハムなどのつまみも充実しているとのこと。

新潟駅にある日本酒テイスティングコーナーのお洒落なワイン版が、ロンドンにも誕生したんですね。

フェラーリの正体

2007-08-22 12:20:10 | 海外事情
こんにちは。

今月の雑誌Penの特集は、『孤高のブランドを徹底解剖!フェラーリの正体』です。

フェラーリのイメージと言えば、黒のサングラスがトレードマークの今は亡きエンツィオ・フェラーリ、F1での輝かしい歴史、ミハエル・シューマッハの前人未到の記録、真っ赤なボディの超高級スポーツカー、跳ね馬のロゴといったところでしょうか。

そんなフェラーリの知られざる一面を、今回の特集はあますところなく伝えてくれています。ちょっと一部を御紹介したいと思います。

全ては、エンツィオ・フェラーリのレースにかける情熱から始まったことだ。
彼はスペシャルなブランドを作り上げようとしたわけではないし、ファンに喜ばれるクルマを世に送り出そうとしたわけでもない。

レース好きの彼は、とにかくレースに勝ちたかった。
そのために、自分のレーシングチームを組織し、最速のエンジンを開発した。
いくらか自分たちに都合の良い嘘をついたりもしただろうが、ただ、それだけだ。


◆ただただ速さを求め、フェラーリを神話にした

当時はスポンサー企業を募るという手口は主流ではなかったから、資金を捻出するため、レースで使用したエンジンやボディを売った。レースで使われる強力な12気筒エンジンや軽量ボディは、一般には手に入らなかったから、レース好きはこぞってフェラーリの売りに出すものを欲しがった。

◆数字から読み解く、フェラーリの正体

○売上高営業利益率12,6%
→日本を代表するトヨタは2006年で9,3%

○売上高2,245億円
→トヨタは2006年の売上高24兆円、企業規模としては100分の1

○営業利益309,3億円
→従業員数や販売台数などから見れば、効率の良い事業所ということに

○投資および研究開発費392,1億円
→自動車部品最大手のデンソーですら約2,800億円。会社の規模からすると桁外れに多い。

○全売上に占めるブランド関連ビジネスの割合23,0%
→売り上げに占める割合が高いのは、ブランド・イメージの好感度の高さを物語る

○販売1台あたりの営業利益545万円
→トヨタの一台あたりの営業利益は約27万円。フェラーリはトヨタの20倍。

○従業員数2,870人
→トヨタ単体が6万7,650人。売り上げは100分の1だったが、こちらは100分の4。

○年間販売台数5,671台
→潜在需要に比べて、販売台数が驚くほど少ないから納車まで1年2年待ち状態。

○市販車の直接的な宣伝・広告費0円
→F1を走らせることが、市販車販売のバックアップになるフェラーリ独自の仕掛け

いろんな数字を見ると、意外と堅実な経営をしていることがわかります。

ただこれには理由があり、ローマ大学卒業後NYコロンビア大学で学んだルカ・ディ・モンテゼーロという優秀な実務家が仕切っているのです。

貴族出身のモンテゼーロは、73年フェラーリF1のマネージャーに就任、3連覇に導きます。77年にはフィアットの役員に就任、90年FIFAワールドカップ・イタリア大会事務局長後、フェラーリの会長へ。現在はフィアットの会長も兼務しています。

面白いエピソードがあります。

彼はローマ大学時代アマチュアレーサーとしてならし、コロンビア大学から帰国して間もなくエンツィオ・フェラーリに請われ26歳でフェラーリのチーム・マネジャーに就任。それまでのどのマネジャーよりもタフで人望が厚かったらしく、瞬く間に混迷の極にあったチームを立て直し、就任2年目でドライバー、コンストラクターの両部門でタイトルを獲得します。

彼が去るとチームはまた低迷期に入ったので、オーガナイザーとしての力量は相当だったと思われます。

華麗な血と、最上級のキャリア、そして華々しい実績。しかも外見は映画スターばりのカッコ良さ。

“イタリアでもっとも人気のある男”と言われる所以です。

『ビリーズブートキャンプ』を超える本物の軍隊訓練

2007-07-11 13:03:19 | 海外事情
こんにちは。

今、1週間で結果を出す“軍隊式エクササイズ”として話題の『ビリーズブートキャンプ』。

ビリー隊長の名台詞とユニークなアクションが受けて、5月には日本だけで20万セットを売り上げたそうですから、かなりのものです。

ちなみにブートキャンプとは“軍隊の新兵訓練”のことだそうで、では本物の軍隊訓練はどうかと言うと、その模様が週刊プレイボーイに掲載されていたのでちょっとご紹介したいと思います。

◆米陸軍の場合(17~21歳男子)
・腕立て伏せ82回/100点
・腹筋92回/100点
・3,2㎞持久走11分54秒以内/100点
※合計300点満点で評価、米海兵隊もほぼ同様の内容
※これをクリアした場合でも一般隊員に過ぎない
※訓練期間中わずかなミスをすればその場の全員が腕立て伏せ。これが1日1,000~1,500回に及び、養成過程で70%が落とされる

スタンブリー・キューブリックの名作『フルメタル・ジャケット』には、上記の海兵隊の兵士育成過程がかなり生々しく描かれています。

◆ファーストクラス(1級)となって狙撃手コースや偵察部隊コースへ進む場合
・4,8㎞持久走18分以内
・懸垂20回
・腹筋2分間で100回
・フル装備で遠泳する水泳検定1級を取得
・射撃検定特級を取得

◆米海軍特殊部隊SEALSの場合
・500ヤード(457m)水泳8分以内
・6,4㎞持久走30分以内
・腕立て伏せ、腹筋、2分間で各100回

◆フランス特殊部隊GIGNの場合
・警察犬との格闘訓練
・空挺師団と一緒にアルプスでのスキー・登山訓練
・ル・マン・サーキットでの高速運転訓練
・セーヌ川の遊覧船の下に潜り、素潜りで18mの水底まで行き、そこにある問題に解答して戻る

◆米陸軍特殊部隊グリーンベレーの医療衛生コースの場合
・通常の応急措置
・抜歯
・皮膚移植
・盲腸の手術
・手足の切断技術
・ピストルやナイフで傷つけた犬を手当てするドッグ・ラブ訓練

タイガー・ウッズの父親も、こんな訓練を受けていたとは驚きです。

◆米陸軍特殊部隊デルタフォースでの心理チェック
・糧食1食分で36時間野外行軍させて、その最中に数学の問題を出したり、数日間の徹夜を強いられる野外課程から帰ってきたところで難解な書物を渡され、18時間以内にレポートを提出する

◆南アフリカ共和国のスペシャル・フォース・ブリゲード(特殊戦旅団)の選抜訓練「ジャングル・サバイバル」
・候補兵は戦闘糧食半日分、コンデンスミルク1缶、ビスケット12枚だけを渡される。ちなみにビスケットは12枚中8枚はガソリンがかかっている。ジャングルで5日間行き抜き集合地点に集まると、教官から「ここは間違って伝えられた集合地点で、正しいゴールは30㎞先」と言われ、ここで怒ったり脱力した者は失格

これらは、企業の人材採用&育成プログラムに応用できる部分もありそうです。要はいつの時代も、“タフで切れる人材が求められる”ということですね(笑)。

世界のセレブ御用達 “節税天国”オランダ

2007-06-23 04:17:38 | 海外事情
こんばんは。

自宅の古い雑誌を整理していると、いつの間にか記事を読み耽り、一向に作業が進まなくなることがよくあります。

今日もそんな感じで、一冊の雑誌のある記事をまた読み返していました。

それは雑誌『クーリエ・ジャポン』の「スートンズからベッカム、ボノまで/世界のセレブを優遇する“節税天国”オランダ」という記事です。

この記事によると、ロン・ウッドを除くローリング・ストーンズのメンバー3人は過去20年間オランダの節税を利用することにより、約540億円の所得に対し、わずか約8億6400万円の税金しか納めていないそうです。これはたったの1,6%であり、英国の場合は40%課税されるとのことなので、38,4%=約207億円(!)浮かせていることになります。

株を従業員の名義にして莫大な相続税を逃れた西武堤家も、ビックリの金額ですね(笑)。しかも、合法です。

節税と言えば、カリブ海のケイマン諸島をはじめとするタックスヘイブン(租税回避地)が有名です。ここは取引によって得た利益を守るために、ヘッジファンドや非公開投資会社が高いお金を払って数多く登記しています。

しかし、音楽や映画といった知的財産から派生する収入を得るパターンが多いセレブにとっては、ケイマン諸島よりオランダの方が税制上有利なのです。

実はオランダでは、ロイヤリティーは課税されないのです。つまり、アーティストやスポーツ選手のパフォーマンス、レコーディング、トレードマーク、ブランド、特許、著作権、映画化権、CM出演、映画やビデオに出演することに支払われる対価に対しては、税金がかからないのです。

そういった事情から、大手レコードレーベルEMIやコカ・コーラ、ナイキ、イケア、グッチといった多国籍企業がこぞって持ち株会社を設立し、オランダのタックスシェルターを活用しているのが実態のようです。

またこの記事によると、海外の企業や裕福な個人がロイヤリティーや配当、利払いに対する課税負担を軽減するために設立するペーパー・カンパニー(メールボックス・カンパニー)が約2万社存在し、近年急速に増えているそうです。

ちょっと以前に「よ~く考えよう~、お金は大事だよ~♪」というフレーズとアヒルで有名な某外資系保険会社のCMがありましたが、ほんとその通りですね(笑)。

台北の名物 夜市

2007-05-06 22:50:58 | 海外事情
こんばんは。

ステファン氏との出会いがあった翌日、我々はウィンザースウェーツホテルをチェックアウトし空港に向かいました。そこでEVA航空で、一路台湾へ。

夜に台湾の中正国際空港に着くと、そこから台北(タイペー)まで高速バスで移動しました。空港を出てバス発着場まで荷物を引きずりながら右往左往し、やっと見つけたバスの発着場も台北に行くバスはどの場所なのか、台湾語がわからないのでかなり不安でした。英語の表記はほとんどなく、愛想の悪い窓口のおばちゃんに「タイペー、OK?」と単語を投げてようやく確認を取り、高速バスに乗り込みました。(この時タイが天国に思えました…)

空港から台北までは、1時間半くらいだったでしょうか。値段は、日本円で約300円位だったと思います。途中バスの窓から見える周りの街の風景はかなり殺風景で、時折お店のネオンが見えたり、建物もさびていたりして古いものが多く、高度成長期を迎える前の日本もこんな感じだったんだろうなーと、ちょっと感慨にふけりました。

しばらくすると、重大な問題に気付きました。言葉が全くわからないので、どこで降りたらいいのかわからないのです(泣)。すぐさま私達はバスの中で地図を広げ、外の風景の中に見える地名を必死で探し、それを頼りに現在位置を確認し、降りるタイミングを判断しました。

バスから降りて、宿泊するホテルを見つけた時の安堵感は、言葉では言い表せません(笑)。やっと着いたという感じです。おそらく日本人で台湾に旅行する人は、ツアー客が多いのではないでしょうか。年配の人には、絶対無理です(笑)。

ホテルでチェックインすると、私達はフロントの人に台北の美味しい場所や面白いところを聞きました。時間は既に夜の10時を回っていたので、開いている場所は限られていると思ったからです。

すると「台北には夜市というのがあって、屋台が一杯出ていてショッピングもできます」とのこと。早速、タクシーを飛ばしました。

10分くらいで着いたその場所は、日本でいう原宿の竹下通りにお祭りの屋台を合体させたような感じの所でした。来ている客層も若者が多く、屋台は簡単な台湾料理からおもちゃ、りんごあめなど日本のお祭りで見るものと同じものも多く、親近感を感じました。人の数は半端ではなく、ラッシュ状態です。日曜日の夜11時なのに、若者がこんなに多く遊んでいるのはなぜなのかと不思議な気持ちになりました。

若者向けのエリアだけに時計やジュエリー、服のお店も多く、あんまり美味しいお店が見つかるイメージが涌かなかったので、我々はフロントの人に教えてもらった別の屋台村ゾーンに移動することにしました。

ウィンザー スイーツ ホテル

2007-05-05 16:47:11 | 海外事情
こんばんは。

パタヤからバンコク市内に入り、本日宿泊するウィンザースイーツホテルへ。このホテルは全室がスウィートで、バンコク市内の中心を通るスクンビット通り沿いから少し入ったところにあります。

このあたりは日本でいう丸の内や銀座といった風情があり、高級マンションやホテル、エンポリアムという日本でいう高島屋のようなデパートもあるところです。

ホテルの受付に日本人っぽい人がいたので聞いてみると、ウィンザーという名前の通り、英国系のホテルだと答えてくれました。

ここには新館と別館があり我々は別館に通されたのですが、改装工事中だったらしく、朝の8時過ぎから工事が始まったのには参りました(泣)。タイには、サービスという概念はまだまだ希薄な感じがしました。

でもSin君のタクシー料金やウィンザースウィーツの騒音の件は、日本ではまずあり得ないことですが、こちらの方が世界の常識に近いのでしょう。

自分の身は、自分で守る。自分で情報を集め、自分で行動し、その責任は自分が背負う。

その基本原則を感じさせてくれるから、ツアーではない海外旅行は面白いのだと思います。

チョンブリーにて

2007-05-05 14:08:35 | 海外事情
こんばんは。

衝撃の一夜が明けた翌日、我々は行きの移動をお願いしたドライバーSin君とサンビームホテルの1Fロビーで待ち合わせをしました。勿論、帰りの移動もお願いするためです。

実は前日ホテルのそばのBarで、「バンコク市内までの送迎800バーツ(2,400円)」という看板を見つけて、ちょっとショックを受けていました。Sin君が我々に提案し渡していた金額は、1,500バーツ(4,500円)だったからです。

海外に出るとこういうことは日常茶飯事で、だからこそ日頃の情報収集と相場感の把握が重要だとはわかっていたものの、ここまでふっかけられたのは初めてだったので、非常に良い勉強になりました。

13時頃にサンビームホテルを出発し、車は一路バンコクへ。次回の旅の参考にと、パタヤの北に位置するチョンブリーに寄りました(※写真)。

パタヤと同じ海岸線沿いに位置するだけに、真っ白なビーチをイメージしていたのですが、チョンブリーの海岸は石が多く、リゾートビーチらしきものはありませんでした。こういったことも、やはり現地に行って自分の目で確かめてみないことにはわからないですね。

チョンブリーで少し休憩した後、我々はバンコクへ向かいました。

パタヤの叶恭子に出会う

2007-05-04 21:18:19 | 海外事情
こんにちは。

日が落ちて夜になると、バンコクほどではないものの、パタヤの街もまた違った趣を醸し出します。

この夜は後輩と別れ、単独行動の夜にしました。お互い事情はわかってきたので、二手に分かれて、歩いてパタヤをリサーチすることにしたのです。

その理由の一つに、パタヤの街中ではメータータクシーが、バンコクに比べて圧倒的に少ないことが挙げられます。

タイのタクシーは非常に安く、初乗りが35バーツ(※日本円で約100円)なので、どこに出かけるのにもタクシーを使います。移動手段としてはバスやトゥクトゥクもあるのですが、やはりお店の前までクーラーの効いた快適な状態で運んでくれるタクシーの魅力にはかないません。

そんなわけで海沿いの道を歩いていると、目の前にお洒落なカフェが見えてきました。どこかで見たことがあるなと思っていると、六本木にもあるハードロック カフェでした。中を見ると、ポロシャツに短パンスタイルの白人男性が、楽しそうにハイネケンを飲んでいます。

そのまま歩いて行くと、ちょっとした暗がりにさしかかりました。そこで、事件は起こりました。

暗がりの向こう側から、女性が近寄ってくる気配を感じました。「ついに来たな」気持ちの準備は出来ていたので、恐怖心は全くありません。むしろこれから何が起こるのか、楽しみです。

まだ顔は見えませんが、そのシルエットから大柄でスタイルがいいのがわかります。月明かりに照らされて姿を現したのは、叶恭子そっくりのオカマちゃんでした。ウィンクをするやいなや、「○○○○、○○○?」と拙い日本語で、放送禁止用語を交えながらアピールしてきます。

こちらはその気は毛頭ないので、ノーを連発しながら足早に去ろうとしたその瞬間、今度は背後から二人づれのオカマちゃんが「カモン!カモン!」と言いながらまとわりつき、左サイドのオカマが僕の短パンに素早く手を入れてきました。見事なカウンター攻撃です。咄嗟にその手を跳ねのけましたが、その素早さは魔裟斗のキック並です。ポケットには何も入れてなかったので大丈夫でしたが、バーツ紙幣をまとめて突っ込んでいれば、おそらく何枚かはやられていたでしょう。

さらにオカマが加勢しても困るので、その場を素早く立ち去りました。アウェーでの戦いの不利さを実感できた、なかなか刺激的な体験でした。

タイのリゾート パタヤ

2007-05-04 11:22:25 | 海外事情
こんにちは。

バンコクの狂乱の夜の翌日は、タクシーで2時間ほど走ったリゾート地パタヤへ移動しました。

宿泊したのは、サン ビームホテルです。ここは、ホテルの敷地内にプールもジムもあるところでした。

ホテルの外に出ると、やはりビーチがあるせいか、南国気分が高まってきます。日本はまだ梅雨前ですが、ここにいると完全に夏気分です。

ビーチに出てみると、パラソルが何重にも並び、欧米人の姿が目立ちました。海上では、ボートやジェットスキー、パラセーリングを楽しんでいる観光客の姿が見えます。

このパタヤもベトナム戦争時にアメリカ兵の駐留で発達したらしく、気のせいか元軍人っぽく髪を短く刈り上げたいかついアメリカ人が多い気がしました。

この日はマリンスポーツはしませんでしたが、次回はその辺を事前にチェックして、ジェットスキーを満喫してみたいと考えています。

オカマの視線が忘れられない-ナナ

2007-05-03 23:50:15 | 海外事情
こんにちは。

バンコク初日の夜は、ナナプラザに出撃しました。ここはバンコク名物ゴーゴーバーがひしめくエリアで、バッポンの次に有名な場所です。

ちなみにゴーゴーバーは、1970年代ベトナム戦争時にアメリカ兵が駐留した時に生まれたらしく、そのケバケバしさとノリは日本の六本木に通じるものがあります。

今回のテーマは、“タイで有名なオカマちゃんと女の子の見分け方を追求する”です。

ご存知の通り(?)タイにはオカマが多く、中には完全に手術をして女性と全く変らない容姿の女の子もいるほど。以前ある社長に新宿の有名なニューハーフショークラブ「グッピー」に連れて行ってもらった時に聞いたのですが、今や性転換手術のメッカはモロッコではなくタイとのこと。つまりその分野においては、タイは先進国なのです(笑)。

今回我々が考えたのは、オカマ100%のゴーゴーバーに行って、その共通項を探ろうというものでした。

入ったお店の名前は、「オブセッション」。中に入ると席に案内され、とりあへずドリンク(コーラ=80バーツ=240円)を頼みます。ちなみにドリンクには、JINROもアップルジューズもありません。ここはビールかコーラです。この辺にも、アメリカンなノリを感じます。

席に着くと、早速大挙してビキニ姿のオカマちゃんがやってきてまわりを包囲します。中には手を取って、自分の体に触らせようとする輩もいます。完全に池に投げられた鯉のエサ状態です。

自分達の席のすぐ前で15人前後のオカマが、猛烈にアピールする姿は圧巻でした。男でもなく、だからといって完全な女でもないあの強烈な目線は、脳裏に焼きついて今でも離れません(泣)。

顔、喉、体型、股間、体毛…、どこを見てもオカマである確証を得られるほどの違いは得られません。熟考の結果、我々は「整形技術ではカバーしにくい手の大きさで判別するのが、一番確率が高い」という結論に達しました。

ノリの良い音楽とともに揺れるオカマちゃんの体に囲まれながら、タイの夜は更けていきました…。

84階建てのバイヨーク スカイホテル

2007-05-02 23:59:38 | 海外事情
こんにちは。

2日の夜にバンコクに到着し、バイヨーク スカイホテルに宿泊しました。

今回もホテルの手配は後輩に任せっきりなので、着いて初めて知る状態です(笑)。バンコクのランドマーク的な存在のこの高層ホテルは84階建てで、ロビーも18F、今回は44Fに泊まりました。

チェックイン時にホテルの受付そばのテレビ画面で、チャンピオンズリーグシップ準決勝ACミランVSマンチェスターU戦が放映されており、ホテルのボーイがチラチラと気にしながら見ていました。

当然ボーイ以上に気になっていたので、部屋に案内されるとすぐTVを付けて観戦!すでに後半30分過ぎでしたが、結果は3-0でACミランの勝利でした。

あのトッティ率いるローマから、歴史的大量得点である7点をもぎ取ったマンチェスターUが0点に押さえられたことは、大きな驚きでした。

技巧派でCLで優勝経験が3回もあるシードルフや、CLで4回優勝経験があるキャプテンマルディーニといったベテラン勢とカカに代表される若手とのコンビネーションが、今のACミランの安定感を作り出している気がします。

個人的にはリバプールを応援しているので、もう一つの対戦カードのチェルシーVCリバプールでリバプールが勝つと、トルコイスタンブールでの対決の再現となり、かなりエキサイティングなカードになりそうです。

ふと窓の外を見ると、さすが44Fだけあって、そこにはバンコクの綺麗な夜景がありました。

中正国際空港に感じる日本

2007-05-02 13:57:35 | 海外事情
こんにちは。

GWの台湾・タイ旅行の初日は、成田を出発し、台湾の中正国際空港でのトランジットでした。
私見ですが、その国の経済状況は、その国の玄関口である空港を見ればわかるような気がします。

中正国際空港はまだ新しく、設備も最新で、成田とそんなに変らない感覚でした。

免税店にはFENDIやSONYといった世界各国のブランドが入り、飲食コーナーにはスターバックスがありといった風景の中でちょっと印象的だったのは、台湾の絵画や彫刻が上手く飾られていた点です。

台湾は、日清戦争後の1894年下関条約の締結で日本に割譲されて以来、日本が戦争に負ける1945年までの51年間日本の統治下にあったわけですが、そういった美術品の中にも日本文化に通じる感覚を見出すことができます。

ちなみに統治時代の1928年、日本は台北帝国大学(※今の台湾大学)を創設し、教育の普及に力を注いだそうですが、この時の学生の多くが今の台湾の指導層になっているらしく、とかくアジアの恨みを買っている日本が台湾で評判が良いのは、こういった背景があるようです。

そんな中正国際空港に展示されている台湾の美術品を眺めていると、ふと「成田は、日本の文化を紹介する場になっているのだろうか?」という疑問が涌いてきました。

空港は交通の要点であると同時に、文化PRの強力な拠点です。

外国人はその国、その人のアイデンティティーを重視しますから、今の成田空港に墨絵の名作や彫刻、陶器など、もっと日本を感じさせる美術品の展示を強化すれば、もっと魅力的な空港になる気がしました。

急拡大する美術品市場

2007-04-30 13:22:03 | 海外事情
こんにちは。

ここ数年、世界規模で美術品市場が急拡大し、巨額の取引が目立ってきています。

昨年一年間で、アメリカの美術品価格は約27%上昇し、昨年10月にマイアミで開催されたアート・バーゼル・フェアには、5日間で5万人が訪れました。

その背景には、歴史的に見ても富の流動化が世界規模で進んでいることが挙げられます。カリフォルニアの年金基金のお金がヘッジファンドに流れ、原油への投機や東京の不動産購入に使われる時代。市場の中心は依然としてアメリカの富裕層らしいですが、これに中国やロシアの新興富裕層が参入してきているそうです。

そして今一番熱いのは、中国の現代美術です。

香港のオークションの売り上げは過去5年間で4倍(!)になり、米国ではヘッジファンドの経営者達が顧客になっているそうです。

美術品に投資する美術ファンドも発足しているそうですが、成功しているのはごく一部です。なぜなら、美術はキャッシュフローを生み出さず、他の資産と内容が異なっているからです。

面白いのは、2006年の美術品市場を活気づけた理由の一つに、ナチスがユダヤ人から没収した美術品が元の所有者の遺族に返還する動きがあるそうです。返還要求はこの数年間に加速度的に増え、その結果、有名で高価な作品が市場に登場するようになったことが、ブームの加熱に一役買っているとのこと。

多くの専門家は、このブームは更に加速すると予想しています。

まずはルーマニアを起点にヨーロッパのいろんな魅力的な商品をマーケティングしたいと考えていますが、美術品市場がこれほど加熱しているという事実にさらなる可能性を感じました。