あるマーケティングプロデューサー日記

ビジネスを通じて出会った人々、新しい世界、成功事例などを日々綴っていきたいと思います。

インタビューの訓練

2008-02-27 23:35:13 | 研修プログラム
営業でも、編集でも、職種名が違うだけで、重要なのはコミュニケーション能力です。

今回はコミュニケーション能力を磨く研修として、インタビューの実習を行いました。

決められた時間内で、相手のことをどれ位理解し、情報を取れるか。

初めて会った人には緊張もするし、照れもあります。でも早い段階で打ち解け、共通の話題を共有し、深く入っていくコミュニケーションスキルは非常に重要です。

そのためには、自分の情報量も試されるし、当然度胸も試されます。時事ネタもユーモアも重要です。

今回は各人が取ったメモに、ある法則性があることを発見しました。

人は未知の世界と遭遇すると、普通は混乱します。そういった状況下で冷静さを保ち、いかに正しい判断を下せるか。

相手を窮地に追い込む外資系企業の面接は、そういったビジネスの現場のニーズに基づいた手法なのでしょう。

一眼レフでの撮影会

2008-02-20 23:43:57 | 研修プログラム
クリエイティブの中で、写真は非常に大きな要素です。

デザインワークが良くても、写真が良くないとその完成度は一気に落ちます。逆に写真のクオリティが高いと、その広告の完成度は一気に高まります。

優秀なデザイナーが、写真も撮れるようになっていくのはそのためです。彼らは、デザインをしているうちに写真の影響力に気付いていくのです。

というわけで、本日はニコンの一眼レフを使った撮影会を行いました。

事前に模範的な作品をプリントアウトしたものをホワイトボードに貼り、その成功要因を説明した後、実技へ。

一番のポイントは、構図です。

対象人物が一番綺麗に見える角度、手の動き、口もと、目線、カメラアングル、背景等に気をつけながら、どんどんシャッターを切っていきます。

柔らかい表情を醸し出すには、撮られる側との心地良いコミュニケーションが不可欠。そんなことも、実際にやってみないとわかりません。

頭で考える学習も大事ですが、体で覚える訓練もそれ以上に大事。また、教えることは学ぶことだということも新たな発見でした。

編集企画のグループワーク

2008-02-07 23:43:43 | 研修プログラム
昨日の夕方は、情報誌の編集企画のグループワークを行いました。

ターゲットを意識しながら、与えられた情報と前提条件の中で誌面構成を考える訓練です。

日本の大学ではこういった訓練をほとんどしていないので、参加者は全員が初体験。

最初はドギマギしていましたが、だんだん盛り上がっていき、最後には企画内容、キャッチコピーとメインビジュアルといった具体的表現案まで落とせました。

今後は以下のような項目で、クリエイティブ訓練を実施していきたいと考えています。

◆広告の名作を知る
◆コンセプトの立て方
◆編集企画のトレーニング
◆キャッチコピーのトレーニング
◆デザインのトレーニング
◆インタビューのトレーニング
◆写真のトレーニング

この模様は、随時このブログでも紹介していく予定です。

社員の吸収力を実感!プレゼンテーション研修

2007-07-17 23:53:38 | 研修プログラム
こんばんは。

昨日は都内某所で、現在急成長中の企業の方向けにプレゼンテーション研修を実施しました。

集合は8時20分だったのですが、台風一過の後のせいか3連休最後の日だったかせいか、道も山手線もガラガラでした。

この日の研修は朝9時から夕方の18時までのかなり密度の濃いもので、午前中は理論中心、午後は実習中心の構成でした。

受講者の半分近くが新卒1年目で、その他の方も2~5年目の人だったのですが、非常に優秀な印象を受けました。

講義中に寝ている人は一人もいなく、半分以上はノートPCを持ち込み、議事録を取っていました。この会社のITリテラシーの高さが感じられました。

一番印象的だったのは、後半最後の2時間の実習です。

受講者がいくつかのグループに分かれ、事前課題を決められた時間内でプレゼンテーションをするのですが、私の担当グループでは受講者の順応性を確かめながらどんどんレベルを上げていきました。

その結果最後には、かなりのレベルまで到達していったのです。

プレゼンテーターが終了するたびに改善点を明示し、それを次の発表者のプレゼンのルールとしていきました。

笑顔の挨拶、姿勢、目線、声の抑揚、間の取り方、身振り、発表の構成、PRポイントの連呼など細部にわたってチェックし、それをその場で実行することによる吸収力には目を見張るものがありました。

この会社は、間違いなくこれから成長すると思います。それは社員の優秀さもさることながら、“教育の重要性”をわかっているからです。

イギリスのトニー・ブレア前首相は、1996年の演説でこう述べました。

「政府が優先的に取り上げるべき課題が、3つあります。それは教育と、教育、そして教育です」

教えることによって学ぶことも多々あると言いますが、まさにその通りで私にとっても非常に勉強になった一日でした。

サービスの本質について

2007-04-11 22:34:07 | 研修プログラム
こんばんは。

本日は、いつもの美容サロンでの研修プログラムにネクサイトの大塚社長をお招きし、対談形式で実施しました。

大塚社長は早稲田大学を卒業後日商岩井に入社され、ドイツを皮切りにヨーロッパから南米まで世界中で活躍され、昨年“ヨーロッパの一流品をリーズナブルな価格で紹介する”をコンセプトにした株式会社ネクサイトを立ち上げられました。

以前このブログでご紹介したクローナンバイクは、大塚さんがある雑誌を見て気に入り、単身スウェーデンの首都ストックホルムに渡り、単独でクローナン社と交渉し、輸入販売契約を交わしたことから始まっています。

私自身大塚さんの会社のWebをお手伝いさせて頂いたのが縁で、それ以来お仕事だけでなく、その豊富な人生経験に基づく見識にいつも勉強させて頂いています。今回はそんな大塚さんの豊富な人生経験を交えながら、NHKの「しゃべり場」のようなトーンでやってみました。以下が内容です。

◆テーマ/サービスの本質とは?

第一部/海外という環境で働くということ
・日本人の常識は通用しない
 →エクアドルの道路でのパンク確信犯
 →エクアドルのマンション水漏れ事件
 →ドイツ系企業トップの入国トラブルと信頼構築
・言葉を覚える必要がある
 →語学の習得は素質ではない、反復が重要
・素晴らしい自然と感動
 →エクアドルの満月の美しさ
 
第二部/お客さんに喜んでもらうということ
・お客さんは何を求めているか
 →二子玉川のサロンの子供ケアーエピソード
 →藤原紀香の専属スタイリストはなぜ成功したのか
 →ネクサイトの考え方
 →プレート広告のしたお客さんの声
 →依頼先とのリレーションの重要性

第三部/独立というものの考え方
・まずは顧客満足を作れることが大前提
・プロとアマは“フィニッシュのクオリティ”が決定的に違う
・夢想とプランは全く異なる 

第四部/最後に
・夢に期限をつけることが、プランに変わる時
・計画を作ることで動きが出てくる

海外関係の滅多に聞けない話と、ご自身も独立されていることから融資を受けた時のリアルな話など、かなり中身が濃い研修になりました。

異業種の人の話を通して違った角度から本質的なテーマを浮かび上がらせるというアプローチは、知的好奇心も満たされるので非常に効果的だと思います。

プロ中のプロが行っている訓練から学ぶ

2007-03-29 22:56:39 | 研修プログラム
こんばんは。

本日はいつもの美容サロンで、前回立てた自分の人生プランを基本設計を精査したものを、一人1分でそれぞれ発表しました。

自分の将来像をリアルに設定し、情報を集め、組み立て、人前で自分の言葉で話すという経験のある人は、まだまだ少ないかも知れません。

狙いは、本や雑誌、人、インターネットを活用した情報収集の方法の習得と、立案力、プレゼンスキルの向上です。

一通り全員の発表が終わった後、以前アルマーニのドキュメントフィルムが好評だったのに味をしめ、また映像を活用したイメージトレーニングを実施しました。

今回のテーマは、「プロの訓練方法から学ぶ」です。

映画というものは、情報の宝庫です。最新の世界情勢、政治の駆け引き、歴史的考察、文化の違い、最新のテクノロジー等、選択する映画によって様々な情報が得られます。

今回選んだのは、世界のトップレベルのプロを養成する訓練模様を扱った作品です。

具体的には、海兵隊の訓練を描いたスタンリー・キューブリックの名作『フルメタルジャケット』、警察特殊部隊の訓練を描いた『SWAT』、CIAの諜報部員の養成学校が舞台の『リクルート』です。(※写真はリクルートのワンシーン)

どの訓練にも共通して言えるのは、理論だけでなく、実際のシーンを想定したセットが用意され、徹底した模擬訓練が行われている点です。

アメリカの大企業のCEOを多数輩出していることでも有名なハーバードビジネススクールでは、実際にあった企業のケーススタディが大量に出され、限られた時間の中で答えを導き出すといった訓練をするわけですが、そういった意味ではロールプレイングは人材の教育訓練の主流の一つといえると思います。

学究的な要素も教育には必要だと思いますが、実践的なスキルをアップするための訓練的要素が日本の大学にはあまりにも乏しい気がします。

ある有名な人の言葉で「その国の将来を知りたければ、その国の大学生を見よ。」という言葉があるのですが、日本の大学の国際競争力の低さを考えると、ちょっと見通しは暗いかも知れませんね(泣)。

自分の人生のプランを立てる

2007-03-11 22:11:54 | 研修プログラム
こんばんは。

本日夜9時から、サロンでいつもの研修を実施しました。

今回のテーマは、『自分の人生プランを設計する』というものです。

日々の仕事の意味を考え、自分の人生の目標に結び付けることで、目的意識とモチベーションを高めようというものです。

美容は、非常に拘束時間の長い、体力的にも負担の強い仕事です。

そのモチベーションを支える大きな要素として、「将来独立して自分のお店を持ちたい」「海外で働きたい」「指名の取れるスタイリストとして一生働きたい」といった自分のキャリアイメージがあります。

しかし残念なことに、自分のキャリアイメージが漠然としていたり、そういった自分の夢を実現するためには“具体的に何が必要なのか”といったことを教えてくれる機会は、ほとんどないのが現状です。

カットやパーマ、接客の技術といった現場で求められるものは体で覚えるにしても、その向こう側は自分で探すしかないのです。

そこで今回は、以下のように2回に分けて構成してみました。

◆第一回/情報収集の方法を知り、人生の方向性を決め、ラフを作成・発表

・情報ルート
→書籍や雑誌…成功者のインタビュー記事、キャリア系書籍 
→インターネット…Yahooでのキーワード検索、オールアバウト、ブログ、起業系他
→人…オーナー、肉親、学校の同期、以前在籍したお店の友達他

・プランニング
→所定のシートの項目に沿って、記入していく

◆第二回/上記の情報ルートを活用し、再度精度を高めたプランを作成・発表

・プランニングのポイント
→自分ならではのオリジナリティを持たせる
→時期とリスクを顕在化させる
→実際の成功モデルを極力探す

第二回は3月29日(木)に実施の予定ですので、またその時に御報告したいと思います。

紙芝居で成功のシナリオを作る

2007-02-14 21:37:20 | 研修プログラム
本日は、伊東での研修プログラムでの2日目です。

二日目の企画の狙いは、“ストーリーを作る”ということです。

事前にディズニーランドのビジネスの成功の裏側に密着した映像を放映し、ストーリー性の重要性をスタッフ全員にイメージしてもらいました。

ディズニーランドのアトラクションには、全てにストーリー性があります。カリブの海賊にもスペースマウンテンにも全てストーリー性があるから、観客は感情移入し、様々なアトラクションの機能がより魅力的になるのです。

乗り物は早いだけでは、面白くありません。そこにストーリー性があることで、乗り物に色が付き、形が決まり、観客はそれぞれが主人公になれるのです。そしてその心理的興奮状態を、お金で買っているわけです。

今のサービスは、二極化が進んでいます。

価格競争に巻き込まれず高い利益率を確保するためには、この“イメージをマネージする”ことが重要だと思います。

今回の企画では、お店が一大ブランドとして成長していくストーリーを各グループが紙芝居という形で描くことで、現状の把握から一大ブランドになるまでの戦略までを短時間で整理し、表現する訓練を行いました。

発表された紙芝居にはユニークなアイディアもたくさん盛り込まれ、また発表形態にもイラストを上手に使ったり、語り部が独特なスタイルを取ったりする工夫も見られました。

“経験値をどんどん増やしていく”―それが、この研修プログラムの大きなGOALの一つです。理論をいくら明示しても、それを理解・判断できる経験値が自分自身の中にないと吸収することはできません。

そういう意味では、人間はどんなに発達しても、体で覚える原始的な部分の方がよっぽど強いのかも知れません。

合宿が無事終わり出発した場所に戻ってきてバスから降りた時の、リーダークラスの「有難うございました。これからも宜しくお願いします!」という強い声と、握手をした時の笑顔がとても印象的でした。

お店のポスターを作る

2007-02-13 22:35:04 | 研修プログラム
本日は、私がコンサルティングしている人気美容サロンの伊東合宿の初日です。

企画内容や運営方法、メンバー構成等について、オーナーとサロンのそばの喫茶店で何回も打ち合わせをした内容だけに思い入れもあります。

朝9時にサロンのそばに集合した時、サロンの女性スタッフからバレンタインのチョコを頂きちょっとハイに(笑)。

そのままマイクロバスに乗り込み、いざ伊東へ。お天気は快晴で、窓から見える海が太陽の光を反射をして眩しいくらいでした。

行きのバスの中では、有名なアートディレクターやCMプランナーの仕事のやり方を綴ったビデオを放映し、一流の仕事の“こだわり”部分をイメージしてもらいました。

初日の企画は、自分のお店のポスターを作るというもの。メンバーを4グループに編成し、オリエンテーションをした上で、用意した模造紙に各自役割分担してポスターを製作し、発表するというものです。

この企画の狙いは、いくつかあります。

第一に、グループワークを通してコミュニケーションを深め、ディレクション、役割分担、時間管理の重要さを認識する原体験を作るということです。

美容業界に入ってくる人は、それまでこういった経験を殆どしたことがないため、逆にいい意味で感化されてぐんぐん成長していくのです。

第二に、顧客の心理状況をつかむトレーニングになるということです。

広告は目立たせないと効果はありません。しかも、街行く人の潜在的な欲望に火をつけないと効果は出ません。この“潜在的な欲望”を把握することが、重要なポイントなのです。髪を切る理由としては、行事がある、ただ長くなったから、気分を変えたいから、もっとモテたいから等いろいろあります。そのお店のターゲットに響くメッセージを作る訓練をすることは、日々の接客にも生きるのです。

第三に、ポスター制作を通じて自分のお店の理解を深めるということです。競合店と比べてどこか強いのか、そこを再認識してもらうのです。

結果は、想像以上にユニークで面白いポスターが続々と出来上がりました。

詳細は伏せますが、何よりもオーナー自身がスタッフのお店に対する理解度を把握できたことが大きな収穫でした。

また昨年冬にこの研修プログラムをスタートしてから、スタッフの考える力、聞き取る力、自分の言葉で語る力がめきめき上達してきていることを実感できたことも、大きな喜びでした。

研修プログラムのコンテンツ

2007-02-04 03:00:29 | 研修プログラム
こんばんは。

リクルートでのいかだ作りで感じたあの熱気と興奮に満ちた研修プログラムを、何とかできないだろうか―そんなことを考えながら、研修プログラムのコンテンツの設計に入りました。

そこでは、研修で実践したことが日常の美容室の営業活動に生かせるイメージを持てることを前提に、プランニングしていきました。

そうやって大きな骨格みたいなものが、次第に出来上がってきました。それらを、以下に記します。

◆会話を通してもっとお客さんのことを知ろう!/インタビュー実習1
◆共感性の高いテーマを見つけ、盛り上げよう!/インタビュー実習2
◆自分のお客さんの素顔を整理してみよう!/プロファイリング実習
◆はっきり、ゆっくり、自分の言葉で話せるようになろう!/スピーチ実習
◆自分の強み・弱みを客観的に把握しよう!/自己分析実習
◆感動を生むクリエイティブ、世界のポスターの名作から学ぶ/広告実習1
◆感動を生むクリエイティブ、世界のCMの名作から学ぶ/広告実習2
◆自分のお店のポスターを作ってみよう/広告実習3
◆お店でできる新サービスを考え、プレゼンしてみよう!/マーケティング実習1
◆数字を読み取り、キャンペーン戦略を考えよう/マーケティング実習2

スタイルとしては、これをベースにオーナーと随時相談しながら、その時の状況を反映させて進めていくというものです。

基本的には、“楽しく、学べて、明日から使える”をコンセプトに、メディアを活用し五感に訴えるものです。

その第一回目は、ある有名な映画を教材に使うというものです。

お絵かき大会

2007-01-31 22:26:42 | 研修プログラム
さて、この絵は何を表しているのでしょう?

正解は、「かぶと虫」です。

人によっては台所をはいずり回る昆虫に見えるかも知れませんが(笑)、描いた人はかぶと虫として描いたのです。

絵は、その人のキャラクターがとても出ます。

几帳面な人は細かい絵を描こうとするし、大雑把な人はそういう絵になります。なので、お互いを理解し合う手法として絵を活用することは、とても効果があります。

この日は1月最後の研修プログラムということで、“一流のプロフェッショナルの仕事へのこだわり”を感じてもらうために、まずジョルジオ・アルマーニの映像を放映しました。

ご存知の通り、アルマーニは40歳で会社を設立し、アルマーニ帝国を築いた後も自分自身が常に第一線に立って働き、そのブランド力を他の追随を許しません。

彼の仕事への取り組み方とその厳しさは有名で、「時には怒鳴りちらすことも、全体の緊張感を高めるための演出として使う」という言葉が、とても印象に残りました。

やはり同じ美を追求する業界の巨匠だけに共感性が高いのか、この上映は非常に好評でした。

第二部はお互いを深く理解し、親睦をより深めるためにお絵かき大会を実施しました。

これは具象画部門と抽象画部門に分け、あるキーワードを時間内に絵に落としていき、一番ふさわしくない絵を描いた人が罰ゲームというものです。

「ミッキーマウス」や「パンダ」といった具体的なものならまだしも、「愛」や「平和」といった抽象的なものは、そう簡単ではありません。

本州が分裂している日本列島や的場浩司のような小泉元総理が出たりして、爆笑の絶えない、そしてお互いをよく知ることができた濃い時間になったと思います。

お絵かき大会での名作品集を、今度の合宿のレジュメに付録としてつけてFBしようと考えています。

リクルートでのいかだ作りの思い出

2006-12-15 22:08:57 | 研修プログラム
こんばんは。

美容室のスタッフのモチベーションを高めながら、グループワーク他を通じてコミュニケーションスキルをアップさせ、チームワークを強化していく。

私はこの研修プログラムのコンセプトを、“楽しく、学べて、明日から使える”に設定しました。

従来の研修のイメージは、会議室に机と椅子があり、講師が一方的にマイクを持って話すというものです。

しかし、これでは参加者のモチベーションも上がりません。研修の目的は、参加者が研修を受ける前よりも受けた後に明らかに成長している状態になり、翌日からの活動に学んだことを生かすようになることです。

そのためには、五感に訴える仕掛け、時事性、共感性、ストーリー性を駆使したエンターテイメント性が必要なのではないかと考えました。

今でも忘れられない記憶があります。

リクルートの内定者向け研修で、海岸でグループに分かれていかだを作ったことがありました。出身大学が異なるメンバー5人が一チームになり、時間内でいかだを設計し、海岸に置いてある資材から必要なものを選び、沖に浮いているブイまで全員乗って回って帰ってくるというゲームです。

チーム内で役割分担をし、スピーディにプランニングし、成果を競う。それは、まさにビジネスのシミュレーションそのものでした。

私達のチームは役割分担も資材調達もいかだの構築も8チーム中1位で、勢いよく海に飛び出したのは良かったのですが、浮力を重視した真四角のデザインをしてしまったため漕いでも漕いでも回転して全く前に進まず(笑)、海岸に戻ってきたのは最後から2番目でした(泣)。

結果はともかく、この研修プログラムは参加メンバーに設計、スケジュール管理、チームワークの重要さを“理論ではなく、体で覚えさせた”のです。

しかも、チームの構成は異なる事業部・部署の人間を組み合わせることで、その後の業務におけるスムーズな部署間の連携を促進するものになっていました。

楽しい・面白いということは、新しいということです。

新しさは、成長につながります。

あのいかだ作りの時に感じた、“感動と興奮に満ちた研修プログラム”を作れないだろうか。

そんなことを考えながら、設計作業に入りました。

課題の設定

2006-12-14 23:03:18 | 研修プログラム
こんばんは。

美容室のスタッフのモチベーションを上げるために、何ができるだろうか?

オーナーと飲んだ翌日から、頭の中にいろんなアイディアが駆け巡りました。

まず美容室のスタッフのモチベーションを構成すると思われる要素を、一つ一つノートに書き出してみました。

オーナーのビジョン、お店の立地、お給料、勤務時間、現場での人間関係、売り上げ状況、技術教育環境、キャリアイメージなどです。

この美容室の場合、スタッフはオーナーの考え方に非常に共鳴しているのが、現場にいるとひしひしと伝わってきます。また立地も良く、お給料も高いので、優先順位の高い問題は、現場の人間関係だと設定しました。

美容室の場合、店舗の現場は通常店長、スタイリスト、アシスタントの3職種に分かれ、店長はスタイリストを兼ねることも多いようです。

そしてスタイリストとアシスタントの差は非常に大きく、コミュニケーションの連携プレーが上手くいかないと業務も上手く回りません。

そうすると、人間関係を強化しながら業務のGOAL(顧客満足)を再認識する“チームワークの構築”こそが、優先順位の高い課題なのではないかと考えました。

チームワークの重要さをどう伝え、理解してもらうか。

今度は具体的なプログラムの中身について、設計に入りました。