サラリーマンの面白真面目な週末植物ウォッチングPart3。写真はクリックで大きくなります。
多摩ニュータウン植物記Part3
ハナゾノツクバネウツギ
『ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た。』 の一文で始まるミステリー小説。これはイギリスの小説家、ダフネ・デュ・モーリアの名作 “レベッカ” で、1938年に発表された。ヒッチコック映画をご覧になられた方も多いだろう。ちなみに小説と映画は内容が少し違うので、映画を見たことがある方は、小説のほうもお勧め。
このマンダレーとは、主人公が住むことになったイングランド南西部にあるお屋敷だが、屋敷に向かう長い私道にある多くの樹々の表現がすごい。
手入れをしなくなったお屋敷というシチュエーションでは、 『再び大自然が天下を取ったのだ。密やかに少しずつ何気ないようでいて執拗な指先を、私道にも伸ばしてきたのだ。以前からのしかかるような圧迫感を与えていた林が、ついに凱歌をあげたのだ。』 『丸裸のブナの色褪せた枝は互いに絡みついて怪しげに抱きあい、頭上に教会のアーチのような丸天井を形作っている。』 『あのころ、青く丸い玉のような花で評判だった紫陽花は、人の手が入らないまま野放図に大きくなり、すっかり野生化して、脇に生えている名も無い寄生植物と同じように、花ひとつない、どす黒い醜い巨木となっていた。』 『シダが絡みついたツツジは15メートルはあろうかという高さまで聳え~』 などなど。
また、お屋敷が華やかだった頃の表現では、ライラック、ツタ、ラッパズイセン、ハーブ、バラ、ブドウ、ジキタリス、マンテマ、ブーゲンビリア、クロッカス、プリムラ、バイカウツギなど、植物名が次から次へと登場する。
「ハナゾノツクバネウツギ(花園衝羽根空木)」も「アベリア(Abelia)」として出てくるが、そのくだりは次のような表現になっている。
『入り江にくだる小さな谷の小径の左側にはツツジやアベリアがぎっしり植わっていて、とある5月の晩、夕食後に散策してみれば、辺りは花々の香りでむせかえるようである。落ちている花びらを拾って指でつぶそうものなら、掌の上に堪えがたいほど甘くかぐわしい何千という芳香のエッセンスがたちのぼる。』
これは文庫本上下2巻の長い小説だったが、2週間近くもベッドに寝ていると、このほかの文庫本もずいぶん積み上がった。ハナゾノツクバネウツギはスイカズラ科ツクバネウツギ属の常緑低木。
このマンダレーとは、主人公が住むことになったイングランド南西部にあるお屋敷だが、屋敷に向かう長い私道にある多くの樹々の表現がすごい。
手入れをしなくなったお屋敷というシチュエーションでは、 『再び大自然が天下を取ったのだ。密やかに少しずつ何気ないようでいて執拗な指先を、私道にも伸ばしてきたのだ。以前からのしかかるような圧迫感を与えていた林が、ついに凱歌をあげたのだ。』 『丸裸のブナの色褪せた枝は互いに絡みついて怪しげに抱きあい、頭上に教会のアーチのような丸天井を形作っている。』 『あのころ、青く丸い玉のような花で評判だった紫陽花は、人の手が入らないまま野放図に大きくなり、すっかり野生化して、脇に生えている名も無い寄生植物と同じように、花ひとつない、どす黒い醜い巨木となっていた。』 『シダが絡みついたツツジは15メートルはあろうかという高さまで聳え~』 などなど。
また、お屋敷が華やかだった頃の表現では、ライラック、ツタ、ラッパズイセン、ハーブ、バラ、ブドウ、ジキタリス、マンテマ、ブーゲンビリア、クロッカス、プリムラ、バイカウツギなど、植物名が次から次へと登場する。
「ハナゾノツクバネウツギ(花園衝羽根空木)」も「アベリア(Abelia)」として出てくるが、そのくだりは次のような表現になっている。
『入り江にくだる小さな谷の小径の左側にはツツジやアベリアがぎっしり植わっていて、とある5月の晩、夕食後に散策してみれば、辺りは花々の香りでむせかえるようである。落ちている花びらを拾って指でつぶそうものなら、掌の上に堪えがたいほど甘くかぐわしい何千という芳香のエッセンスがたちのぼる。』
これは文庫本上下2巻の長い小説だったが、2週間近くもベッドに寝ていると、このほかの文庫本もずいぶん積み上がった。ハナゾノツクバネウツギはスイカズラ科ツクバネウツギ属の常緑低木。
コメント ( 9 ) | Trackback ( 0 )
« ヤブラン | エノキ・2~黄葉 » |
私もこの本を以前から読みたいと思っていましたが、今回ようやく読むことができました。
とても面白かったですよ。
アベリアは本当に花期が長いですよね。
香りもとても良いです。
入院中の軽い読み物としては、読みやすくて手頃だったでしょうね。
デュ・モーリアといえば「鳥」を書いたのも彼女で、なかなかのストーリーテラーですね。
上の名無しは私です。ごめんなさい。
ランニング可というお許しが出たようで良かったですね。
私も今まで入院も大きな病気もしたことないのですが、もし、安静にしていろと言われたら、できるかどうか自信がありません(^_^;
ヤブランの実は、昨日、自宅で撮影したばかりでした。
黒くてきれいだと思いましたが、あれは種子なんですね。そういえば、ちょっと前まで緑色だったような?今、思い出しました。
もともとは野鳥の落とし物から勝手に生えてきた株ですが、小鳥はあんな低い場所の実まで食べているものなんですね。
「鳥」も少し前に読みました。映画は子供の頃にテレビで見ましたが、怖かったですね。
デュ・モーリアの短編も面白いですね。
お陰さまで、ランニングの許可がおり、今日、久し振りに走ってきました。入院中に医師に『いつから運動できますか?』と何度も聞いていましたよ。
ヤブランの実は緑色の時も綺麗ですね。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。